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空路にて

空路で福岡から東京へ戻る。

「液体の入ったペットボトル、持っていけますよ」と同僚に言われて驚いた。ミネラルウォーター、中身まだ残ってるけど捨てなきゃなあと思っていた。国際線は駄目だけど、国内線は問題ないという。

よくよく思い出してみると、国内の移動はここ数年ほとんど新幹線などの陸路で、空港の国内線を利用するのはずいぶん久しぶりだった。

最後はいつだろうと記憶の引き出しを開けまくる。記憶違いでなければ、おそらく20歳になる年に北海道へ行ったときが最後ではないかと気づきちょっと慄いた。

飛行機の席が窓際だったので、離陸時にぼんやり外を眺めた。大きな道に沿って、家々がみっしりと整然と並んでいる様がどんどん小さくなっていって、山々が連なっている景色へと変わっていった。霧がかかり、全体的にモノトーンに近い色合いでまるで水墨画のようだった。

前の座席に座っている5歳くらいの男の子も、席から少し身を乗り出して、食い入るように窓からの景色を見つめていた。

まるで週末のような気分なのだけれど、まだ週の前半という事実を思い出してすこし気が滅入りそうになった。

機内で食べようと一つだけ買っておいた「博多通りもん」を食べ、機内サービスでもらった温かい緑茶を飲んで一息つく。

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のん
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