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家族は紡がれる糸。
何度か書いているが家の隣でアパートの新築工事をしている。
昨日はお休みだったので少しゆっくり寝ようと思っていたのだがガンガンという工事の騒音で目が覚めた。
時計を見るとまだ八時前で土曜日にも工事をするんだと思って寝なおそうと思ったがうるさくてとてもじゃないが二度寝は出来なかった。
うーん、こういうことはお互い様だしなぁと思いながらノソノソと起きて朝ごはんを食べて家じゅうに掃除機をかけた。
それから本でも読もうかと思ったが木材を切る景気のいい音がしてそれに負けないように大声を張り上げる職人さんの大ボリュームの会話で全く集中できなかった。
これはたまらんと思ってお出かけすることにした。
最近家の掃除にはまっておりホームセンターで掃除道具を見るのが楽しい。
意気揚々とお店に行ってさぁて何か便利グッズはないかなと思って
ウロウロ。
あれこれと見て高圧洗浄機の売り場にたどり着いた。
ああ、これで外壁や車を綺麗にしたら気持ちがいいだろうなと思って値札を見るとあまり可愛くない値段だった。
そこでそういえば前に実家で見かけたようなと思いだしたので父に連絡してみると、おおあるぞという返事だった。
貸してくれる?と聞いてみるとどうぞどうぞというので借りに行く事にした。
手ぶらで行くのも何なので近所の和菓子屋に行って桜餅を買い求めた。
私の住む地域では桜餅はもちもちの生地であんこを包む道明寺である。
ああ、お菓子の世界も春だなぁと思いつつ実家に。
訪ねてみると母は外出中で父も家にいなかった。
玄関は開いていたので出かけていることはないと思って畑に行くと野良着の父が腰をかがめて土をいじっていた。
おーい、来たよというともう来たんか、早いのぉと言われた。
早速倉庫に一緒に行って高圧洗浄機を借りた。
見た感じ新品に見えたのでこれ使っているのと聞いたら、おお二回使ったという返事だった。
うわ、もったいないと思ったがそんなことを言うと機嫌を損ねられるのでお口にチャックでじゃあ、お借りしますと言って車に積み込んだ。
それから家に入って線香をあげようと仏間に行くと何だかドンツクドンツクと重低音の聴いた音楽が流れていた。
何事かと思ってふすまを開けると甥っ子がノリノリで踊っている姿が目にが入った。
甥っ子は県外で一人暮らしをしているのだが私の父と母を慕っておりたまに帰ってくる。
昨日もたまたま帰ってきていたらしく久しぶりに再会した。
私はこの甥っ子を赤ちゃんの頃から溺愛しておりそれはもう可愛い。
甥っ子も私の事を慕ってくれており相性はなかなかいい。
おう、いたのかと私が声をかけるとおじさん久しぶりと嬉しそうだった。
ちょうどお茶の時間だったので桜餅を食べた。
それから久しぶりに甥っ子と話し込んでいると母が帰ってきた。
母はたまに遊びに来る孫に明らかにテンションが上がっており上機嫌だった。
そこから父を加えた四人であれこれ話しているとあっという間に夕方になった。
そろそろお暇しようと思っていたら晩御飯食べていかないと誘われたのでありがたくご馳走になることにした。
何もしないで食べるだけだと気が引けるので久しぶりに母と台所に立った。
昨日の献立は生姜焼きとほうれん草の胡麻和え、けんちょう、めかぶ汁という豪華版。
生姜焼きは甥っ子のリクエストで自分が作ると言い出したので任せることにした。
ほうれん草の胡麻和えはゴマをよく炒って摺り下ろすので香りが良くて私の好物である。
けんちょうは母の田舎の料理で豆腐と大根、人参を煮干しだし、醤油、酒、みりんで煮る昔ながらの味である。
祖母の代から伝わる作り方でだしを取った煮干しを取り出さずに一緒に食べる。
昨日はちょっと豪華版で干しエビも入れていた。
後はこの時期の私の好物めかぶ汁である。
これはめかぶをよく洗って汚れを取ったら熱湯にサッとくぐらせて冷水に取ったらザクザクと粗く刻んでカツオと昆布の出汁を取ったすまし汁に入れて仕上げに溶き卵を流してかき玉汁風にするものである。
これがめかぶの磯の香りと卵の優しい丸さがぴったりでしみじみと美味い。
料理の師匠である母の手際の良さはさすがで見ていてまだ敵わないなと思った。
メインの生姜焼きも甥っ子が苦戦しながらどうにかこうにか拵えていた。
その昔電子レンジで卵を爆発させていた頃に比べると成長したなと思って感慨深かった。
何だかんだでご飯の支度が終わり家族そろって久しぶりの乾杯。
帰りは甥っ子が送ってくれるというので遠慮なく父と焼酎を飲んだ。
昔は一升飲んでもケロリとしていた父が二合も飲んだらもういらんと言ってお茶を飲みだしたのは何だか少しだけ切なかった。
昨日の料理のMVPは意外にも甥っ子の作る生姜焼きでこれが後を引く味で好評だった。
なんでも隠し味にリンゴジャムを少し入れるのがコツらしくて鼻高々に自慢していた。
インターネットで覚えた知識らしいがこのまま料理が好きになってくれたらいいなと思った。
帰り道は初めて甥っ子の運転する車に乗ったが私より上手だなと思った。
ほんのわずかなドライブだったがあれこれを話して再会を約束しておやすみなさい。
いやはや盛沢山な一日だったなぁと思いながら床に就いた。
さて、今日もそろそろ晩御飯の支度をする時間だな。
今晩は何を食べようかな。
うん、お腹減ってきたグルル~。