Trad On が広げ得るアイリッシュ音楽の輪
Trad Onというサービスを受講させていただきました。稚拙な表現なのですが、このサービスは日本のアイルランド音楽界隈に於いて、非常に大きな一歩なのではないかと思います。
Trad Onの公式ウェブサイト
日本でアイリッシュ音楽を学ぶ、というのは、当然なのですが、とても難しいことだと思います。そもそも他の国の音楽であり、どういう形で学べばいいかは簡単には分かりません。そして学んだとしても、それが正しいのかどうかを自分で判断するのは、非常に難しいことです。本国アイルランドですら、アイルランド伝統音楽とはなんぞやという議論が続いているのですから、いわんや日本をや、という感じです。
僕はこれまで、ずっと大学のサークルであったり、セッションであったり、色んなところでアイルランド音楽を学んできました。先輩や友人の弾いている曲を覚えて、セッションで他の人が弾いている曲を覚えて…。そうした曲の学び方は、アイルランドでも同様に行われていることで、幸運にも音楽仲間に恵まれた僕は、アイルランドに行った際も多くの人と音楽を通じて交流ができました。
それでも、どうしても日本で学び辛かったこと、それが「アイルランド音楽を上手く弾くにはどうすれば良いのか」です。
アウトサイダーである我々にとって、アイルランド音楽はどうしても、見様見真似で演奏するものです。セッションやCDで曲を覚え、独学で奏法を学ぶしかなかったのです(アイルランドでもかなりそういう部分はありますが、それでも教えてもらおうとしたときの敷居は当然ながらかなり低いです)。
アイルランド音楽は、例えばクラシックなんかに比べて、よっぽど奏法も自由ですし、それこそがこの音楽の魅力です。それでも、この音楽をやるにあたり、学んでおくべき「いろは」は、どうしてもあると思っています。そして、そうした情報は、日本語で手に入れることはこれまで非常に難しいものでした。かくいう僕も、独学でひたすら弾いてきてしまったために、弾いた時間に見合った上達ができていません。自分のセンスがないのもあるのですが、「どうやって弾けば教えてくれる人がいたらなぁ」と思ったことは何度もあります。
Trad Onは、今までになかった、アイルランド音楽のオンラインレッスンを日本語で受けられるサービスです。
例えば僕がギター講座を受講した高橋創さんは、アイルランドの大学でしっかり音楽を学び、現地で研鑽を積み、アイルランド本国でも凄腕のミュージシャンとして名を馳せている方です。そうした講師の方々のレッスンを、何回にも分けて、何度でも、母国語で学ぶことができるというのは、本当に5年前の僕が聞いたら卒倒するほど嬉しいことだと思います。
誤解を恐れず言えば、日本のアイルランド音楽はこれまで、楽器を弾いたことがない人にとっては非常に敷居が高いものだったと思います。なにをどうすればいいかわからないまま、楽器に苦手意識をもって挫折していった人も多かったと思います(かくいう僕も、フィドルに挑戦したものの、一か月で挫折しました)。
そうした人がより安心してこの音楽を楽しむことを、このTrad Onは可能にするのではないかと思っています。
僕も、もう一度挫折したフィドルを、Trad Onで始めてみようかしら。
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ゴッピ
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