イカしたあの娘は北欧産まれ
今日は週末、梅雨の晴れ間で気温がぐんぐん上がった。
昼間に車に乗って移動したがハンドルが太陽に熱せられて握るのが大変だった。
夕方になると少し気温がも下がってきてどんよりとした曇り空が広がってきた。
予報では明日はまとまった雨になるらしい。
まあ土曜日なので出かけなくていいのがありがたい。
そんな事を考えながらスーパーに買い物に行った。
野菜コーナーを覗くと相変わらず玉ねぎの価格は高騰していた。
小ぶりなものが三つ入って三百円以上するので買う人の姿はなかった。
売り場には沢山在庫があるのに価格が下がらないと売れないだろうと素朴な疑問を持ったが仕入れの関係もあるのかなと思って深く考えるのは止めた。
玉ねぎが無ければネギを買えばいいじゃないと中世のお姫様のようなことを考えながらそれなりに安いネギを購入した。
それから鮮魚コーナーに行ってさぁて何かお買い得な物は無いだろうかと思って見てみるとサーモンが特売で安かったので久しぶりにカゴに入れた。
サーモンを買ったので精肉コーナーはスルー。
お酒はビールが切れていたので六缶パックをゴトンと買った。
大体必要な物は買い終わったのでセルフレジで清算した。
いつからなのかセルフレジの機種が変わっておりバーコードを読み取る精度が格段にアップしておりサクサクと操作できた。
おお、機械の進歩というのは大したものだわいと思いながらエコバッグをやっこらしょと抱えて帰宅した。
家に帰ってから着替えて早速晩御飯の準備する。
まずはサーモンの下拵え。
柵で買ってきたので刺身に引いてから薄く塩をして十分ほど放置する。
この一手間で刺身の美味しさがグンと変わる。
その間に副菜を作っていく。
油揚げを買ってきたので真ん中で切って破れないように中を開いておく。
そこに生卵をポトンと入れて口を爪楊枝でとじる。
鍋に醤油、白ダシ、みりん、酒、砂糖で煮汁を作り沸騰させる。
湧いたらそこに油揚げをそうっと入れて火加減を弱火にする。
コトコト煮込む事八分位したら卵にいい塩梅に熱が入るので取り出して上から煮汁をかけて卵の袋煮の完成。
袋煮が出来上がる頃にはサーモンの表面に臭みの素である水気が浮かんでくるのでキッチンペーパーでしっかりとふき取る。
そうしたら薬味の準備、大葉、ミョウガを細切りにしてショウガをすりおろしておく。
お皿にサーモンを放射状に並べて刻んだ薬味たちを満遍なく散らす。
これでサーモンの塩タタキの出来上がり。
汁物が欲しいのでミョウガの味噌汁を作る。
ミョウガは熱が入る過ぎると味が落ちるので味噌を溶いてから最後に入れる。
これで晩御飯完成。
居間に料理を運んでいっていただきますをする。
何はともあれまずはビールをプシッ。
グラスにトクトクと注いでしっかりと泡を育てる。
こうして自分を焦らしておいてもういいよとビールがささやいたら一気呵成にグビグビグビググググビと飲み干す。
身体の芯からビールの美味さを堪能して嬉しくて涙が出そうになる。
二杯目のビールを育てながらではではとサーモンに箸を伸ばす。
薬味をたっぷりと絡めてモグッと食べるとあっさりしていながら良質な魚の脂が広がってかなり美味い。
サーモンに塩を振っているので味付けをしないでいいのも高ポイントである。
薬味もいい仕事をしている。
黙々と食べそうになったので箸休めに袋煮に手を伸ばす。
かじっと齧ると出汁をたっぷり吸った油揚げの旨味と卵のプルプル感がベストマッチでたまらない。
そうそう、こういうのでいいんだよとドラマの主人公みたいな感想を漏らしつつ一袋をペロリ。
残りは後でねと声をかけて再びサーモンに向き合う。
半分くらいそのまま食べたら味変でマヨネーズを絡めながら食べるとそれはもう間違いのない味である。
サーモンマヨなんて子どもの食べ物かと思ったらどっこいそんな事は無いのであった。
ミョウガの味噌汁もちゃんと飲んでおく。
こうしてあっさりかつボリュームもあり清涼感も味わえる大満足の晩御飯になったのであった。
サーモンのたたき、特許でもとろうかしら。
えっ、もうあるって?うーん残念。
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