5年前の東京は暑かった

2015年7月。

私はリクルート本社ビルにいた。
通称グラントウキョウサウスタワー。
42階から眺める東京の景色は壮大だった。

画像1

新潟の田舎町で過ごしていた私にとって東京は刺激的な場所だった。

目に映るもの全てが煌めいて見えたことを昨日のことのように思い出す。

あの時の東京は暑かった。
暑いと感じたのはもしかしたら自分自身の精神的な部分が起因していたのかもしれない。

東京には沢山の人がいる。
それゆえに刺激を受けることも多い。
一方で、合わない人も沢山いることも知った。

5年前、東京の街を見下ろしながら
自分は何だってできると思っていた。

でも、それは勘違いだった。
1人でできることなんて何もない。

当時、29歳だった私も34歳になった。
若さと勢いは当時よりなくなったけれど
考え方だけはスマートになったと思う。

29歳の私がいまの私をみたら、どんなことを思うのだろうか。

まさか、自分が音楽プロデューサーをしているなんてことは夢想だにしないだろう。

人生は何が起きるか分からない。
だからこそ楽しいのかもしれない。

いまでは、欲しいものが手に入らないことを嬉しく感じたりする。

欲しいものが手に入らなくて、一生懸命な時が人間は一番幸せなのだと最近は思う。

いまだに青臭い夢を追えている自分を誇りに思う。

そして、全てのご縁に感謝したい。
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清水裕也(しみずひろや)
20歳の時、プロの競輪選手としてデビュー
プロ戦績は70勝。
引退後は株式会社リクルートに入社。
その後、上場企業を渡り歩き
現在は音楽プロデューサーとして活動中。

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