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米が炊き上がるまで
19時半に炊き上がるように炊飯器をセットしたはずが、スイッチを押し損ねて炊かれていなかった……ということに彼が気づき、米の炊き上がりを再度待つことにした。
スイッチを押し直してから、とりあえず夕飯に予定している白菜と豚生姜焼きの下準備を先に済ませた。台所には、彼が切った白菜の入った白いボウルと、わたしが生姜ダレをつくって和えた豚肉が入った銀色のボウルが置いてある。ボウルの中身を見合いながら、「ぜったいおいしいよ」と2人で言い合った。
あとは、ボウルの中身をそれぞれ炒めるだけ。米の炊き上がり時間が炊飯器のパネルに表示され、残り10分くらいになったら炒めはじめようかという話になった。
そういえば、わたしは結局いまだにあの炊飯器が何分で米を炊き上げるのかをよくわかっていない。大体40分くらいは掛かると思っているけれど。彼も良く分かっていないという。わたしより付き合いが長いのに(彼が一人暮らし時代から使っている)。
2人で準備すると速く終わって、急遽生まれた時間でこれを打っている。自分のキーボードを打ち込む音に紛れて、炊飯器から、「カチッ」という音が聴こえてくる。大体10秒に1回。米が躍っているのだろうか。そういえばさっきまで静かだったな。気づけたらよかったけれども、起きたことは仕方ない。
キーボードの打刻音と、炊飯器の音に交じってわたしの腹の音もする。
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