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Photo by
noouchi
由々しきこと
「3月31日をもって閉店いたします」
地元の駅ビルの中にある本屋に立ち寄った。ぼーっと店を出たとき、見慣れない立て札が目に入る。最初は文章をまともに確認せずに横切った。とんでもない存在感を放っているわけでもなく、控えめに置かれた立て札。けど、なんだかただならぬ雰囲気を感じて、後退りしたのだった。
閉店!
その内容は衝撃的だった。嘘でしょ、と思った。声には出さず、(たぶん)顔にも出さず、じっと並ぶ文字を見つめる。「ご愛顧ありがとうございました」といった文章もあった。
中学1年生の時に引っ越してから今まで、数えきれないほど足を運んだ本屋だ。引っ越したばかりの頃、地元にはこの本屋も含めて4軒の本屋があった。
うち2軒はいわゆる個人経営のもので、今はそれぞれ携帯ショップと薬局になった。その後新たにスーパーの上に大きめの本屋、個人書店が開店した。結果(?)プラマイゼロで今も4軒の本屋が地元にはあるが、また1軒なくなってしまうのか。
駅ビルの本屋は場所の利便性も相まって、地元の中ではかなり存在感がある店舗のように思っていた。当たり前のように、必要とされている場所だと。15年以上足を運んでいたこの店が無くなるのは、思いもよらなかった。閉店する理由ははっきりとわからない。立て札に記載はなかった。
先ほど放映されていた『あちこちオードリー』で、タイムリーにも「街から本屋が消えていっている」といった話題が上がっていた。「これは由々しき問題ですよ!」と叫んでいるのを見て、心の中で頷く。
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