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【旅blog】八重山諸島周遊の旅 3
女の子は驚いた様子で「は、はい!」とこたえた。
「やっとひとり旅の人に出会えた!良かったら話し相手になってくれませんかぁ!」
赤い海パンを履いた私はザバンザバンと波を踏み散らかしながら、女の子に近寄り、思いの丈をストレートに伝えた。
すると彼女は笑顔で「あはは、私も同じ」と言ってくれた。よくこんな変な奴に付き合ってくれたものです。
いろいろ会話をして、名古屋出身の27歳の教員だと判明した。ちなみに彼氏はドイツでヴァイオリンを作っており、もうすぐ帰国するので、そこから結婚という流れになりそうとのこと。
まるで耳をすませばであるが、彼女はまだ観ていないらしい。
いやぁ、幸せだ!
それから婚前旅行をする彼女と意気投合して、一緒に昼食をとることにした。
やはり沖縄そばでしょうということで近くのそば屋まで向かった。
旅行はよくするのか、仕事は大変か、いろいろな話をして過ごした。
人との出会い、そして初対面ながらも一緒に話をしながら食事をするということ。まさに旅の面白いところですね。
彼女は、言う。
「実は明日の早朝には石垣島から名古屋に帰るんです。5日前から来てたんですけど、台風に直撃しちゃって、ちゃんと観光ができたのは今日くらいなの。そんな日にあなたと友達になれて良かった!」
「俺もひとりで旅行してて寂しかったんで、話し相手になってくれて嬉しかったです!」
※この1年後、彼女は、ドイツから帰国した彼氏と本当に結婚し、さらにその1年後に子供が生まれた。今では家族3人幸せに暮らしている。
沖縄そばを食べ終えてから、彼女となごみの塔に登った。そこからは竹富島全体を見渡すことができて、本当に小さな島なんだなと再確認できた。
そして、彼女が16:30の船で石垣島に戻るとのことだったので港まで見送りをしてから、いろいろな古民家を見学しつつ宿へ戻った。
少し疲れが出たので、布団で休む。
18:00頃に目覚め、近くの食堂でゴーヤチャンプルーやタコのから揚げを食べた。確か、かにや?だったかな。
19:00頃にそろそろ日没だと思い、自転車で西桟橋へ向かうことにした。
人は夕日に惹かれるということで、桟橋には多くの人が集まっていた。どうせなら一番先で見てやろうと思い、自転車を止めて桟橋の先へ向かった。
すると途中で横から誰かが覗き込んで来て急に話しかけられた。
「昨日の宿にいましたよね?」
そう、石垣島の宿のゆんたくにいた一人旅の男性だ。なんという偶然。
夕日は雲に隠れてあまり見えなかったが、思わぬ再会に2人で話し込んだ。
男性と話が弾み、一緒に酒でも飲みましょうということで店を探したが、店はすでに閉まっており、宿の軒先で缶ビールで乾杯した。
酒を飲み過ぎて会話の内容をほとんど覚えていないのが悔やまれる。
途中で宿のじぃさんも軒先に来て、心から楽しそうな顔をして「薔薇とパンティ」の話を聞かせてくれて、ヤシガニを見せてくれた。
そして、じぃさんにこれからは西表島へ行ってから波照間島に行くと話すと止められた。
「波照間島は時間に余裕がなければやめろ。どれだけ天気がよくても外洋だから波が荒かったり、風が強ければすぐに船は欠航する。」
これを聞いて、時間に余裕のない私は、波照間島行きを諦めた。チケットのプラス4,000円が悔やまれる‥
それから、男性と私は酒を飲んで良い気分になっていたので、ふらつく足で本日2回目のなごみの塔に登った。
真っ暗で何も見えないや。
その日も夜空は、雲に覆われていたのだった。
あぁ、そう言えば薔薇とパンティの話すんごい面白かった気がするのに、どんな内容だったか忘れてしまった。
旅のメモを見返しても何も残ってないんだよなぁ。惜しいことをしてしまった。
つづく
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