生きやすくなる考え方⑥

死は、遠ざけたり、自らで選択したりするものではない。
死との正しい向き合い方は、ただ待つことだ。


死など、論理的に考えると恐れるに足りない。

仮に魂というものが存在し、肉体からの離脱ができるのであれば、身体で感じる不快さを全て排除することができるし、死が消滅であるならば、ノンレム睡眠時となんら変わらない。つまり、どちらにせよ痛みや苦しみなどを死後に感じることはないのだ。

また、人生はそれほど長いものではないから、自らで選び取る必要もない。

10代の頃は永遠に感じた人生も、20代、30代となり時間の進み方は加速度的に速くなっていく。ジャネーの法則によると、体感的時間の人生の折り返しは18歳~19歳だという。10代の頃にこの法則を聞いた私は信じられなかったが、いまになってこの理論は納得できる。時間の経過は重力加速度に似ている。

死は誰にでも訪れる。
ならば、デートの日に待ち合わせ場所で恋人を待つように、そんな風に構えていればいい。

映画や小説、ドラマなどは、誰しもラストシーンを愉しみに待つものだが、人生もそうだ。

すべてのストーリーは、死というエンドの序章にすぎない。

芥川賞を受賞した又吉直樹さんは「生きている限り、バッドエンドはない。僕たちはまだ途中だ」と言った。

いいエンドを迎えるにあたり、自分がいますべきことはなにか。

そう考えれば、きっとエンドを心待ちにできるのではないかと私は思う。


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