脳内界隈
最近読んだ、心に来た、そんな文章を紹介しましょう。
とは言っても流れなしに引用するのは難しいですね。
なんかね、私はたまにこういうことを考えるんですよ。
書けませんね。とりあえずお風呂に入りましょう。走りましょう。私が私の目の前を。
かつて読んだものに「闇の絵巻」という短編があります。梶井基次郎の。私はあのイメージで考えることをイメージしています。いや、正確にはあのイメージでイメージされる考え事が私にはあるのです。別のイメージもありますけれども。
そうですね。その別のイメージは例えば、山口尚が『子どもの難問』の
「お風呂行ってきて。」と言われたのでお風呂に行きましょう。お風呂で体を洗う。すいすいと水が皮膚の上を歩く。いや、走る。そんなことを思いながら。
お風呂に入った。服も脱いだし体も拭いた。
いろんなことを考えた。考えようとした。いろいろなことはいろいろなことを思い出させた。不充分に。私は思った。ああ、私はなぜ、なぜ精確に、いや、正確に思い出したいと思っているのだろう。大抵は詩歌を、大抵は短歌を。なぜなのだろう。私は縋っているのだ。正しい、一言一句正しいことに。
前文に続くようにする。そういうふうに書いてきた。それもおそらく、いま目の前にそれがあるからだ。
書くと遅くなる。ブレーキ。話すと粗くなる。
アクセルを踏んだ状態、アクセルを踏んでいたことになる行動、頭のなかで話す。ぎゅるりんぎゅるりん。
立ち止まる。いまもここで。本の質感。ピカピカのスベスベ。
ゲームならペラペラのカーペット。質感ある。足を組む。足が痛い。私居る。
お腹が弱い。すぐにトイレに駆け込む。一人になる。孤独ではない。
イヤホンを外す。世界は音に満ちている。わけでもないがたくさんの、音がある。
空を見る。私は思い出す。思い出せないことがたくさんある。
友人に会う。ノリを取り戻す。波は帰る。海に。