年豆を食むのをごまかす五十路かな。
今日は節分。
地元の神社でも節分祭が開催されている。
お昼と夕方には豆まき神事が行われ大勢の人が押し掛ける。
私はその時間帯をさけて午前中に参拝することにしている。
今日も朝のうちにお参りしてきた。
さすがに人出は普段よりも多くて賑わっていた。
お参りを済ませてからのお楽しみは福みくじである。
一回二百円で引くことが出来るくじでお正月にも同じ抽選会が行われる。
お月は元旦を大きく過ぎてお参りに行ったのでくじを引くのは今年初である。
きりが良く五回分千円を巫女さんに渡してくじを選ぶ。
子どもの頃から馴染んでいて自己最高は二等の日本酒二升を当てたことがある。
高額当選が出ると住所と名前を書かねばならず、それがなんだかとても恥ずかしかったのを覚えている。
子どもながらに大きな一升瓶を抱えて帰った時はことのほか祖父が縁起がいいと喜んでくれたので得意満面になったものである。
ちなみに今日は五回引いて末等の駄菓子が三個と五等の鉛筆とプラスチックのバケツだった。
まあこんなものかなと思いつつお参りに行く人を避けてそそくさと退散。
それからはテクテクと妻とお散歩。
空は今にも雨が降り出しそうだったが寒くて歩けないほどでもなかった。
帰り際に裏路地で小学校低学年くらいの子どもが地面にまぁるい絵を描いて他の子たちとけんけんぱをしているのを見て、へぇまだろう石って売っているんだなと新鮮な驚きを覚えた。
私が小学生の頃は様々な色付きのろう石が駄菓子屋で一本十円で売っていた。
スタンダードな白色からピンク、グリーン、ブルーと種類があったと記憶している。
それを使ってもちろん地面に大きな落書きをしたものである。
正義のヒーローや怪獣の巨大な絵とかが多かった。
ろう石はコンクリートやアスファルトのような硬いものにならどこにでも描けたのでトンネルの壁面を一大キャンバスにして落書きし放題だったのも痛快な思い出である。
あまり調子に乗っていると近所の大人が落書きをするんじゃない!とものすごい剣幕で怒って来るのでそこから必死で逃げるのもスリルがあってよかった。
ろう石は今でも工事現場の黒板に文字を書く時に使われているそうで細々とした需要があるそうである。
そんなカラフルなろう石の事を思い出しながら昨日の晩御飯の事をば。
昨日からおでんを育て始めた。
まずは面取りして隠し包丁を入れた大根を米粒を入れた水で茹でる。
半透明になるくらいまで茹でたらザルに空ける。
にんじんも輪切りにして面取り。
こんにゃくは下茹でして手でちぎる。
がんもどきとゴボウ天は油通しをする。
ここまで下拵えをしたら鍋に昆布と鶏がらスープの素を入れて出汁を作る。
そこに野菜と練り物を加えて沸騰するまで強火。
沸いたら弱火にして後は気長にコトコト煮込む。
おでんの仕込みが終わったら副菜を作る。
鶏の胸肉をそぎ切りにして砂糖と塩をしてしばらく放置。
それを洗ってからキッチンペーパーでよく拭いて片栗粉をまぶして熱湯で茹でる。
味付けはポン酢とゆず果汁、仕上げに大根葉のみじん切りをあしらいに乗せて鶏むね肉の柔らか煮の出来上がりである。
後は大根のぬか漬けを出してこれで三品出来上がり。
おでんがメインだからおかずはそんなに多くなくていい。
こんなものかなと思って妻を呼ぶ。
いただきますをして缶チューハイで乾杯。
パイン味のチューハイにしたのだが少々甘かった。
まずはぬか漬けをパリパリ。
漬かりが少し浅かったのでそろそろぬかを足そうかと思った。
チューハイがあっという間に空いたのでホットウイスキーにチェンジ。
こちらはしっくりとくる馴染みの味。
次に鶏の柔らか煮を食べる。
片栗粉をまぶしているので柔らかくてつるんとしていてなかなかいいお味。
妻が気に入ったみたいでモリモリ食べていた。
お酒をゆっくり飲みながらおでんに箸を伸ばす。
まずは大根から、じっくり煮込んだので芯までしっかり出汁が沁みていてジュンワリである。
これはよくできたなぁと思いつつこんにゃくを食べる。
これも手でちぎっているから味の沁みが良かった。
にんじんも箸いらずで切れる柔らかさ。
第一段階の仕込みとしては上出来と自画自賛して残った分はまた明日他の具材を足して食べる事にした。
お酒は前の夜の失態もあるので二杯で打ち止め。
やはり飲み過ぎはいかんですよね、はい。
さぁてこれから豆まきだぁ。
家の中にも庭にも盛大に撒いて運気を呼び込みたい。
福は内~鬼も虎のパンツ一丁じゃ寒いからちょっとは家の中にいてもいいよ。
鬼だって癒しが必要ですもんね。