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ほら、アナタの町にも。
休みの日に家にいるとたまに廃品回収の軽トラが回ってくることがある。
柔らかな女性の声で丁寧にアナウンスされながらゆっくりと近づいてこられると何か廃品は無かったかなと思う。
しかし流しの廃品回収はほとんどが悪質な業者であり信用なんてできない。
よくある話だと無料を謳っているのにいざ回収してもらうと高額な引き取り費用を請求してくるというものである。
廃品回収の車に乗っているのは何となく柄が悪そうな男の人である事が多い。
私のような男でもやや怯んでしまう位なのでか弱い女性や年配のご夫婦などは怖気づいてしまうだろう。
以前に一度実家の父が古いパソコンを回収車に持って行ってもらったら一万円取られたとぼやいていたが事前の情報を知らないとあれよあれよというまに回収をしてサッとどこかに行ってしまう手口はネズミの様で質が悪い。
廃品回収は台風の過ぎ去った後に活発に行動するので今回もまた沢山のモグリの軽トラがウヨウヨ湧いて出ると思われる。
粗大ごみの回収は市に頼むのが一番割安で確実である。
事前に電話連絡をする事と処分費用をお釣りがないようにきちんと揃えておけばもう半分は仕事が済んだようなものである。
後は回収当日までに処分費を支払ってゴミを回収してもらえば終了である。
電話をかけたりの手間はあるが粗大ごみは普通のゴミの日には集めてくれないのでこのパターンが定番だ。
他には市が指定しているゴミ回収業者に頼むという手段もないではないが軽トラ一台で一万円弱かかるので費用的にバランスが悪い。
なぜ今日はゴミの話を長々とするかというと今晩から明日の昼にかけて台風が近づいているからで庭に放置している粗大ごみを移動する作業をしたからだ。
空き缶と空きビンがかなりの量になっていたのでまとめてビニール袋に詰めた。
それから壊れてもう動かない扇風機とレンジを風の余り当たらない場所にえっこらしょと運んでおいた。
今日の最新の情報では風がかなり吹くそうなので早めに休もうと思っている。
私は自然の脅威という言葉にてんで弱いので台風の場合はとにかく大人しくじっと息を殺しておくに限る。
そのうちに朝が来て太陽が昇ったらもう大丈夫。
そんな事を考えながら今晩の晩御飯を作った。
今日のおかずは焼き鳥と冷麺。
焼き鳥は串に刺してある半製品で焼くだけでいい。
塩コショウを振りかけながら魚焼きグリルでクリクリと串をつまみながら表裏をしっかり焼いていく。
半分はタレで食べたかったので醤油、酒、みりん、塩を混ぜて即席のタレを拵えた。
ボウルにタレを開けてお肉につけながら丁寧に焼いていった。
タレで焼くと醤油の焦げる香ばしい匂いがしてお腹が鳴った。
塩とタレを半々で焼いて生野菜と並べたら焼き鳥ディナーの出来上がり。
焼き鳥とくれば本来なら当然ビールなのだが万が一台風の影響があった時に困るので休肝日にする事にした。
お酒の代わりに麦茶で乾杯して焼き鳥に手を伸ばす。
まずは塩から、グイッと串から噛みきるとジュワッと脂が染み出してきて控えめに言ってもかなり美味い。
もうずいぶん長い事夜の外食はご無沙汰なのでざっかけない焼き鳥屋の味が恋しくなった。
そんな事を考えながらお次はタレをモグリ。
クニクニと噛んでいると甘じょっぱいタレの味が口に中に溢れる。
うんうん、これもなかなか…と独り言を言いながら食べた。
合間にキュウリとトマトのサラダをつまんで箸休めにした。
とはいえ十本しか焼かなかったのでお腹にはまだ余裕があった。
そこで予定通り冷麺を茹でることにした。
早速お湯を沸かして待っている間に具の準備をした。
具は定番のキムチとキュウリと茹で卵というシンプルなもの。
その間にお湯が沸くので冷麺を指定の時間まで茹でる。
茹で上がったら流水にとって麺を締める。
そうしたら器に麺をいれてその上に具材を盛り付ける。
味付けは添付してあるリンゴ酢入りの本場物。
麺が伸びる前に改めていただきますをしてスルルと啜る。
極細の麺がのど越しが良くてスイスイ吸い込まれていく。
途中でキムチを混ぜると辛みが加わって味変になる。
私は余り辛いのが得意ではないのでピリ辛で抑えることにしている。
冷たい麺なのであっという間に食べ終わってしまった。
お腹の具合は八分目と言ったところだったがダイエットにはちょうどいい塩梅だと思って片付けることにした。
あ、念のためお風呂に水を張って、照明の備えをしておこう。
さて、明日は何を食べようかな。
本日もごちそう様でした。