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半熟日和

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“未熟で、ままならない日々を書く”。毎日書いている400字以上のnoteをまとめています。現在は土日祝日を除く週日更新です。800本を機に「毎日note」から「半熟日和」にマガジ…
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2024年10月の記事一覧

リングノートづくり

先日、「市谷の杜 本と活字館」へ行き、企画展を楽しんだ話を書きました。じつは同日、ワークショップにも参加していました。「文字と印刷と紙を愉しむ『活版文学帳』をつくろう!」という、リングノートを制作するイベント。 表紙の絵柄・文字を、活版印刷機によって印刷する体験ができます。自分で実際に活字を“拾い”、それを印刷、そして製本する。 表紙の絵柄は近代小説の3作品(①吾輩は猫である②檸檬③銀河鉄道の夜)からインスパイアされたデザインから一つ選びます。そしてその右下には、字数制限

紙の手触り

日曜日に、はじめて『市谷の杜 本と活字館』へ行った。 SNSで、この施設で開催されている企画展『ようこそ魅惑の書籍用紙の世界』(会期:2024年10月19日~2025年2月16日)が素晴らしい、という投稿を見かけたことがきっかけ。 その投稿を見るまで、施設そのものの存在も知らなかった。「市谷」とあって、すぐ市ヶ谷駅が最寄りだろうと想像が付いたけれど、そんなところあったっけ? と不思議だった。学生時代、同駅が最寄りの児童書の出版社でアルバイトをしていた時期があったし、ニアミ

黄色信号

体調が、赤信号間近の黄色信号、という具合だった。急遽休みをもらって、もうだいぶ回復している(と思っている)。また明日次第ではあるのだが。 朝食を食べながら、頭がガンガンする、とぽろっと呟いたら彼が慌てた。あ、しまった、心配させた。反射でそうと思ったけれど、ちょっと気持ちが楽になった。体調が芳しくないと口に出したら、そうだ、良くないんだ、今、とはっきり自覚した。 熱を測った方が良いといわれる。微熱だった。仕事どうしよう、と一瞬悩んだけれど、これからのスケジュールを考えると、

閉店20分前の待ち合わせ

ある日、平日の夜のこと。彼と一度、ファミリーレストランで待ち合わせしたことがある。 互いに残業続きで、夕飯に冷凍食品が続いていた時期だった。別に冷凍食品といえど、美味しいものばかりだし、工夫すれば栄養バランスだって申し分ない。とはいえなんだかもう、それを準備するのも億劫になり始めていた。 ちょっと空気を変えたくて、外食しようという話に。閉店時間が遅めで、気兼ねなく相手を待てる場所が良いなということで、ファミリーレストランに白羽の矢が立った。ロイヤルホストが一番行きやすい場

あとは書くだけ

「えっ、じゃああとは書くだけじゃないですか?」 「行きたいリスト」に入っていた喫茶店に入る。店構えからは想像できなかった店の広さに驚く。奥行きがかなりあって、テーブル席がいくつも目に入る。席数も余裕があった。 好物のオムライスをホットコーヒーとセットで頼むと、ほどなくして運ばれてくる。丸皿に、めいっぱい広がる卵。薄いのに、見事な半熟加減。とろっとしているのが目に見えてわかった。 半熟を見ると連想で、こうやって週日更新しているnoteのことが浮かぶようになった。マガジンの

やる気スイッチな君

昨日は在宅ワークだったのに、けっこう仕事が捗った。とても良いことだ。 ふだんの在宅ワークはどうしても気が散りがちで、ぐぐっと集中することへのむずかしさを覚える。 いつもの在宅と明らかに違うことが一個あった。彼も家にいたのだ。ふたりで暮らし始めてから、在宅ワークの日が被るのははじめてのことだった。 自宅のワークスペースは、5畳ほどの広さ。部屋の真ん中に同じ型番のデスクが2台、向かい合って置いてある。いわゆる「島」のような形で。パッと見ると、大きなダイニングテーブルのようで

米が炊き上がるまで

19時半に炊き上がるように炊飯器をセットしたはずが、スイッチを押し損ねて炊かれていなかった……ということに彼が気づき、米の炊き上がりを再度待つことにした。 スイッチを押し直してから、とりあえず夕飯に予定している白菜と豚生姜焼きの下準備を先に済ませた。台所には、彼が切った白菜の入った白いボウルと、わたしが生姜ダレをつくって和えた豚肉が入った銀色のボウルが置いてある。ボウルの中身を見合いながら、「ぜったいおいしいよ」と2人で言い合った。 あとは、ボウルの中身をそれぞれ炒めるだ

秋バテ

すごく眠い日が続いているな、と思っていた。会社へ行けば、つい同僚に「眠すぎる、どうしよう」とボヤいていた。そのぼやきが数日続いていたものだから、自分で発言しながら「最近やたら口にしている」とどこか他人事のように思っていた。 加えて、夜になるともう眠気の限界、その直前の状態が割と早々にやってきたりもして、普段より早く眠る日も続いた。眠れているのに眠い、という状況に何故か「規則正しい生活を送れていないから?」と訝しんだりしていた。 今日、ニュースで“秋バテ”特集をしていたのを

余白の変化、湧く意欲

意欲がフツフツと湧いている感じがする。 具体的に何の意欲かというと、外へ出ようとする意欲。家に籠ること自体、大好きだけど。何だかそれ以上に、外へ出てみようじゃあないか、という気持ちが強くなっている。 まあ家を出るまではとても面倒くさがってしまうのだけれど、お風呂みたいなものでもある。入って嫌だと思ったことはないのに、入るまでがひどく面倒に思えてしまう、あれ。 要因は何だろうと考えてみると、眠りにつく時間の変化なのではないかと考えている。noteの更新が遅くなってしまった

酔っても勝つ習慣

昨日は会食で一人ひっそりとやらかしてしまった。飲みすぎ食べ過ぎ。食べ過ぎと言ってもコース料理で量は決まっていたわけで。これは仕方ない。 問題はやっぱりお酒だろうか。生ビール、日本酒、焼酎の水割り、レモンサワー。ちゃんと途中で水も頼んだおかげで、帰りの記憶は飛んでいない。前回水を飲まずに帰りの道中の記憶が歯抜けになってしまうという失敗をしてから気を付けている。かなり大事だ。 とはいえ今回は記憶を飛ばすことはなかったものの、気分が悪くなった。基本的に参加者の皆さんと別れて、一

報われないおとぎ話

「絶対アイドル辞めないで」という楽曲が好きで、配信サービスでリリースされてからというもの、ほぼ毎日聴いている。パフォーマンスしているのは、10人組アイドルグループ『=LOVE(イコールラブ)』。 メロディーラインもダンスパフォーマンスも、MVももちろんなのだけれど、何より歌詞が好きだ。 「絶対アイドル辞めないで」は楽曲タイトルの通り、心のどこかで永遠ではないとわかっていても、応援しているアイドルに「アイドル」(という職業)を辞めないでほしい、という気持ちを歌っている。

倉庫型スーパーで、わたしたちは違う生活を送っていると気づく

3連休の間に、コストコへ行った。 母が会員で、彼と3人で向かった。彼が母に会うのは二度目になる。 レンタカーを借りてから母をピックアップするまで、「どうなるんだろう」とほんの少しだけドキドキしていたけれど、母が合流してからはとても穏やかな雰囲気が流れ続けた。勝手にわたしはあっという間に状況に馴染む。 コストコへ行くのは約5カ月ぶり。引っ越す前にいろいろ調達するために家族で行ったのが最後だ。 最後に来たとき、母と私はほとんど一緒に行動していて、新生活に必須のモノ、あったほ

利他のきもち

実のところ、先週までの2~3週間、けっこうぷりぷりと怒っていた。 平日、一日一回(いやそれ以上)、その怒りの原因について吐き出さないとやっていられない、という状態が続いた。「ああ、いまのわたし、ちっとも冷静じゃない」と俯瞰で見る自分がいるのだけれど、そんな自分を押しのけ押しのけ。放出できる場が確保されていたことが、不幸中の幸いだった。 いまは時間もすこし経って、俯瞰の自分が大きい。冷静になると、「なぜあそこまで怒りが続いたのか」と思う。 振り返りも兼ねて同僚と雑談を交わ

喫茶店、どうして好きなのか

「喫茶店が好きです」とよく言うほうだ。Googleマップには都内を中心に気になる喫茶店のピンが立っているし、カメラロールを遡ると、要所要所で店内の様子やコーヒーカップ、ケーキなどの写真が目に入る。昨日も、蔵前にある「喫茶半月」でモカラテを飲みながら、美容院へ行くまでの3、40分ほど時間を潰した。 行くとテンションが上がるのだけれど、なぜ上がるんだろう。「喫茶店」の何に惹かれているのか。よくよく冷静になって思い返してみると、しっかり考えたことはない。「レトロブーム」なんて言わ