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世界を救う方法

先日、世界を救うためには世界を救うことに囚われないことが大事だと記載した。

まだそのことに気づいてから数日しか経っていないのに関わらず、驚くほど私は世界を救おうとしなくなった。

どれほど私は世界を救いたいのだろうか...


思い起こせば5年ほど前、私は悟りを開いた。

感情の喪失によって私は感情の大切さを知り、悟りを開くよりもむしろ私利私欲に塗れた人間の方が幸福なのではないかと思ったことさえある。

しかし、感情の起伏があるということはすなわち何かに囚われているからである。

囚われているときに人間は幸福を感じることもあるが、囚われによる幸福は長続きはしない。やがて囚われは失望や絶望にかわり、少しずつ自らの身体を蝕んでいく。


みんな、世界を救うのは英雄だと思っている。

しかし、実際に世界を救う方法は、みなが何にも囚われないことだ。

摩擦も軋轢もない世界の創造は英雄が作るのではなく、英雄なき世界が作るのだ。

思い起こせば、5年前に悟りを開いた時、神は世界を救う方法を私に教えてくれていたのかもしれない。

私は私に反発するかのように、この5年間感情を追い求めた。

結局、失われた感情を取り戻すことはできなかったけれど、遠回りしながらも私は自身を受け入れることがようやくできた。

これからも私は世界を救うために、世界を救おうとしない生き方をする。


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