学校現場で続く退職・休職
4月初め
入学式委員長として、入学式の準備を終え、全く進んでいなかった学級学年の仕事を最低限終わらせて、遅くに帰ってきた。疲れたけど、なんとか終わってホッとしていた。
食事の準備などは、夫がやってくれた。娘は寝ていて会えなかった。大学生の息子はまだ起きていたので、少々話ができた。
忘れていったスマホを開くと、教員の研究会のL I N Eグループに「退職するので研究会も抜けます」という知らせが入っていた。
食卓に珍しく私宛の封書があり、以前一緒に働いていた若い先生から退職したと報告のお手紙だった。
二人とも勤めて5年前後だ。
家族には言えなかった。
落ち込んだ。ドッと疲れた気がした。
育成に関わったのにという徒労感もある。2人とも一生懸命やる人だったのに。
この仕事は、今、本当に好かれていない。若い人もやり直しが効くうちに…とやめていく。
5月末
講師の先生がしばらくお休みされることになった。一生懸命やってくださる方で、安心して子供達を任せることができた。フルはきつすぎて、講師になったとお話しされていた。
子供も大人も負担をかけていたようだ。私も、もう少し何かできたのではないかと申し訳なく思う。
2ヶ月
でも、この2ヶ月は、自分の仕事で精一杯だった。
研究授業も5月は学年2クラスで1本ずつやった。
運動会もどきの行事もあった。
ゴールデンウィークに2日連続休めたところがあったけど、それ以外は土日のどちらかは出勤している。
平日は、朝8時前に着き、ご飯当番以外の週3日プラス土日のどちらかは帰路に着くのは21時以降。23時の日もちょこちょこあった。
校内で一番大変かも…というクラスの担任だ。現状ありうる、ほぼ最高人数の学級。
反抗的な訳ではないけれど、特別支援の必要な児童が固まっている学年で、人間関係から、重いメンバーが寄っている。昨年度は、常に、廊下に何人か出てうろうろしていた。
中学受験塾に通う子が3分の2くらいなので、支援の必要な児童に対応しつつ、その子たちが飽きない授業をしなければ、学級崩壊してしまう。
管理職は配慮してくれ、時間講師に任せる教科も作ってくれている。でも、専科(音楽や図工など)の時間になっても、まず何人かは一緒に行けない。なだめたり励ましたりして、後から連れていく。中に入れるようにしばらく一緒にいる。そうやっていると、丸つけしようと思っていたものも、作ろうと思っていた書類も進まない。
さらに、今年から復活する宿泊学習の準備も、コロナ前通りにはいかないから、一つ一つ検討したり書類を作り直したり…。
本当に周囲の人を気遣える余裕が全くなかった。自分自身も毎日明日のことで必死だ。
でも、職場みんながそういうわけでもない。講師の先生が休む原因がいくつか思い当たるけど、平気で「それ、丸投げする?」という仕事を講師の先生にやらせてしまう人もいる。授業準備をしないから、学級が乱れていき、その結果を周りにフォローさせることになる、そんな人もいる。
確かにブラックな仕事だから、何もかも勤務時間を超えてやっていてはダメだと思う。でも、現状はやらずに帰ってしまう人の仕事を、そのクラスの子がかわいそうだから、と誰かが引き受けている。それなのに、引き受けるタイプの人が疲弊して辞めていくのは、本当に悲しい。
3ヶ月、結局は自分
まあ、でも一番の原因は、自分だと思う。
一度崩壊学級を引き受けた時に、精神的に病んでから、準備不足が怖い。あとは、理想があってこの仕事についたから、理想をあまりに裏切ることが自分で許せない。
この1ヶ月は、2泊3日の宿泊学習の準備で必死だった。引率して、子供を連れていくことの恐ろしさは若い頃には感じなかった。今は、ひと様の子を預かる責任を感じるから、どれだけ準備しても怖い。
終わったら、成績の仕事を本格的にしないとな。保護者会もあるし、準備できるのか心配。
退職してしまった先生への返事は書けていない。レターセットを毎日持ち歩いているのに。今、立ち止まって考えたら、自分も止まってしまいそうだから。この1学期を乗り切ったら書きます。そして、周りの人へ、もう少し色々気を遣いたい。共倒れにならない学校にしていかないといけないと思う。
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