#3 【試合見解】CL パリ戦 2nd Leg

・感想

五分の勝負

運命の2nd Legは全くの 
五分の勝負に感じました。

『五分の勝負では気持ちで負けたらやられる』

と言われることがありますが
それがピッタリの試合内容でした。

全員がクラブの為にハードワークを惜しまず
球際で体を当て続けた結果だと思います。

パリはMF陣+ネイマール、メッシで支配をして
エンバペを絡めつつ、前線3人でフィニッシュ。

あるいは中盤を省く1本のパスでエンバペに。

と、攻めパターンがあり常に
レアルを混乱させている印象でした。

その中でもレアルは自分たちの攻めの姿勢を
崩さずに180分の試合で勝利を収めました。

この試合は再抽選、エンバペ、SL構想と
さまざまな背景がありその試合に勝利したことは
素晴らしいが、まだ何も勝ち得てはいません。

『ただのベスト8進出です』

ただ、何かを勝ち得た時にターニングポイントと
語り継がれる試合に間違いはないでしょう。

Hala Madrid 

・マッチレビュー

高圧的なレアル・マドリード

試合開始序盤からハイプレス+ハイラインで
押し込みスタジアムの雰囲気を一気に上げた。

具体的にはアセンシオが中央を締め
カルバハルがサイドを制圧したいた。

しかし、その代償は安くない。

カルバハルの裏には広大なスペースがあり
中盤を省く1本のパスを配給され、エンバペが
危険な存在になっていた。

また、彼はただのスピードスターではない。

前にスペースがないと判断すれば下がって
パスを受け自らスペースを作るクレバーさを
持ち合わせていた。

そんなリスクを承知の上で高圧的な
初期配置をレアルはした。

前回対戦時の修正

前回対戦ではビルドアップ時にトニ・クロースに
蓋をされ前線への配給を窮屈にさせられたが
カルロの解決策はビルドアップ時にクロースと
モドリッチが近い距離感を保つことによって
プレスを緩和させてマドリー中盤は制圧を
試みた。

しかし、攻撃時の縦横無尽さとプレス開始時に
重要な役割を担うベテランモドリッチには
体力消耗があまりにも大きい。

そこで中盤の3人目としてバルベルデを
配置してモドリッチのサポートとプレス開始時の
スイッチ役を担っていた。

パリの前線3人

それに対してパリ攻撃陣は前線の超スーパー
スター3人が攻撃開始時は広く開くが
パスを重ねるごとに中央付近に距離感を
縮めていきマドリーの守備陣を切り裂こうと
試みていた。

中央が密集すればネイマール、メッシが下がってボールを受け、スペースをサイドに作りそこを
サイドバックが有効活用してマドリーに迫った。

状況に応じた最適解考えて、さらにマドリー相手にそれを実行する所は流石の3人だな、と怖さを
感じさせられた。

パリ先制点

38分 エンバペ 0-1 

(5秒〜)

2戦合計で2点リードの状況を作った。

アセンシオが攻守で得意なゾーンを位置取り
カルバハルに攻撃のスペースを提供し続けた。

左サイドバックにナチョを採用している為
カルバハルサイドから攻めるのは
正しい判断だろう。

しかし、そこにはエンバペの恐怖が。

カルバハル裏の広大なスペースを1本のパスで
使われて2点ビハインドになった。

終了までの5分強はマドリーの球際
での勝利が続いて、前半終了。

後から振り返れば
ここで立て続けに失点をしなかったレアル
した、パリの結果となった。

残りの45分へ。

決着の後半スタート

後半早々にアセンシオが
ゴール前で惜しい状況に。

得点には至らなかったがブロックを
作る相手に対して

右で起点を作り
ヴィニシウスに展開、突破
相手がカバーに入る
そこの空いたスペースにアセンシオが飛び込む

この一連の流れはブロックを作る
相手には非常に有効なアプローチだろう。

パリ後半開始時は、2点リードの為
自陣に人数を割きながら、エンバペに
パス1本を供給。

パス1本+エンバペでマドリーゴールに
非常に近づく。

ただ、レアルはオフサイドやレフェリングに
より0-2を保つ。

(パス1本でマドリー相手にあれはやばすぎます)

56分。ロドリゴ、カマヴィンガ投入。
クロース、アセンシオアウト。

前半の走行距離チーム、1位と2位の為
納得の交代。

クロースはプレス時3、4人目の動きを繰り返し
アセンシオはプレス時中央を締める役割を

交代で入る二人が効果的に動けるかが鍵に。

カルバハル、イエロー後の
レアルの姿勢

59分、カルバハルイエロー

エンバペが下がり自陣でドリブル開始
目の前には広大なスペースが。 

そこをたまらずカルバハルが
タックルでイエロー。

トータルスコア0-3を避ける為妥当な判断だ。

驚くのはその直後のリスタート後
ベンゼマが当然の如くハイプレス開始。

エンバペの恐怖の直後にハイプレスを行って
GKのエラーを誘い、得点。

60分 1-1 ベンゼマ 2戦合計1-2

会場が一気にヒートアップ。

相手のミスからの得点だがその背景には
エンバペの恐怖に臆せず、ハイプレスを行った
レアルのチームとしての得点。

逆にパリはガックリくる失点。

前半失点時、姿勢を貫いたレアル。
果たしてパリは。

失点後の両チーム

失点後の両チームには大きな違いがあり
レアルは攻め続け、パリは受け身。

その象徴が、73分のモドリッチ対メッシ。

前線に恐怖のエンバペの姿が。
素晴らしい潰しでしょう。

(26秒〜)

対するパリはその2分後75分、モドリッチが
自陣から一気にドリブル開始
歩くメッシを通過、パリ陣営を切り裂き
侵入するが誰も体をぶつけない。
ぶつけられない。

そしてヴィニシウスにパス。
目の前には広大なスペースが。

ゴール前に侵入後モドリッチに展開
ベンゼマにラストパス。

75分 2-1 ベンゼマ 2戦合計2-2

2-2後のレアル

追いついた直後はもう言うまでもなく
攻めるレアル・マドリード。

全員で。全力で。一気に。

わずか、2分間の同点、逆転劇

77分 3-1 ベンゼマ 2戦合計3-2

ベンゼマのハットトリック
2戦通して初のリード。スタジアムは最高潮に。

失点後のパリはプレスを行うが
FW陣、MF陣、DF陣がバラバラに

点を目指してロングボールを使うが
高身長がおらず前線に収まらない。

それでも交代はせず、ゲームセット。

 Real Madrid CLベスト8進出

・選手レビュー

クルトワ
⇨前半45分はセーブ連発
1st LegのPKセーブが結果として大きかった

カルバハル
⇨攻撃時はアセンシオが開けたスペースを
有効活用
守備時は中央までプレス、そして上下運動で躍動

ミリトン
⇨足下で受けようとする選手に
体をぶつけ自由を奪い続けた
アラバとの親和性抜群

アラバ
⇨ゴール前での球際対応が抜群
攻撃時の飛び出しもチームのアクセントに

ナチョ
⇨第三のCBとして限られた出場時間の中
このレベルの試合でハイパフォーマンス

GK+DF陣
⇨失点直後に立て続けの失点をギリギリで
体をぶつけ阻止したことが勝利に直結
2戦通してエンバペの個の破壊以外は
安定感を保った

クロース
⇨前半チーム1番の走行距離
プレス時に3、4番目の動きだしを繰り返し
ビルドアップ時はモドリッチと共に組み立てを

モドリッチ
⇨バロンドーラー、まさにパーフェクト
次戦のリーグ戦は完全休養して頂きたい

バルベルデ
⇨プレス時のスイッチ役として機能
モドリッチとの補完性抜群

MF陣
⇨エンバペのゴール後もプレスを緩めず姿勢を
貫き続けた。間違いのないプレーを披露

アセンシオ
⇨プレス時中央を締め相手のビルドアップを
窮屈にさせた
ただ、彼は攻撃の選手。彼の日ではなかった
(アセンシオの攻撃については今後note公開
致します)

ベンゼマ
⇨ハットトリック。チームの要

ヴィニシウス
⇨目の前にスペースがあれば高確率で
チャンスを演出
ただ、シュートの姿勢が少なかった?
今後楽しみな選手の一人

FW陣
⇨それぞれが任された役割を果たす
パーフェクトゲームを演出

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