ある日突然君は黙るの
昨日の夕方家じゅうが埃っぽかったので掃除機を取り出して掃除をしようとした。
コードを伸ばしてコンセントに差して電源のスイッチを押してみたがうんともすんとも言わない。
あれ?と思ってコンセントを何度か抜き差しして試してみたが全く動かなかった。
やべぇ、壊れたと思うまでに時間はかからなかった。
仕方がないのでお掃除は中止。
掃除機が無いとホコリが吸えないので非常に不便である。
今回寿命を迎えた掃除機は妻がネットで買った海外製の激安品だった。
確か五千円位でポイントを使ったので半額くらいで手に入った。
こいつが武骨で大柄なボディで非常に使いづらかったのだが抜群の吸引力で役に立ってくれた。
操作ボタンは電源とコンセントの巻取りボタンだけという超シンプルな設計で誰でもすぐに使える仕様だった。
もう一つの問題は使用時の音が非常に大きい事でブゥィーンとそこら辺の音をかき消すほどの爆音がする事だった。
う~ん、さすが五千円クオリティと思っていたが使っていくうちに慣れるもので日常に溶け込んでいった。
その愛用の掃除機がいきなりの故障である。
あれこれいじってみたがどうもコードの断線が原因のような気がした。
国内のメーカー品ではないし海外まで修理に出すとなるとかなりの金額になるので直すのは諦めた。
なので昨日の夜は新しい掃除機の購入を検討する時間に充てた。
これまでの掃除機が有線の昔ながらの形のものだったので、次は細身のコードレスのものを狙う事にした。
おりしもAmazonでタイムセールをやっていたので多くの掃除機が定価よりもずいぶんお求めやすい価格になっていた。
予算は二万円くらいまでかな~と思いながらあれこれ見ていくとさすがに有名メーカーのものは強気な値段設定で手が出なかった。
そこでレビューの多いものをピックアップして吟味してみた。
私は家電の買い物をする時は即決をすることが多いのでものの五分でこれが良いかなと思う掃除機に辿り着いた。
それから妻にこれはどうかな?とご意見を伺うと商品ページを隅から隅まで一言一句読み漏らさないようにじっくりと丹念に読み込み、重さはどうか、サイズはどのくらいか?とメジャーを使ってシミュレーションを始めた。
充電式だと置き場所はどうするの?オプションは何がついているのと矢継ぎ早に質問されてその度にしどろもどろで答えた。
後は購入レビューを一つ一つ丹念チェックしていた。
妻は家電を買う時は買った後の運用方法まで綿密に考えるので勢いで購入する私とは真逆である。
私は自分が選んだ掃除機の底の浅いプレゼンをしてどうにかこうにか納得してもらった時には一時間以上経っていた。
共用で使う家電を買う時は大抵この一連の騒動が待っている。
それから商品を注文してようやくひと段落した。
家電は一つが壊れ始めると次々と故障する連鎖が起こりがちなので他の家電には長持ちしてもらいたい。
今は冷蔵庫がかなり年季が入っているのでそろそろヤバいかもしれない。
たしか結婚当初に父がお祝いでくれたのでほぼ二十年選手である。
ある日急にプスンと逝かないことを祈るばかりだ。
新しい掃除機が届くのは明日。
それまではホコリには目を瞑って生活をしよう。
そんなちょっと不便な状態の昨日の晩御飯がこちら。
メインは皿うどん。
麺はパリパリの揚げ麺タイプ。
市販のものなので餡は最初からついている。
それだけだと栄養が偏るので豚肉とベビーホタテを具材で追加。
野菜もキャベツと玉ねぎを切った。
下ごしらえが終わったので副菜を作る。
九州は糸島産の安価で美味しい厚揚げをトースターでこんがりと焼く。
ネギを山ほど刻んで焼き上げた厚揚げに乗せて醤油をかけて一品出来上がり。
後は白出汁で味を付けた卵を焼いた。
もう一品欲しかったので冷凍きゅうりを取り出して流水で半解凍にして乱切り。
少し置いておいて解凍出来たらギュウッと絞って水分を飛ばす。
そこに叩いた梅干しと海苔の佃煮を混ぜて梅海苔きゅうりの完成。
では皿うどんを作っていく。
フライパンに具材を入れて良く炒める。
その間にお皿に麺を乗せておく。
具材に火が通ったら添付の餡を回しかける。
全体がフツフツとアツアツになったら麺の上に回しかけて皿うどんの一丁上がり。
ようし、こんなものかなと思って妻を呼ぶ。
いただきますをして乾杯。
昨日のお酒は新しく発売されたキリンの新一番搾り。
カシュコンとプルタブを起こして大ぶりなグラスに三度注ぎ。
ではと言いながらギュビビーッと飲み干す。
リニューアル前と比べて苦みが抑えられており非常に飲みやすくなっていた。
妻は前の方が美味しかったと言っていたが私もちょっとそう思った。
まあそれはそれとしておかずを食べ始める。
まずは梅海苔きゅうりから、梅の酸っぱさと海苔の佃煮の甘じょっぱさがよく合っていて突き出しにはちょうどいい。
これだけで一本ビールが空いたので二杯目からはバーボンの水割り。
チビリチビリ飲みながら卵焼きをつまむ。
シンプルな味付けで食べ飽きる事がない。
ではいよいよメインの皿うどんに箸をつける。
麺がパリパリで口の中にとげとげと刺さるが香ばしくていい。
市販の餡だがなかなかいいお味で追加で足した具材が味に深みを出しており結構本格な味になっていた。
妻は皿うどんが好物なのでニコニコしながら食べていた。
二杯目の水割りを飲みながらゆっくり食べていると麺が餡に絡んでしなしなになってきて柔らかくなった。
味変に黒酢を用意していたので使ってみると程よい酸味とやや癖のある味が皿うどんに調和してなかなか良かった。
実は私は皿うどんはあまり得意じゃなかったのだが今回改めて真正面から食べてみて、おっ悪くないじゃないと思うようになった。
また一つ料理のレパートリーが増えたなと思いながらご馳走様。
後片付けをして早めに就寝。
これまで活躍してくれた武骨な掃除機さん、本当にお疲れさまでした。
新しい掃除機にバトンタッチをしてもらいましょう。
ちょっと楽しみ、ワクワク。