レクター博士に恋するまでの備忘録
恋…といっていいのか。でも彼のことを考えない日はない。
レクター博士。ハンニバル・レクターを知ってますか?
かの有名な、凄腕の精神科医であり外科医の技術もあわせ持つ猟奇殺人鬼。あと、無礼な豚(人)を食べちゃう。あ、知らない人には言っておきますが物語の中の架空の人物です。現実にこんな人いたら怖くて夜も眠れないよ。
なんの罪悪感もなく人を殺すけれど、その言動は狂人というよりも優雅で、そこが彼の魅力です。音楽や絵画といった、芸術を嗜むところ。あとなんといっても料理が得意で美食家なところ。あー…好きだな……
この文章は私がレクター博士に出会い、恋に落ち、そして狂っている今に至るまでを自分用に記録しておこうというものです。最初はこんなに好きになると思ってなかったんだ…沼にはまって抜け出せなくなったオタクはみんなそう言うの。
そんなただの哀れな恋煩い患者による備忘録に付き合ってくれる方はお読みください。あとすみません、流れるように内容にも触れているのでネタバレには気をつけて。
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きっかけは、ひとつの香水でした。
概念香水というものを知ってますか? キャラクターの要素を香りとして表現しようという試み(?)のことなんですけれど…
私は普段は一次創作をしている人間です。自分の創ったキャラクターをいろいろな形で具現化するのが好き。これまでは絵を描いたり文章書いたりして彼らの解像度をあげて日々過ごしていましたが、ある日「概念香水」という文化に出会いました。
それで、私の創作キャラに動く死体の女の子がいるのですが…
彼女の概念として、血の香りがする香水はないものか??????と探し回りました。そこで、出会ったのが
バット ノット トゥデイ。
なるほど。『ハンニバル』という映画をイメージして作られた香水なのね。
ほんとは通販で即購入したかったのですが、この香水、なんと4万円もするんです……。とりあえず買う前に(将来絶対買うだろうなという確信はあった)お店に香りを試しにいかないとなと思いました。そして、その香りのイメージ元となる映画を見ないと、香りを最大限楽しめないなとも思いました。『ハンニバル』という映画は『羊たちの沈黙』の続編ということを知りました。そして、見た。
それが私のレクター博士との出会いでした。
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映画『羊たちの沈黙』 めちゃくちゃに好きでした。
登場したところ、ただ立ってるだけなのに、あの恐さ、すごくないですか?
1番好きなシーンは、レクター博士が「”恋仲”だと噂されるぞ」と言って小さく舌を鳴らすところ。は〜〜そこで落ちましたね、恋に。あんなのずるいだろ。
今まで私は幽霊とかゾンビとか血とか臓器は好きなくせに、痛そうなリアルな描写が苦手という矛盾している趣向なせいで、ホラーやサスペンスの映画やドラマを全然見てこなかったんですが、『羊たちの沈黙』を見た後、なぜもっと早く見てなかったんだ!?と後悔しました。存在は知っていたのに。だってポスターがもう怖かったんだもん。けど内容のネタバレをこれまで一切見てこなかった自分を私は称賛したい。ありがとう、過去の私。そして、映画を見るのに踏み切った理由が
「バットノットトゥデイを試しに行きたいから」なの、繋がりありがとうって感じ……
そして、続けて映画『ハンニバル』を見て、バットノットトゥデイを丸の内のNOSE SHOPに試しに行き、お腹がすく血の匂いのムエットを手帳に挟み、ことあるごとに香りをかいで、映画『レッドドラゴン』を見て……(『ハンニバル・ライジング』はまだ見る勇気が出てません。いずれ……)
ついにやってきました、ドラマ版『ハンニバル』を見る時が。
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マッツ・ミケルセンの容姿、すごく好きなんですよ。マッツに出会ったのはファンタビ3。あんなに穏やかな顔をして、やってることが冷酷無慈悲。好きだ……
はい。意を決してドラマ版『ハンニバル』見ました。
わーーーーーーーーーー好き…………
なんかもう所作が美しすぎる。全部がかっこいい。手際良く料理をし、客人に振る舞う姿。セラピーのときの座り方。あの口元がさあ。あんなのずるいだろ。
主人公ウィルとの関係性に狂わされるオタクがこの世にたくさんいることは事前に知っていたのですが、例に漏れず私もそうなりました。今シーズン2まで見終えていますが「逃げてるはずだったのに……」のとこで感情をぐちゃぐちゃにされた。なにそれ。ねえ……
あと、グロ描写耐性、めちゃくちゃにつきました。映画よりもドラマ版のほうが描写はえぐいです。毎話死体が出てくるし。殺され方もすごいし。でも全部綺麗……
『ミッドサマー』が見たいけど見たくなくて好奇心だけが突っ走った結果グロ描写ネタバレを浴びるように読んで「これは見れないな…」とか言ってた私が、レクター博士への想いだけでここまで来れたよ。やったね。
この記事のヘッダーにもなってるのですが、レクター博士のレシピ本も買いました。来週にはBlu-rayBOXも届くんだ。楽しいな、人生……
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はい。10月下旬にバットノットトゥデイを知ってから、2ヶ月とちょっと。私がハンニバル・レクターの魅力に取り憑かれるまでの備忘録でした。
私はアンソニー・ホプキンスのレクター博士も、マッツ・ミケルセンのレクター博士も大好きです。
レクター博士の話し方、紡ぐ言葉、声がほんとに好きで……
すごく恐ろしい人だってわかってるのに、あの優しい声色ですよ。悲惨な光景が広がっていても、彼が画面にいるときはなぜか心が落ち着いて、安心できるんです。こわ。末恐ろしい男だな。
あ、もちろん、原作小説のレクター博士も大好きです。まだ『羊たちの沈黙』しか読めてないけど……今年中にシリーズ全部読破するだろうな。
原作『羊たちの沈黙』の最後のクラリスへの手紙の一文。
ああ、彼はただ、人生を楽しみたいだけ。自分に危険が迫ることよりも、退屈することをなによりも恐れている。この文を読んだとき、彼のそういうところが一番の魅力なんだなって、より一層好きになりました。この沼から抜け出せない。
レクター博士の心の内、その本心は絶対に知ることができないんだろうなあと思いつつ、それでも彼がなにを考えて生きているのか、これからも手を伸ばし続けるんだと思います、私は。
彼の最期はどうなんだろうね。
私は彼の余裕な態度が好きだから、かっこわるく死んでほしくはないなあ。
自分の死すら手中に収め、神に笑みを送りながら、その命を終えてほしい。できることなら私が彼に殺されて、彼の最期を見れないままがいい。
限界オタクか? そうです。
履修しきれてない作品があるから、まだまだこれからだけどね! 香水もまだ買えてないしね。お金貯めて春の自分の誕生日までには買いたいです。それまで売り切れるな。頼む。
人の心を見透かすような目、人の心を操るような声を想うだけで胸が苦しくなる、この気持ちは、恋?
博士〜〜診断書書いてくれないかな……
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