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キャラクターメモ

 “世界を救うシステム”に召喚され異世界にトリップした子。※ただし世界を救うとは言ってない。
 トリップ先は「救済システム」と呼ばれる偉大な魔法使いが遺した魔法により異世界から世界を救う者を召喚する、剣と魔法のファンタジーな異世界。

「……で? なんで俺が、縁も所縁もない他所の世界のために戦わなきゃいけないんだ?」
「そもそも、何と戦えって?」
「……あんたら、自分の世界がやべえってのに、そもそも何を解決しなきゃいけないかも把握してないのか? そして前情報もない状態で、異世界の人間を巻き込んだのか?」
「ちなみにひとつ確認するが、帰る方法はあるんだろうな?」
「……なるほど。じゃぁあえて言葉にするけどーーいつまでも死人(偉大な魔法使い)の脛(魔法)に齧りついてんじゃねえぞ。無関係の、赤の他人にすべて押し付けることでしか存続できないような世界なら、いっそ滅べ」

 一人で旅はする。ただしそれは世界を救うためじゃなく、誰も知らない「元の世界に帰る方法」を探すため。
 ラスボス(この時代の魔王的な存在)のところにも行く。

「戦いに来たんじゃない。ただひとつ訊きたいだけだ」
「“救済システム”とやらで召喚された異世界の人間を元の世界に帰す方法は知ってるか?」
「……そっか。邪魔したな」
「俺はこの世界がどうなろうと興味がない。誰に救われようが何に滅ぼされようが、どうでも良い」

 まあラスボスも知らなかったので旅を続行。なおラスボスに謁見してマジで一切戦闘しなかった。むしろ身の上話(異世界から突然呼ばれて何をすべきかも説明されず元の世界に帰る方法もわからないため、一人旅する羽目になった)したらラスボスに憐れまれた。

 旅の最中、なんだかんだ仲間ができる。

「世界に救う価値は感じねえが、あんたみたいなのを見ると捨てたもんじゃないなって思うこともある」って助けもする。 
 基本的には善人だから、筋を通した上で助けを求める人間、あるいは傍目に助けが必要そうな人間を見捨てたりはしない。だから魔物に襲われている人間や村なら助けるし、「助けて」って乞われれば基本断らない。   
 どこぞのアホは救済システムが異世界の人間を召喚した理由(世界を襲う危機の内容)を知らなかっただけでなく知ろうともせず、知らないなりに通すべき筋も通さなかったため、初手で逆鱗に触れた。
 助けてほしいんだったら、何から何をどう助けてほしいのか把握して然るべき。魔王を倒せというなら敵の情報はたとえ僅かだろうと提供し、天災であるなら被害把握くらいしておけ。そもそも救済システムとやらが一般的になるほど世界的危機が幾度となく訪れてんだから何が起こったとしてもある程度対策できる備えをしておけ。何のために人類が“文字”と“記録”を作り上げたと思ってる。

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