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へたくそのひとりごと
このエッセイは、2024年12月上旬に書いたものです。
ああ、もうむりだ。きもちわるい。
前代未聞の失態を犯した。ゼミ発表を飛んでしまった。
進めているはずなのに、全く進まない。
気づけば底無し沼に落ちていた。
必死に藻掻けば藻掻くほど、自分がどこに向かっているのか分からなくなった。
そんな自分に憤りを覚え、迫り来る時間に焦ることしかできなかった。
結局、仕上げられなかった。
学校には向かった。が。
徹夜続きの身体。現実に対する絶望感。
「混ぜるな危険」が混ざってしまった。
大学には辿り着けなかった。
ずっと吐き気が止まらなかった。
…駅で戻してしまった。
我ながら、本当に自分勝手だ。
しかしその時の私には、それ以外の選択肢を考える余裕がなかった。
瀕死状態で家に着き、そのまま死んだように寝た。
翌日。部屋まで起こしに来られるまで、今が朝だと全く気づかなかった。
まるで浦島太郎になった気分。
夢なんだか現実なんだか分からないまま、重い体を動かす。
そろそろ家を出なければ…と思ったその時に来た通知。
「大丈夫か?」
父からだった。滅多に自分からメッセージを送ることなんてないのに。
もうだめだった。
でも、まだ弟もいたから、頑張って鼻水啜るくらいに抑えた。
「大丈夫じゃない」って、送ろうとしたけれど、何となく、送れなかった。
結局1限には行けなかった。行かなきゃ。
それに、返さなきゃ。
未読無視音信不通は余計に心配かける。
やっと通知バナーに指を持っていき「しんどい」と打った。
けど、飛行機マークを押すことを躊躇ってしまう。
ひらがな4文字ですら、送ることができない。
それすら、言えないんだ。私。
それを認識した瞬間、何かのストッパーが外れた。
玄関前で独り、声をあげて泣いた。
近所迷惑とかそんなの考えていられなかった。
…誰もいないからこんなに泣けるのかな、
たまに、ワーッ!と泣く子どもを見かける。周りに人がいようと、関係なく。
わたしもこどもになりたかった
でもいつのまにか、なれなくなってしまっていた
いつから?
「生きづらくない?」
その次の日。
ゼミの先生と色々話す中で、そう言われた。
自分でも生きるのへたくそだと思う。
勝手にハードモードにしちゃって。
分かってる。
分かってるけど。
あれもこれも手をつけて自滅する。
悲観的に物事を捉えてしまう。
思考のジレンマから抜け出せない。
はじめは楽しかったはずのことが、いつの間にか苦痛になっている。
そしてその負の感情に苛まれる自分は、他者に助けを求めることもできない。
頑張ることは好き。何でも全力投球できることが、自分の唯一の取り柄だと思っていた。
でも全部空回りしてた。
求められていることをこなせない。
ずっと何とかなってたけど、どうにもならないのだと気づいた。
いや、ずっと何ともなってなかったのかもしれない。
見ないフリしてただけで。
これまでのやりかたでは、もう、だめみたい。
いきるのがへたくそな いまのわたしは、
こうしてひとり、エッセイにすることしかできないんだ。