カボチャ頭をひねったご飯。

 昨日の夜テレビを見ていたらハロウィンの混雑のニュースをやっていた。

 あまり詳しくは見ていないのだが渋谷はコンビニのお酒販売を取りやめるなど対策に追われていたようだった。

 その混乱ぶりを見ているとお祭りごとの好きな人が多いのだなぁと感じた。

 そもそもハロウィンは古代ケルト人の大晦日のお祭りで死者にさらわれないように幽霊やお化けの仮装をしてしめやかに過ごすものだった。

 その文化がアメリカに伝わって大流行したのは子供向けにお祭りをアレンジしたからだろう。

 お菓子をくれなきゃいたずらするぞと言って人の家を訪ねるのはワクワクするに違いない。

 私が子供のころにはハロウィンはまだメジャーなお祭りではなく漫画の中の出来事だった。

 それが四半世紀前に大きな遊園地がイベントとして大々的に取り上げてから風向きが変わった。

 特にネズミの国のハロウィンは特筆すべきもので今日は盛り上がりがピークになるのかなと思うと少しだけ参加したくなる。
 
 さて、ハロウィンの日のごちそうとなるといったい何がしっくりくるのだろう。

 シンボルでもあるカボチャをパイにしたりはするがいかにもお子様向けで今一つピンとこない。

 そもそもが海外のイベントなので作るとなれば洋食ということになるのだろう。

 パンプキンパイをメインにして後はスープと肉か魚料理にするかなと思う。

 私が普段作るのは圧倒的に和食が多いので今日の献立はアウェイである。

 なので折衷案としてカボチャは厚揚げと煮物にしてメインは洋風の魚料理にしてみた。

 まずはカボチャをレンジにかけて少し柔らかくしてからズドンと包丁を落として一口サイズに刻んでいく。

 厚揚げは油抜きをしてこれも一口サイズに切り分ける。

 鍋にお湯を沸かしてそこに出汁の素を入れてカボチャと厚揚げを煮込んでいく。
 
 味付けはごくベーシックに醤油と酒とみりんで決まり。

 カボチャをレンジにかけているので比較的短時間で煮える。

 煮物は冷めるときに味が染みるので火を止めてしばらく放置しておく。

 魚料理は旬の秋鮭を使う。
 
 簡単にホイル焼きにしてもいいが今日はバジルを買ったのでアクアパッツァ風に仕上げていく。

 フライパンに油を敷いてニンニクを炒めて香りが出たらそこに鮭を入れて玉ねぎの輪切りを乗っける。

 鮭を焦がさないように火加減に注意しながら両面を焼いていく。

 途中でプチトマトとアサリを加えてそこに白ワインをトポトポと流しいれて煮込んでいく。

 その間にトースターでパンを焼いておく。

 仕上げにバジルをこれでもかと投入したらアクアパッツアの完成。

 つまみにはレンジで出来るポップコーンを作る。

 袋ごとレンジに投入してピッとボタンを押すだけなので簡単簡単。

 食べる前にかぼちゃの煮物を温めて居間にご飯を運ぶ。

 いただきますをしてまずはお酒から。

 今日のお酒は西洋のお祭りの日なので白ワインにした。

 よく冷えたワインをグラスに注いでキュッと飲むと心地よく喉を滑り降りる。

 うん、たまにはワインもいいなと思ってポップコーンをモシャモシャ食べる。

 ピリ辛の味付けなのでお酒が進んで困る。

 一息おいてカボチャの煮物に箸を伸ばす。

 短時間の煮込み料理だがしっかりと味が染みており何だか懐かしい味である。

 これが意外と白ワインと合う。

 カボチャのモッソリした味わいとあっさりした厚揚げの取り合わせもなかなかいい。

 うん、カボチャはどう食べても美味しいなぁと思ってモクモクと口に運ぶ。

 ではではとメインのアクアパッツアに取り掛かる。

 鮭の切り身で作ったので骨を除ける煩わしさがないのがありがたい。

 まずはスープをススッと飲むと魚の出汁とワインの甘さがいい仕事をしている。

 鮭をハムッと食べるとホロホロと縦の繊維がほぐれて旨味があふれる。

 うん、これはなかなかと思いつつアサリをチュッと食べる。

 合間にトマトを食べるとアツアツで火傷しそうになる。

 慌ててワインで流し込んでパンをスープに浸して食べる。

 日本人がお茶漬けが好きなように海外の方はパンをソースにつけて食べるんだよなぁ、これだけ美味いんだからそりゃそうだよなと納得する。

 モリモリと食べてお酒もクイクイと飲んで両方綺麗に平らげた。

 ううん、少し飲みすぎたかなと思ったが心地よい酔いだった。

 さぁて明日は何を食べようかな。
 
 ハッピーハロウィン!


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