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総理記者会見。モヤモヤの正体

昨日、noteに「記録映像で筋トレ」を書いた。今日はそのつづき。つづきを書きたい。

令和2年2月29日18時。僕は総理記者会見を見るためにテレビをつけた。NHK総合テレビ。もちろん生中継。記者会見を見終わって僕は落胆していた。そしてそれ以上に何かわけのわからないモヤモヤしたものを感じていた。それも強烈に。そのわけのわからないモヤモヤしたものは翌日も消えずにあった。

記者会見を見た翌々日にあたる昨日3月2日になって首相官邸ホームページにアップされていた「令和2年2月29日 安倍内閣総理大臣記者会見」の映像をもう一度見た。そしてあそこであったこと。僕が見たことをつぶさに書き出してみようと思い立った。僕は、僕のなかにある何かわけのわからないモヤモヤしたものの正体を知りたかった。

記録映像は、幸いなことに安倍総理が会場に入るところから出るところまで一部始終をほぼ完全に収めていた。僕は書いた。そして書くことで僕が見逃していたいくつかの事実をあきらかにすることができた。不思議なことばかりだった。それは僕が感じていた違和感であり何かわけのわからないモヤモヤの正体を知る手がかりになった。

3つある。

まず1つ目。安倍総理は会場に入り演台のあるところまで来て会見が開始されるまでの約10秒の間(記録映像09秒~19秒まで)、ステージ脇の係員(たぶん内閣広報官)の方を向いたまま待機した。その後、係員からのサインが出された(画面にはそのサインを出した係員の姿は映っていないのでこれは推測だが、たぶんそうだ)のを見て、そこではじめて正面を向いた。すぐに内閣広報官から記者会見開始にあたってのアナウンスがあり。そのアナウンスが終わるのを待って安倍総理は予め書かれた原稿を読みはじめている。安倍総理が会場に入ってから記者会見の冒頭発言をはじめるまで38秒かかっている。そしてその38秒の間に礼をしたのは一度だけだった。日本国旗だった。

2つ目は、記者会見終了時の安倍総理の行動だ。内閣広報官の終了のアナウンスのあと、小さく「どうもありがとうございました。」と声を発して頭を下げている。映像では36分04秒あたりだ。このあと記者席から追加質問の声があがるものの内閣広報官の終了アナウンスがくり返され、それをうけてもう一度、時間にして36分11秒あたりで同じく小さく「どうもありがとうございました。」と頭を下げている。このときは、記者席にというよりも内閣広報官に向けてしているように見える。会見終了時においても正面に向かいはっきりと頭を下げることはなかった。

そして3つ目。僕がこの記者会見で一番印象に残っているのは安倍総理の発言でも記者の質問でもなく、内閣広報官の終了のアナウンスだった。「予定しておりました時間を経過いたしましたので、以上をもちまして、記者会見を終わらせていただきます。皆様、御協力どうもありがとうございました。」というものだ。とくに最後の「皆様、御協力どうもありがとうございました。」の言葉が強く印象に残っている。まったく何のことはないごく普通の台詞なのだが、この総理記者会見においては際立って感じた。聞こえた。

他にもあげればいくつかあるにはあるが僕が感じた違和感、何だかわけのわからないモヤモヤの正体を知るにはこの3つで十分だった。この3つに思いをめぐらせてみて浮かんできた言葉がある。リハーサルだ。まるでリハーサルを見せられたみたいだと思った。本番ではなくリハーサル。予行演習のアレだ。

ステージでただひたすら時間待ちをしている総理(を見せられ)。合図とともに前を向く総理(を見せられ)。はじまりのアナウンスがはいり、アナウンスが終わったらすぐに原稿を読み上げる総理(を見せられ)。次に予め用意した質問を記者が読み上げそれに答えてこれまた予め用意した原稿を読み上げる総理(を見せられ)。終了のアナウンスがありステージを降りて帰る総理(を見せられ)。た。

以上。みたいな。まるでリハーサル。本番じゃないのか。そのつもりじゃないのか。はじめからそんなつもりじゃないのか。一蓮托生。

予定しておりました時間を経過いたしましたので、以上をもちまして、記者会見を終わらせていただきます。皆様、御協力どうもありがとうございました。

モヤモヤの正体はいましがた知れた。そして消えたはずなのに。さらにまたモヤモヤしたものが。こんどは何かな? 1814文字

追記:この投稿以後に記録映像は36分02秒に編集されました。会見がはじまる前の20秒は編集でカットされたようです。

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