拝啓、おばあ様。
先週の事だが祖母が介護付き高齢者施設に入所した。
もともと心臓があまり丈夫ではなく入退院を繰り返していた。
去年の暮れに体調を崩して総合病院に入院した。
すぐにお見舞いに行きたかったが折りしもコロナの影響で禁止されていた。
週に一度娘である母が着替えを届けに行くのが無事を知らせてくれる唯一の情報だった。
祖母は今年で94歳で携帯電話を持っていない。
そうなると本人とのやり取りは必然的に手紙になる。
母や叔父は祖母が入院してからほぼ毎日手紙を書いていたそうでその話を聞いて早速私も書くことにした。
祖母と私は昔から相性が良くて小さい頃から七人いる孫の中でも特別私に目をかけてくれた。
高校生の頃に遊ぶお金に困っていたら、ほらあんたも元手がいるじゃろと言って小さく折りたたんだ五千円札をくれたものである。
その時のお金は後先考えずにすぐに娯楽に消えた。
私が成人してからも祖母を訪ねると別れ際にいつも小遣いを握らせてくるので弱ったものである。
最後に貰ったのはほんの数年前で四十になる孫に小遣いをやろうという気持ちがありがたかった。
そのお金は手を付けずにとっていたが今こそ使う時が来たような気がする。
とはいえ物欲の無い祖母に何を贈ったらいいか悩み中である。
いっそ手紙にそのことを書こうかと思ったが気を遣わせても良くないので思いとどまった。
祖母のとの思い出はいくらでもあるのであっという間に便せんのマス目が埋まった。
書き上げた手紙は母に託している。
これまでに四通送ったが一度返事が返ってきた。
達筆だった筆さばきは手にマヒがあるのでたどたどしくなっており旧仮名遣いの文章はやや読みづらい。
それでも祖母が一生懸命書いてくれた手紙は宝物である。
これからコロナが収まって施設に面会に行けるようになればいいなと切に願っている。
電話でもいいから声が聴きたいとも思う。
母は今回の施設の移動に合わせて祖母に高齢者向け携帯電話を持たせようと言っている。
それがかなえば声だけでも再会できるので実現してほしい。
そんなことを切に願いながら昨日の晩御飯を思い出してみる。
昨日はスーパーで半額の中華麺を買った。
後は豆腐を一丁。
お酒ももちろんかごに入れた。
帰宅して手洗いとうがいをして晩御飯の支度。
まずは豆腐を八等分に切り分ける。
それをお皿に移してキッチンペーパーを被せて水気をよく取る。
八分の一はみそ汁の具にする。
残った豆腐を賽の目に切り分ける。
レタスを何枚か千切ってこれも良く洗う。
お皿に敷いたらそこに豆腐を乗せる。
そこに塩を振って仕上げに鍋で熱したアツアツのゴマ油をかけたら豆腐のサラダの出来上がり。
次はメインを作る。
鶏モモ肉を粗めのみじん切りにする。
玉ねぎ、ピーマン、人参を細切り。
フライパンに油を敷いてニンニクを入れる。
ニンニクの香りが立ったら鶏肉を入れて炒める。
ある程度火が通ったら野菜を加えてさらに炒める。
野菜がしんなりしたらそこに中華麺を入れる。
そこに日本酒を多めに入れて麺をほぐしていく。
味付けは醤油とオイスターソースと顆粒の中華だし。
仕上げに鰹節を振りかけたら醤油焼きそばの出来上がり。
汁物は豆腐と半端野菜のみそ汁にした。
うーし、出来たぞーと妻を呼ぶ。
ではまずは乾杯。
昨日のお酒はハイボール。
少し薄めに作ってチーンと乾杯。
ウグウグッと飲むと炭酸の刺激が心地いい。
プハーッ美味いと言いながらサラダに手を付ける。
塩味のシンプルなサラダでごま油の風味が香ばしい。
うんうん、冷たいお豆腐が美味しい季節になってきたなぁと言いながらモグモグ。
レタスもシャキシャキで食べ応えがある。
お酒のアテにはぴったりだなぁと言いながら二杯目のハイボールをクピッ。
合い間に味噌汁を飲んで焼きそばを食べる。
鶏肉を使っているのであっさりしており野菜が美味しい。
醤油味なのでサッパリしておりズバズバと麺をすすった。
あっという間に食べてしまいそうだったのでペースを落としてチビチビとつまみながらお酒を飲んだ。
妻の一日の出来事をふんふんと聞きながら完食。
昨日のお酒はハイボール三杯とまずまず。
腹具合は八分目と言ったところだった。
まあ暴飲暴食は避けないとなと思った。
片づけをして早めに床に就いた。
さぁて、今日は何を食べようかな。
冷蔵庫に豚肉があったのでそれを使おうか。
メニューはおぼろげながら見えている。
今晩もルンルンなご飯になりますように。
週末は気分が開放的になるなぁ。
ではでは。