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落書き③ にらみつける

ポケットモンスターのゲームの中で「にらみつける」という技がある。敵の防御力を1段階下げるという、ストーリー初期ならばお馴染みの補助技。

物心ついた頃、ということは今から20年近く前。初めてポケットモンスターのゲームをプレイした。今でもよく覚えている。オレンジ色のゲームキューブ、今は無き名ゲーム機。ソフトはポケットモンスタールビーだった。当時住んでた家の近くのデパートで祖母に買ってもらった。

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要は 「⚪⚪のにらみつける!」というテキストコマンドを見る度、(なんでニラをみつけただけでぼうぎょりょくがさがるんだ...?)と思っていたというくだらない話だ。

睨み付ける、という粗暴な動作を知らない純粋無垢な子供だったのは大前提だとしても、何故ニラのことは知っていたのかは謎だ。家庭にニラが頻繁に並んだという記憶もない。そもそも野菜に興味があったような覚えもない。ニラが野菜だったことは何故か知っていたのだ。

当時の私は、何故ニラを見つけることで相手のぼうぎょりょくが下がるのか、考えていたはずだ。漠然と納得していたわけが無い。物心がついたばかりの頃の子供の探究心を舐めたらアカン。が、今になっては当時何を考えていたのかはさすがに覚えていない。タイムスリップできるのならば当時の私に会いに行って、一緒に想像力の片棒を担いであげたい。逆ににらみつけられそうだが。

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ちなみに、人生の折り返し地点でもある齢20を迎えて、最近ようやく人を疑うということを覚えた私は、ついに「にらみつける」という技を覚えた。それこそあのファイヤーみたいな感じである。

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