ダンジョンメーカーにおけるランチェスターの法則的な何か

モンスターハウス型での攻略を考えるとき、
下記の二つのうち、どちらがより"効率的"なモンスターハウスだろうか?

1. 勇士侵入口からモンスターが待ち構えるタイプ

2. 魔王侵入口から順々にモンスターが待ち構えるタイプ


極端な例ではあるが、絶対に2. 魔王侵入口から…の方が強い。
これが今回の結論である。理由は戦力の分散。これで通じた人は以下読まなくてOK。

具体論に入ろう。
12人同時に勇士が入ってきたとする。
1部屋には3人の勇士しか蓄えられないため、余った勇士は次の部屋へ進む。上側のタイプだとこうなる。

紫の〇を勇士とすると、入り口にトラップされた3人以外は次の部屋に進む。綺麗に三つに分かれたとすると、こういう状態になる。

一方下側のモンスターハウスでは

このように上下の6人は空き部屋(罠だったり機能部屋だったり)に進む。
そして次のターンにさらに枝分かれして

このようになる。

オレンジ色の背景のところはモンスターの数>勇士の数となっており、魔王軍にとって有利な部屋となっている。勇士が適度に分散する部屋の配置にすることで、モンスターが数的に有利な状態が発生しやすくなる。そして、この数的有利の発生が、この形の優位性を示す。

何故優位になるのかを詳細に述べる。
設定の簡略化のために、勇士、モンスターともにHP3,攻撃力1とし、行動速度は同じ。一回殴るとHPが1減るとする。
勇士とモンスターが1体ずつエンカウントすると以下のようになる。

青いほうがモンスター、紫が勇士。
3ターンで互いのHPを空にするような殴り合いが発生し、
そして誰もいなくなる。


以降、モンスターは常に3体、HPマックスの状態で新鮮な勇士がやってくると仮定した図となる。

勇士が一人の場合、3対1の袋叩きが始まる。結果次のターンにこうなる。

モンスターのうち1体のHPが1削れるが、相手は消える。
つまり、一人ずつ来る勇士というのは火に飛び込む夏の虫である。

勇士が二人になるとどうだろう?

こういう状態である。

この場合は、モンスター側が2種類、勇士側が2種類の4パターン考えられる。

攻撃が一人に集中したパターン。先述した勇士が一人のパターンになるので、次のターンで勇士側の壊滅が確定する。

攻撃がばらけたパターン。頭数の差は3対2のままであるが、
次のターンのモンスターの攻撃3で、勇士は殲滅される。
モンスター側が絶対的に優位なのがわかるだろう。

では、3対3では?



状況が煩雑になるので、まずは勇士の至る状況を考えてみよう。

すると、この三パターンに収束するのがわかる。

・攻撃が一人に集中する
・一人が2回被弾かつ一人が無傷
・全員にばらける

の3パターンである

これはモンスター側でも同様に起こる。
よって、状況は大きく分けて3パターンになる。

1. モンスターが優位な場合。
トータルのHPではどちらも6対6だが、攻撃力は3対2となっており、
モンスター側の方が頭数が多く優位となる。


2. 形勢が傾かない場合。
どちらも一人も欠けていない状態、もしくはどちらも一人脱落する場合。
次のターンでの攻撃のばらけ方でどちらが優勢か決まる。


3.モンスターが劣勢の場合。
次の次のターン、モンスター部屋はメキシコの砂漠のようになるだろう。


このように、3対3は状況次第でひっくり返りうる極めて危険な状態といえる。逆に、モンスターの頭数が多い状態を作れれば戦況はそうそう簡単にひっくり返らない。
戦力の頭数に依存して戦闘状況が推移していくこのような傾向を総称してランチェスターの(第2)法則という。

モンスターハウス型の考察において、
"魔王部屋の手前、およびその前後左右はかなり勇士の密度が低く、ここに大乱闘を置くことで5:1という古の不良でもおじけづくような好条件で勇士をタコ殴りにできます"
と書いているのはつまりこういうことで、侵入率が低いということは、タコ殴りにできる時間が長いということである。
ダンジョン前半を闇-恐怖で埋めるのもモンスターを失わない為の方策の一つとなる。誘惑が出てきたら誘惑にしていこうね。

数的有利が生じる環境を作れるダンジョン主はモンスターハウス型への適性があるといってよい。
特に序盤の立ち上がりに置いてこれが出来るのと出来ないのとでは攻略難易度に雲泥の差がでる。意識して配置していきたい。

また、最初に述べたが、"勇士の分散"あるいは真逆である"飽和"こそがモンスターハウス型の攻略の要点となる。このあたりは次回以降でまた(闇-恐怖は罠を置かないモンスターハウス型でのみ輝くため強さが伝わりにくい)。

締め方がわからんからこの辺で終わり!最近D+560達成したらゴールでいいんじゃないかなって気がしてきた(罠型出来ない人間の戯言)

面白かったら投げ銭お願いしまーす! 投げられたら投げ返す主義です