東京2020?!
この間実家から栗ご飯のお裾分けを頂いた時に、ついでにこれもあげるわとビールの詰め合わせを頂いた。
いわゆるお中元やお歳暮で貰うような箱入りの立派な奴である。
最近は肝臓を労わるために休肝日を増やしているが全く飲まないというわけではないので貰えるのはありがたかった。
私はお酒の中ではビールが一番好きで銘柄はキリンがイチオシである。
その時にもらったのは飲み口がドライで有名な銀の缶の奴だったが、そんなものは飲まないと狭量な事を言う気はさらさらない。
さっそく冷蔵庫にビールをしまって翌日の楽しみにようく冷やしておいた。
迎えた次の日の夕方、五日ぶりにお酒を飲もうかなという気になったので冷えている銀のビールの事が頭をよぎって楽しく過ごした。
貰ったビールは500ミリ缶が2本と360ミリ缶が6本という豪華版。
いやぁ参ったなぁ、これは飲みごたえがあるぞと二ヒヒと思いながらビール専用のグラスと一緒に500ミリ缶を一本取りだした。
さぁてでは頂くとしますかねと思って何気なくビールのラベルをチラッと見るとオリンピック記念缶の文字が刻印されていた。
ああ、パリオリンピックの時の奴かなと思ってちょっと古いのかなと思って何気なく缶の底の賞味期限を見て目を疑った。
そこには2021年5月という数字が刻んであった…。
うん?2021年と一瞬思考が停止しそうになって改めてビールの缶を良く見るとTOKYO 2020 Olympicと記してあった。
ええっ?!となるとこのビールは東京オリンピックの時の奴じゃんと思ってびっくりした。
賞味期限にして四年越えのとんでもなく古いビールだった。
妻に見てこれすげぇ前のビールだよと言うと絶対飲むんじゃないわよと言われた。
ビールもお酒なので缶で密閉されていれば傷むことはないはずである。
そこで興味本位でその古~いビールのプルタブをカシッと開けると申し訳程度にプシュゥと情けない音がした。
グラスに注いでみると色味が琥珀色ではなくくすんだ茶色だった。
鼻を近づけて香りを嗅いでみたが匂いは気にならなかった。
興味本位でほんの一口飲んでみたがひどく酸っぱくてこれは飲んだらアカンという味なのがはっきり分かった。
ビールの賞味期限は九か月なのでこいつはそれをはるかに超える通常には存在しない古参兵である。
飲んだら絶対お腹を壊すと本能的に思ったので、もったいないが残りのビールは断腸の思いで流しに捨てた。
残りの七本のビールもなるべく感情をこめずにプルタブを起こしてはダバダバと排水口行きになった。
実は実家には冷蔵庫が二台あり、普段使いの物とすぐには食べないとか飲まないものを保管しておく予備機が存在する。
貰ったビールは確実に保管用冷蔵庫にしまわれていたに違いなく、お酒を飲まない母からしたらビールは何年でも保管が可能だと思ったのだろう。
お酒好きの息子にビールをあげようという気持ちは大変に嬉しいのだが賞味期限切れのビールは酒に意地汚い私でもさすがに飲めない。
まだ母にはこの事を話していないが、保管用の冷蔵庫にはいつの物とも知れない謎のジュースとか漬物の類がぎっしり詰まっているので恐ろしい。
母ちゃん、いくら冷蔵庫に入れていても賞味期限ってやつがあるんだよと教えてあげたい。
いやぁ、それにしても古いビールはマズかったぁ。
あ、舐めただけだったのでお腹は壊さなかったです。
そんな貴重?な体験をした私の昨日の晩御飯がこちら。
昨日はスーパーでレトルトのスープカレーが売っていたのでこれをメインに。
ご飯を炊きつつ副菜を作る。
副菜は塩昆布入りの卵焼きを作った。
もう一品は人参のぬか漬けをみじん切りにして蒸したじゃがいもと合わせてポテトサラダにした。
汁物はインスタントのホタテスープ。
ご飯が炊けたらスープカレーを湯煎していただきます。
お酒は無し。
まずは卵焼きから食べる。
味付けは塩昆布だけであるがいい感じに旨味が出ておりほんわりとしていてなかなか良かった。
次にスープカレーを食べる。
まずはルーだけを味わう。
野菜の溶け込んだ甘さが来たかと思えばすぐにスパイスのピリピリした辛みがやってくる。
結構辛いので次はご飯をスープに浸して食べて見るとちょうどいい塩梅になった。
具は鶏の手羽元が丸まる一本とジャガイモがごろりとそのまま、後は大ぶりに切ってある人参とペコロスサイズの小玉ねぎが入っていた。
これがまたどれもこれも食べ応えがあって良かった。
何気にスープカレー初体験だったが美味いものだなと思ってスルスル食べて辛いなぁと水をゴクゴクと飲んだ。
その辛さを中和するのにぬか漬け入りポテトサラダのマヨネーズ味が役にたった。
ぬか漬けは人参を3日漬けたのでしっかりと味が馴染んでおりシンプルなポテトサラダによく合う。
このサラダのコツは余計な具材を入れない事でぬか漬けとジャガイモだけで勝負する。
隠し味に醤油をほんの少し入れるだけで味が締まる。
妻はスープカレーが気に入ったようで辛い辛いと言いながらもモリモリ食べていた。
ご飯は少な目にしたので腹八分目でごちそうさま。
後は腰の痛みと戦いながら妻と一緒に片づけをして就寝。
それにしても四年前のビールが平気で保管されている冷蔵庫は恐ろしい伏魔殿である。
近いうちに実家に行って保管用冷蔵庫のまだイケるものともうアカンものを選り分けたい。
いやぁ貴重な体験をさせていただきました。
あ、今回は銀の缶のビールをディスっている訳じゃなくて古かったぁと言うのがお伝えしたいテーマでした。
それにしてもお酒を捨てる行為は魂を削られるようで辛かったっス。