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閉店20分前の待ち合わせ

ある日、平日の夜のこと。彼と一度、ファミリーレストランで待ち合わせしたことがある。

互いに残業続きで、夕飯に冷凍食品が続いていた時期だった。別に冷凍食品といえど、美味しいものばかりだし、工夫すれば栄養バランスだって申し分ない。とはいえなんだかもう、それを準備するのも億劫になり始めていた。

ちょっと空気を変えたくて、外食しようという話に。閉店時間が遅めで、気兼ねなく相手を待てる場所が良いなということで、ファミリーレストランに白羽の矢が立った。ロイヤルホストが一番行きやすい場所にあった。

結局のところその日はわたしのほうが早く店に着き、一時間ほど待った。ラストオーダーは21時30分。彼が到着するのが40分。ゆっくりジャワカレーを食べながら、移動中の彼にLINEで食べたいメニューを教えてもらう。タイミングを見計らって注文する。

わたしはこのとき、窓際のソファ席に座っていた。10分くらい経ったとき、ふと窓に目を向けると、はじっこからひょっこり彼が現れた。にこにこと破顔しながら、ぶんぶんとこちらに向かって手を振っている。

もしこれが昼間だったら、周辺の通行人も、近くの席に座っているほかのお客さんにも、「ああこの2人待ち合わせしているんだ」と一瞬でわかるんだろうなと、手を振り返しながら思った。

まだ湯気が立ち上った状態のハンバーグに彼はありつく。閉店時間残り10分ほど残してあっという間に平らげる。ギリギリになってごめんなさいと言うので、「また来ればいいんだよ」と返す。

ああやって笑い合いながら手を振る瞬間を積み重ねられれば、この上ないことだと思った。

今日のヘッダーはそのときのハンバーグ

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のん
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