伸びるチーズに魅せられて。
今日はピザの日なのだそうだ。
1889年にイタリアで大流行していたピザをマリゲリータ女王が所望されたそうでその時のピザはチーズの白、バジルの緑、トマトの赤とイタリアの国旗の色をしていたことで大変な好評を呼んだそうである。
11月20日はマルゲリータ王女の誕生日にあたるそうで1995年にピザの日に制定されたとのことである。
ピザと言えば宅配で頼むことが多いと思うが、私の子どもの頃はそんなデリバリーのサービスはなかった。
初めてピザを食べたのはおそらく冷凍食品だと思う。
あれは手軽で学校が半ドンで終わった時のお昼ご飯にちょうどよかった。
トースターを予熱してアツアツのところにピザを入れてこんがり焼けるまで待つのはワクワクしたものである。
子どもの頃はタバスコは刺激が強すぎたので使わなかった。
そういえば日曜日に父が散歩がてらに喫茶店に連れて行ってくれることがあった。
父が常連だったので私も緊張せずにお店に入ることが出来た。
父はコーヒーを頼んで私はメロンソーダやオレンジジュースを注文してその時にピザを頼んだものである。
しばらく待っているとお店のマスターが焼きたてのピザを持ってきてくれる。
生地は既製品だったような気がするが具材とソースは自家製だった。
父がピザカッターでおもむろにピザを切り分けて私の分をお皿に取ってくれた。
父の自分のピザにはこれでもかとタバスコを振っている姿を思い出すことが出来る。
お店の味であるそのピザはごちそうでありモリモリと食べた。
行きつけだったそのお店はずいぶん昔に閉店してしまい今ではマンションが建っている。
ああ、そんなこともあったなぁと思いだしながら今日は何だかイタリアンな晩御飯にしようかなと思い立った。
そうと決まれば話は早い。
まずはスーパーに行って必要な食材を買い込んできた。
帰宅してお風呂に入ってから晩御飯づくり。
まずは玉ねぎとピーマンを薄切りにする。
ベーコンも細かく刻んでおく。
フライパンに刻んだにんにくを入れて炒めて香りを出す。
香りが出たらホールトマトを開けて投入する。
味付けはコンソメと砂糖、ケチャップ、隠し味に醤油を入れて煮詰める。
汁けが飛んだら自家製ピザソースの出来上がり。
ピザの生地はお手軽に餃子の皮で作る。
餃子の皮を二枚とってピザソースを塗ってそこに野菜とベーコンを載せてチーズをたっぷりかけてトースターでこんがりするまで焼く。
生地が五十枚入りならば二十五個作ることが出来る。
副菜はシンプルに野菜スティックにする。
人参と大根、キュウリを細切りにする。
それをマヨネーズとニンニクを和えたソースで食べる。
汁ものが欲しいので残っているトマトソースでスープを作る。
具も使いかけの野菜とベーコンを使う。
薄めの味付けで仕上げるのがコツである。
おっと、昨日買った銀杏を食べるのを忘れていた。
茶色の封筒に銀杏を詰めて塩を振って袋をきっちりと閉めてレンジでチン。
パンパンと景気のいい音がして銀杏がはじけていく。
音がしなくなったら取り出してもオッケー。
アツアツを取り出して少し冷ましておく。
よし、これで今日の晩御飯は完成。
居間に料理を運んでご飯の始まり。
今日のお酒は白ワインにした。
グラスにトットットッと注いでクイーッと飲む。
よく冷やしてあるのでのど越しがいい。
うん、そんなに高くないワインだけど十分美味しいなぁと思って餃子の皮ピザをパクリ。
サクッとした生地の香ばしい歯ごたえとトマトソースの相性がばっちりである。
チーズも香ばしく焼けていて味わい深い。
もう大人なのでタバスコもドバドバかけちゃう。
ピリピリした辛みが同時にやってきて味のアクセントになって嬉しくなる。
合間に野菜スティックを齧って口の中をリセットする。
白ワインをクピッと飲んでから銀杏を食べる。
レンジで加熱すると殻が自然に割れるので食べやすい。
モニョッとした歯ごたえと若干の臭みが癖になる。
ワインとの相性はなかなかいいのでつい手が伸びる。
野菜スープも忘れずにチュッと飲む。
うんうん、今日の献立は洋食だなぁと思いながらモリモリと食べた。
二十五枚の餃子の皮ピザはきれいに平らげた。
野菜スティックは少し残ったのっで明日の朝に食べよう。
銀杏も美味しくいただいた。
はぁ、ピザも久しぶりに作ったがなかなか満足度の高い晩御飯だった。
今日のお酒は白ワインをグラス四杯と控えめにしておいた。
さぁて明日は何を食べようかな。
思い出と一緒にご飯を食べると美味さ三割増しですね。