小説のあらすじを作るため、GoogleのAI「Gemini」と打ち合わせをしてみた
自身初の長編一次創作小説である『はなり亭で会いましょう』
2020年の文学フリマ京都で本にして発表し、2025年で初版発行5周年を迎えます。
話は完結したのですが、思い入れある作品なのでまだまだ推していきたいですし、もっと読まれて欲しい。
なので、あらすじを見直すことにしました。
とはいえ、自分の頭だけで考えてもどうして良いか分からず……
よし、こんなときは、最新テクノロジーを活用しようじゃないか!
そんなわけで、GoogleのAI「Gemini」に相談してみました。
まずは何に悩み、何をしてほしいか尋ねる
まずは、何がしたいのか、悩んでいるのはどんなことなのかを問いかけました。
Geminiは、あらすじに盛り込むべき内容として、以下の事柄を回答し……
同時に、注意点も回答……
そして、書き方のコツも答えてくれました。
最後に、参考記事として自費出版比較ナビの「小説応募時に役に立つ!あらすじの書き方」と、三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラムの「今より読まれるあらすじの書き方」(カクヨム)を紹介してくれました。
(この2記事の内容を再構築して回答しているのかな?)
なるほど、なるほど……
うん、まぁ、分かっているんだよ。
でも実際、自分の書いた「あらすじ」が、それでいいのか悪いのか判断つかないんだよ……
あらすじの例を作ってもらう
とりあえず、主人公の設定と舞台、どんな内容なのかをザックリ伝えてみたところ、あらすじの例を3つ出してもらえました。
あ~……なかなか良い感じ?
でも、作中で涼花が調理するシーン、ほとんどないんだよね。
てか、絢子は何で自分と涼花を重ねるの?w
異なる世代の二人が~……っていう表現は良いかも!
いや、あの、出会った時点の涼花はまだ19歳なので……
のちのち、涼花も日本酒を好きになっていく展開ですけれども!
あと、友情を育んでいく……のか?w
まぁ、話が進むにつれて、二人の交流も深まっていくのは確かなんだけれど……
ちょっと、ツッコミどころの多い例でしたね。
絢子、自分を見失っていたんか……
って、この書き方だと、ヤケ酒あおってるみたいじゃない?w
そんで、日本酒を飲みながら人生を語り合うって……急に距離詰まりすぎてないですかwww
これもちょっと、ツッコミどころが多い感じですね……。
うーん、提示した情報が偏っていたかもしれません!
キーとなる居酒屋の名称「はなり亭」を伝えていなかったし、絢子と涼花をつなぐ人物となる、御厨のこともあらすじに盛り込みたいですね!
そんなわけで、AIに追加情報を提示し、あらたに3つのあらすじ例を出してもらいました。
おー、なかなか良い感じがしますね!
涼花との関係性に関する部分は改良の余地ありですが、しっくりきます。
そうかー、はなり亭って、古民家を改装した店舗だったのか。
知らなかったなー……
カウンター越しの会話とか、温かい光とかの表現は良い感じなのですけれど、この例では絢子と涼花に友情を育ませたい方針なんですかね。
へー、はなり亭って老舗だったんですね。
初耳です……。
現在記載している「あらすじ」を添削してもらう
ちなみに、現在『はなり亭で会いましょう1』に記載しているあらすじは以下の通りです。
うん、だいたい盛り込むべき要素は入っています。
主人公のこと、はなり亭がどんな場所なのか、どんな展開が予想されるか、何となく分かる……ような気がします。
だから、これでも別に問題ない感じですけど……もっと良くしたいんですよね。
とりあえず、現状を伝えて、改善点を聞いてみることにしました。
なるほど、なるほど……。
確かに、絢子が仕事や人間関係で疲れている部分について、もう少し具体的にしたほうがイメージしやすくなるでしょう。
もう1人の主人公たる涼花のことも、もう少し掘り下げたほうが共感を呼べそうです。
そして、はなり亭の雰囲気についての描写……
うーん、作中でも店内の様子はあまり具体的に書いてなかった気が……
自分なりに「あらすじ」を改善してみた
Geminiの提案内容を参考に、自分なりに「あらすじ」の改善をしてみました。
あれもこれも盛り込むと、あらすじが長々しくなってしまうので、御厨さんのことは削りました!
どうでしょう……
抽象的だったところを具体的にし、物語がイメージしやすくなったでしょうか……?
うーん、やっぱり自分じゃわからん!
ビフォア・アフターを読み比べて、こっちが良い! ってなご意見ありましたら、コメントいただけると嬉しいです。
これはAI使用作品になるのか?
さて、ここに来てふと疑問。
あらすじをブラッシュアップするためにAIの力を借りたのですが、AIの力を借りた以上『はなり亭で会いましょう』はAI使用作品と見做されるのでしょうか?
小説本編を執筆しているときは、今のように生成AIが身近ではなかったですし、AIに執筆協力してもらった箇所はありません。
しかし今、あらすじを改善するためAIに意見を聞き、アイデアをもらって書き直しました。
だから、今後は「この作品を発表するにあたり、生成AIは一切使用していません」という宣言ができなくなります。
「生成AI使用作品はお断りです」と仰る方には、『はなり亭で会いましょう』をすすめてはいけないかもしれません……
創作におけるAI使用の定義。
人によって範囲が違うでしょうし、AIの学習や著作権などの問題と併せて考えないといけない気がしています。
設定や展開をインプットして、小説本体をAIにアウトプットしてもらったなら、それはAIが書いたと言えるでしょう。
でも、AIのアウトプット結果をブラッシュアップして発表したなら……?
あるいは設定や展開から、読み手にどんな影響を与えるかをAIに分析させ、その結果を参考にして自力で小説を執筆したのなら?
興味を引く設定や展開を考えるアイデア出しにAIを使った場合はどうなるのでしょう?
近年人気を集めている作品から、ジャンルや主人公の属性傾向を調査するシーンにおいても、AIはなかなか頼れる存在です。
流行の分析にAIを使いつつ、今までにない要素を加えて新しい作品を自力で書き上げた場合も、AI作家として扱われるのでしょうか?
作中に登場する固有名詞を考える際、ありそうだけれど実在しない名称のアイデアをAIに出してもらったら?
作中劇の一節のみをAIに書かせた場合は?
展開に矛盾がないか、AIに構成を確認してもらったら?
考え込んで知恵熱がでてしまいそうですが、今年のnote投稿はこんな内容で終了します。
12月の1ヶ月連続投稿は一応達成ということで。
2025年もよろしくお願いします。