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あとは書くだけ
「えっ、じゃああとは書くだけじゃないですか?」
「行きたいリスト」に入っていた喫茶店に入る。店構えからは想像できなかった店の広さに驚く。奥行きがかなりあって、テーブル席がいくつも目に入る。席数も余裕があった。
好物のオムライスをホットコーヒーとセットで頼むと、ほどなくして運ばれてくる。丸皿に、めいっぱい広がる卵。薄いのに、見事な半熟加減。とろっとしているのが目に見えてわかった。
半熟を見ると連想で、こうやって週日更新しているnoteのことが浮かぶようになった。マガジンのネーミングにしっかりとリンクしているから。そしてそれとセットで浮かぶのが冒頭の言葉。
最近、SNSでつながっている人たちに会うとかなりの確立で言われるのが「noteめっちゃ書いてますよね?」。ああわたし、毎日noteを書いている人、って認識されているのだなとよく思うようになった。意外と見られているという気恥ずかしさはありつつ、「まあ事実だし」とどこか冷静でもある。
するとふと、心の中の、ストイックな自分が胡座をかき、頬杖をつきながらボソッとつぶやく。「……アウトプットしたいな」。
本当はその言葉がずっとずっと聞こえているのに、毎日、noteの公開ボタンを押すたび押さえ込んでしまう。先送りにしてきた。
note書いてますよね、に続くのは、「なんのために?」という話。「まあね、なんでしょうね」。ヘラヘラしながら続けて、「いつかZINEとかね、挑戦したいですけど」。そうしてある人から返ってきたのが、「じゃあ、もう書くだけじゃないですか」。すぐできますよ、と。
ぐらぐらと何かが煮えてきている気がする。勢いで調べたら、「文学フリマ」(東京)が来年の5月にあることを知った。
出店のルールとか、ZINEの作り方とか、調べてイメージを固めていこう。できるのか不安だけど、それって結局知らないからに尽きるのだ。
締め切りがないと全然やらないから、どんどん自分で自分の外堀を埋めていくっきゃない。だって、あとはもう書くだけなんだから。
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