自己紹介が苦手な人は、(恥ずかしいけど)自分の本棚を晒してしまえばいいと思うよ
自己紹介が苦手な人は、自分の本棚を晒してしまえばいいと思う。かなり、勇気はいるけれど。
わたしは自己紹介が苦手だ。いつもなにから話せばいいかわからない。ほぼ全くいい思い出などない大学生の時の就職活動期間、自己分析がとても嫌いだった。ましてや「好き」を表現することがむずかしいと思ってしまっていた。
いま、noteのコンサルティングやこたつラジオのパーソナリティなどで活動されているみずのけいすけさんにお世話になっている。わたし個人の情報発信をサポートしてもらっている。
一番最初に取り掛かったことが「自分の好きなものは何か」を明らかにすること。話し合って、まずは「偏愛マップ」を作ってみようか、ということになり取り掛かってみた。
「偏愛マップ」とは、自分の好きなもの(偏愛)を視覚的に伝えるツールだ。白紙に、自らの偏愛をことばにして羅列し、グルーピングする。そのシートを見せ合うことで初対面同士でもいきなり深い自己開示が可能になる、らしい。
書いてみて困ったのが、「漫画」のところだった。多すぎるからだ。絞るにも、どういうくくりで絞ればいいのかわからない。というか、もう「漫画」のスペースを広げるのがめんどうくさい。
これはもう本棚の写真を撮って、共有した方が早いなと思い、大掃除のタイミングで撮影しておいた比較的キレイな写真をみずのさんに送った。
み、見どころ……? 聞かれたことない......! とちょっと悩むことになる。
ところで、そういえばわたしは今、紙のコミックスで何を所持してるんだっけ? と、自分が全体像を把握できていないことに気づいた。
好奇心で、写真にあるそれぞれ漫画の作品タイトルを手書きで書き加えていく。
「そうそう、できるだけ作家ごとに並べたいんだよね……物理的にできないこともあるけど……」
「一巻完結の作品けっこうあるなあ」
「もうこの作品はずっと置いてあるな」
だんだんと自分の中の法則だったり、この作品はずっと手放せないなあ、などと「好き」が見えてきた。報告のつもりでその画像をみずのさんに送る。
「ツイートしてみてもよいのではないだろうか」??
こんなふうにTwitterに8割ほど晒した漫画の本棚だけど、最初は公開するつもりなんてさらさらなかった。それもあって、公開する直前と直後は、汗が噴き出すくらいの恥ずかしさがあった。
本棚公開ツイートは、現時点で7,600を超えるインプレッション。それに対してTwitter上でもらったコメントは控えめだった(もちろん、いただいたコメントはとてもうれしく読んだ)。
(ありがとうございます!)
けれど実は、「あのツイート見たんですけど……!」と直接、リアルで、お声がけいただいたことが結構ある。そしてこっそり、本棚ツイートの感想を教えてくれるのだ。
文字でリアクションすることに、抵抗がある人が一定数いるんだなーと思った。
その分、改めて自分がやったことはかなりの自己開示だったんだなあという気づきにも繋がった。本棚は、もじもじしていたわたし(本人)よりも、ずっと雄弁だったのだ。
ちなみに反応を示してくれる人は、ざっくり大きく2パターンに分類された。漫画に詳しいか、ほぼ知らないか。そのいずれかだった。
前者の、漫画好きの人々からは「わたし、○○好きなんですけど……!」または「なんであの作品知ってるの?」といった感じでお声がけいただく。結構ピンポイントで作品名を告げられる。
後者は、「なんかめっちゃ漫画あったけど、ほとんど知らなかった!」みたいな反応だった。
両者とも、隅から隅まで見てくれたんだなあ、と思う。どちらにせよとってもうれしく、そしてすこし気恥ずかしさも伴っていた。
公開して思ったのは、自己紹介のハードルが下がったこと。「漫画が好きです」とだけ言うと、かなりフワッとした自己紹介になってしまって、「本当に好きなのかな……?」というイメージを相手に与えてしまう可能性もある。
けど、この本棚を見せると、大量の情報を一度に提示できるし、相手がどこに反応を示すかで、逆にその方への理解が少し深まったりする。
(ここだけの話、)マッチングアプリで知り合った人に手書きなしで本棚のみの写真を見せたことがあった。ほぼ、引かれるか、食いついてもらえるかの二択しかない諸刃の剣ではある。でも、コミュニケーションツールとしてかなり助けられた。通常の会話だと数ラリー必要なところを、一足飛びにスキップできてしまうからだ。
こうした”さらけ出し”に対して、文字に残す形でリアクションを示すのが照れくさい人もいると思う。そんなあなたは、いつか直接会ったら、好きなものを教えてね。わたしが大喜びするから。