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アプリ

「え。アプリ、多くない?」

驚いた声を上げたのは親戚の子(小学生)だった。今年の新年会でかくれんぼをともにしてからというもの、向こうから声をかけてくれるようになった。去年まで片手で数えるくらいだったのに。

弟のほうも「名前、なんていうの?」と聞かれてから、それ以降名前も呼ばれるようになり、二言目には「かくれんぼしよう!」になった。「一緒に遊ぶ」という行為がもたらすパワーはすごい。いつまで効果が続くかはわからないけれど。

なんというか、親よりずっと甘い大人なんだろうとも思う。ついに「スマホ触っちゃダメ?」「インスタ見たい!」「写真撮ろーよ!」と、あまり親にいい顔をされないであろう(実際はそんなことないかもしれないけれど)お願いをこの前された。で、冒頭のセリフである。

ホーム画面2ページ分(という数え方でいいのか?)にわたって敷き詰められたアプリたちを見て、「今まで見た中で一番多い!」と言われる。

「えーそんなことないでしょう」
「多いよ! これ、どこに何があるかとかわかるの? 全部使ってるの?」

ちょっと耳が痛くなるような質問をされる。なんだか一瞬「無駄なものを買って!」と問い詰められる子どもの気持ちになる。不要なものを抱え込んでしまっているような。

「まあ、全部は使いこなせてないけど……」

色々と「アンインストールできるし」と、お試し感覚で入れがちだなーと思う。

「わたしだったら見つけるの大変そうだし、そんなに使えなさそー」

依然ホーム画面を行ったり来たり、スワイプを続けながらそう返されてちょっと驚く。わたしも一応ギリギリデジタルネイティブ世代と呼ばれる世代だけど、将来はこの2人の方がもっとずっと使いこなせていくんだろうと思う。

「わたしよりもはやく見つけられるし、使いこなせるようになっちゃうよ」と返したら、「ええー?」と信じられない、といった声色で返されたけれど、表情はまんざらでもなさそうに見えた。

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のん
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