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みりんで乾杯!「三州三河みりん」角打ちレポート

金曜日の仕事終わり、下北沢に「みりん」を飲みにいきました。
あのキッチンの調味料入れにある「みりん」です。一方で「本物のみりん」は、それはそれは「美味しいお酒」でもあるのです。

このたび、「三州三河みりん」を造る愛知県は「角谷文治郎商店」の三角祐亮さんが、下北沢の発酵DEPARTMENTで「みりんの角打ち」を開催すると聞き、行ってきました。生まれて初めてみりんで乾杯しました。

下北沢の発酵スポット・発酵DEPARTMENTへ!

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こちらが開催場所の発酵DEPARTMENT。発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが手がける発酵食品・ドリンクのための空間です。

ここでは毎週金曜日、ゲストを招き「発酵角打ち」を行っています。今週のそのゲストが、三州三河みりんの三角さんというわけ。

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入り口のメニュー。ドリンクは生ビール以外、すべて「みりん」。潔い。

醸造元・三角さんがお出迎え

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こちらが三角祐亮さん。元新聞社社員で、奥様のご実家であるみりん製造の世界に転身。製造・営業などに携わっています。

みりんって、そもそも飲めるの?

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(角打ちはこんな雰囲気でした)

そもそもですが、みりんとは、お酒です。

「みりんはお米で造るお酒のなかではもっとも甘いお酒。江戸時代には女性も楽しめる甘口の高級酒でした」(三角さん)

当時は砂糖よりも入手しやすい甘味料として徐々に料理に使われるようになり、いつしか「調味料」の存在に。現在、酒税上は「調味料」という扱いですが、本来はおいしく飲むお酒なのです。

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(駆けつけ1杯、みりんレモンソーダで乾杯です)

で、このレモンソーダ。すごくおいしい。ハイボールともレモンサワーとも違うこっくりした風味があり、かつとても上品です。結構甘さがありますが、レモンが効いていて、ごくごくいけます。

「本物のみりん」ってなに?

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(みりんをつくるためには、同量の餅米を使用します)

スーパーで売っている本みりんって、1リットルで400円くらいです。比べて三河みりんはこの700mlで1000円ちょっと。正直、高い。という気がします。

「そう思いますよね笑 だけどお酒だと1瓶1000円超えても普通ですよね。本来のみりんは、もち米と米麹、焼酎(こちらも自家蒸留)で造るので、材料も手間もお酒と同じくらいかかるものです(いやむしろ今のみりん、手間に対して安いんですよ〜とも言ってました)」(三角さん)

お話聞いて驚いたのですが、スーパーなどで目にする安い「本みりん」は、「本物=お米だけで造った昔ならがのみりん」というわけではないそう。

・みりん風調味料=水飴やブドウ糖、化学調味料などで造る。「食品」扱い
・本みりん(安いの)=もち米、米麹、醸造アルコール、水飴が原材料。2-3ヵ月かけて造る
・本みりん(本来の)=もち米、米麹、本格焼酎が原材料。1年以上かけて熟成させる。(三州三河みりんは2年かけて造る)

とのこと、「本みりん」でも、水飴で甘くしていいのですね…。

ちなみに同じ原料からできる量で比べると、三河みりん1本に対し、一般的な本みりんは40本ほどできるのだとか。すごい贅沢なものなのですね。

みりんって、日本酒の造りに似ている!

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(この日は、角打ち前にワークショップも行われていたそう)

「本みりん」の基本的な造り方は、もち米を蒸し、麹と一緒に焼酎(これもいちから造る、つまり焼酎蔵と同じ作業を行っている)を加え、もろみ熟成を促す。

細かい工程は精米・洗米浸水・蒸し・仕込み・熟成・搾りと、日本酒の造りとかなり近い。違う点は、焼酎を仕込み水代わりにして、アルコール発酵をしないこと。

「最初から『酒』である焼酎をベースにするため、それがアルコールを発酵のブレーキ役となり、みりんがゆっくりじっくり糖化していきます。甘いお酒を造ることがみりんの目的とすれば、アルコール発酵をしない(酵母を使わない)焼酎ベースの仕込みは非常に合理的といえます」(三角さん)

三州三河みりん3種類飲み比べ!

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次にみりん3種類飲み比べに挑戦。

右から・三州三河みりん(原液)・三州梅酒・三州柳かげ です。

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(色がすごい。知らなければこれを飲もうとは思いません)

1 :三州三河みりん、ストレート
…ああ甘い。まったりと舌に絡みます。だけど砂糖の甘さじゃなく、コクのある奥深い甘さ。嫌味がないのが不思議です。こっくり甘いです。

2:三州梅酒
みりんに青梅を漬け込んだ砂糖無添加の梅酒。これは…日本酒やハードリカーで造る梅酒とはまったく別ジャンル。甘くとも梅の爽やかさがあります。

3:三州柳かげ
みりんに焼酎を加えた、江戸時代に親しまれていた飲み方。「うちの社長が昔造っていて、20年くらい熟成させたものですね」(三角さん)という長期熟成もの。
…おお、ビターです。ざらりとした舌触りがあり口のなかで甘さがじわじわと広がります。これは好きな味です。あとからあとから甘みがぐいぐいきます。

ちなみにみりんのアルコール度数は14%。ちょうどワインくらいです。すいすい飲んでいるといい具合にほろ酔いになります。

みりんで遊ぶ、そいう経験を知ってほしい

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試しに柳かげをロックに。氷が溶けて少し薄まると、いろいろな味(甘み、こく、苦味)が鮮明になります。ウイスキーのロックみたいだ。

「みりんは、実はリキュール使いができるんですよ。炭酸でわったり、あとはハーブなどを加えてカクテルにしたり。実際『お屠蘇』なんてそうですからね」(三角さん)

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小倉ヒラクさんと三角さん。お二人で話しながら飲む中で「これはハーブ入れたら面白いかも!」という発見も。カクテルベースになるのですね。

しかし販売店で「試飲会」をしても、多くの人は「みりん=調味料」というイメージのため、なかなか飲みたがらないのだそう。

「美味しい調味料は飲んでも美味しいと、まだまだ知られていません。もちろん料理用に使うというのが前提ですが、調味料はそのままでも美味しいものを選んで欲しいとも思います」(三角さん)

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(こういうのが居酒屋の普通の光景になる日はくるのだろうか)

同席した他のお客さんもはじめてみりんを飲む人が多く、「飲めるの!!?」というところからスタートで。「へー、こんな味なんだ」「美味しい!」と言っている間に、ほろ酔いに。スタートから終わりまで「みりん」一本。それでも飽きない幅があります。

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「今日はぜひ、みりんで酔う、という経験を楽しんでください」(三角さん)

「飲みものとしてのみりん」、おもしろいです。
そのままでももちろん、いろいろ実験したいと思います。

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盛況。ほろ酔いで帰路につきます。

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(20年ものを買ってしまった)

三角さん、ごちそうさまでした!おいしく楽しませていただきます!


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クリーミー大久保(日本酒)
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