No.18 銀河生放送スピーチ I Ψ ♾ 夢と現の狭間
私は空を飛ぶ夢を昔から良く見ます。
空を飛ぶことは子供の頃から大好きで、ただ自由自在に飛べるってだけで、もう楽しくて仕方がありません。
たまに空飛ぶインストラクターをやったりして、初心者に手取り足取り飛び方を教えたりすることもあり、どうも私は夢の世界では、かなりの空飛ぶ名人のようです。(笑)
飛び立つ時の軽い跳躍や滑空する体感などはめっちゃくちゃリアルで、目が覚めても自分が飛べるのは当たり前のような感覚がいつもしばらく残っています。
だから、実際に現実の世界で崖っぷちなどに立つ時は、
「これは夢じゃないんだから、絶対に飛んだらダメだからね!」
と、自分に良く言い聞かせたりします。(笑)
ある晩、いつものようにまた空を飛んでいる夢を見ていました。
その夢の途中で、銀河生放送の中継スタッフ?の人と出会い、いきなり笑顔でマイクを渡されました。
えっ?!
ちょっと戸惑ったけれど、あんまり爽やかな笑顔に、思わず受け取ってしまいました。
ま、ちょうど良い頃合いかもしれないな、と自分も何となくどこかで思っていた節もあります。
私はマイクを握り、広場を見下ろす高台のテラスへと進み出て、広場を囲む木立ちの中から三々五々テラスの近くへと集まり始めた人々に向かって語り始めました。
この世界で起こったさまざまな出来事、色々な人との出会い・・・
そう言えば、もう随分前のことになるけど、皆んなと初めて出会ったのも、この広場だったっけね、
その頃を思い出し、驚いたことや、懐かしさや、楽しげに話しながら、この話題をどうやって核心へと展開させていこうかと胸が高鳴りました。
だって話したいことがあまりにも沢山あり過ぎるのです!
そもそも自分やこの世界の人々とは、いったい何者で、どういう関係なのか、どこからどこまで、どうやって話そう?
うまく伝えられるだろうか?
でも、私にはどうしても皆んなと分かち合いたいことがあるのです。
ラフにいこう、ありのままに、
そう、とにかく今の心境を、思いつくまま話してみよう・・・
そこで目が覚めました。
まだ夜中です。トイレに行って、またベッドへもぐり込みました。
頭の中ではさっきの高台のテラスで言葉を探しながら話している情景の中をまだぼんやりと漂っていました。
私は何を話そうとしてたんだっけ?
夢の出来事の細部は思い出せませんでしたが、月明かりの薄明るい空を飛んでいた感覚はまだ鮮やかに残っていました。
それにテラスから見下ろした広場の景色も・・・
覚えていることだけでも忘れないうちに書いておこうかな。
起き上がり、灯りを点け、いつでも夢やインスピレーションを書き留められるように枕元に置いてある紙とペンを取りました。
『時を超えて分かち合う遠い記憶について』 そう書き綴りました。
ん? 何だって?
良く分らないけど、私の手は何か自動的に浮かんでくる言葉を拾って動きだしました。
が、書き始めてみると、とても奇妙なことが起こっていることに気づいたのです。
これは夢を思い出して書いているんじゃない・・・
・・・えぇーーっ、、、夢を見ながら書いている?!
だって私はペンを持ちながら、同時にマイクを握って、まださっきの高台のテラスに立っていたのです!
・・・なにこれ、なにこれ、💦💦
ど、ど、どゆこと?
どうやらさっき見ていた夢の続きが始まったようなのです。
それも、目が覚めたままで!
もう一度眠って夢の「続き」を見る、とか、夢の中で「これは夢だ」と気づく、とかなら分かるんですけど、目が覚めたまんまで夢を見る?
こんな変テコな夢体験は初めてです。
二つの世界が同時進行で進んでいきます。
私はいったい何を話すのでしょうか?
面白過ぎて、もう寝呆け半分どころではありません。
つづく
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木倶知のりこ 著書:●絵本『小箱のなかのビッグバン』 *・* ・*●『ナム "RNAM" 時空を超える光と水の旅』
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