片道28時間の国内旅行をした話【出港編】
花粉で毎日ズタボロにされてます。ざきです。
これだから春は苦手です。花粉さえなければ……今年も長い戦いになりそうです。
コロナ禍でなかなか旅行が難しい昨今、私の旅行欲は高まる一方です。皆さんはいかがでしょうか?今回は数年前の旅行の話。過去の旅行話をすることで、多少は気が紛れるのではないかという苦肉の策です。当時の写真多めでお送りします。書いてると長くなるので、いくつかに分けて投稿します。今日は出港から上陸まで。
どこへ行った?
時は遡ること2017年1月。当時大学4回生の私は、折角だし"なかなか行けないような場所"を卒業旅行先にしたいと考えましたが、ピッタリの場所がなんと日本の東京にありました。それが東洋のガラパゴスこと小笠原諸島です。
▽小笠原諸島へのアクセス
・東京都心から約1000km離れている。
・空港がなく、アクセスは船の定期便のみ(竹芝↔小笠原)。
・船で片道24時間。かつ船も基本週に1便のみ
→往復船中2泊+現地3泊の5泊6日が基本コース
大阪に住んでいる私が小笠原諸島に行こうとすると、
【大阪】〜新幹線〜【東京】〜【竹芝】〜船〜【小笠原諸島】
という行程となり、小笠原に着くまでおよそ28時間程度かかります。大阪から東京・竹芝までざっくり4時間、船で24時間…。
これが国内旅行ですよ、めっちゃ遠くてめっちゃ良くないですか?どの旅行でもそうなんですが、私は移動時間も旅行の楽しさだと思うので、面白そうという気持ちでいっぱい。あと飛行機よりは船内広いですし、飛行機に比べれば身体的にも楽なのと、なにより船旅への憧れ…。
あと小笠原は、ダイビングのライセンスを大学2回生に取得した時からずっと行きたい場所のひとつ。行くならこのタイミングしかないと、即決でした。
小笠原諸島、すごいぞ
小笠原諸島は誕生以来、一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島であるため、多くの固有種・希少種が生息・生育し、特異な島しょ生態系を形成しています。そのことが評価され、平成23(2011)年には世界自然遺産に登録されるなど、世界的にも貴重でかけがえのない自然の宝庫となっています。
(引用:小笠原村公式サイト)
世界自然遺産の小笠原。ちょうど私が行った3月はザトウクジラの来遊シーズン。しかも遭遇率は90%!そして野生イルカと一緒に泳げる「ドルフィンスイム」もできるとのこと。調べれば調べるほど行きたい気持ちが高ぶる…。
そんな小笠原に行く事をダメ元で誘ったものの想像よりもノリノリで参加してくれた同期のO氏とR氏、その節は本当にありがとうございました。
しかも学生最後の足掻きとして、我々は3月25日〜3月30日の便で小笠原へ向かう事としました。4月の頭に入社式を控えているのに……。舐めプか?
費用の話を先にすると、学生旅行のパックで往復の船賃・現地の宿泊代で1人あたり9万円弱だった記憶。それに現地のツアー代や東京までの交通費、食費、各種レンタル代などで大体14万程度かかったような気がします。頑張ってバイトして貯金してました。
船!乗るぞ!
早朝大阪から新幹線で品川に向かい、浜松町を目指しました。そこから徒歩で竹芝の客船ターミナルへ。意外と近いですね。ここからが長い。
空港や夜行バス等のターミナルへ向かう時ってわくわくしません?大きな荷物を持った人達がわらわらと集まる非日常的な空間。これからどっか遠い所行くぞ!って実感が湧く場所だと感じます。今回は空港やバスのターミナルではなく港へ向かうというのも、新鮮でテンション上がりました。しかも天気めっちゃ良い。
ターミナル内の旅行会社の窓口で受付をした後、搭乗券を持っていざ乗船。客船の名前はおがさわら丸です。旅行会社の人に"おが丸"って呼ばれてました。可愛い。客船なだけあって、やっぱりそこそこ大きいですね。この記事のトップに載せている写真がおがさわら丸です。
ここからは当時の写真をもりもり使いながら振り返ります!
植物の種を小笠原に運ばないよう、マットで靴の裏をゴシゴシと擦ってから乗船。とりあえず部屋に荷物を置きに行きました。ツアーパックでの元々の部屋は2等和室。所謂雑魚寝の部屋でしたが、片道プラス2000円ちょいで2等寝台へグレードアップさせました。この選択は正解だったな〜。
2等寝台は2段ベッドで4人の相部屋。
カーテンを閉めればプライベートスペースが確保できるので想像以上に居心地良かったです。廊下の両サイドにこの部屋があるので、廊下の人の気配はしますが…。雑魚寝よりも断然自由で快適に過ごせました。
私は2段ベットの下段で上段に友人。向かいに友人。その上は空室だったのでラッキー!
部屋の中はこんな感じ。天井も思ってたよりは高かったです。
薄手の布団と枕(+枕カバー)と、部屋の中にはライトとハンガーと折りたたみ式の小さな棚がありました。しかもコンセントも個室内にあるので電源の心配もなし。
私自身狭い場所でも苦にならない・どこでも寝れるタイプなので、無事爆睡してました。狭いと言っても寝転がって足元に荷物を置けるぐらいには余裕ありました。
2等寝台の次のランクが特2等寝台。基本の形は2等寝台と同じですが、4人部屋が2人部屋になり、部屋の中にはテレビもあるそう。あとベッドももっと良いやつ。それより上のランクは個室になります。いつかは個室に泊まってみたいな〜
バックパッカーっぽい人やスキューバの荷物を持った人、家族連れや老夫婦など、様々な客層。客数も多く、船内は結構賑わってました。
船内はどの施設も凄い綺麗で、その辺りの不満点は特に無かったです。
いざ出港
午前11時に竹芝出港。次の日の午前11時に父島着の予定です。この日はめっちゃ天気良かったなぁ。お台場を眺めつつ進みます。フジテレビの建物初めて見た。
橋の下をくぐってる時の写真。この橋はなんて橋だろう?当日は風も落ち着いていて波も無く、穏やかな船旅だなぁと思っていました。この時までは………………。
寿司 is 美味い
出航からひと段落した後は友人らと船内探検。船内設備はレストランやラウンジ、スカイデッキなどなど。客室そばの廊下にはテレビが置いてあり、映画が流れてた時間もありました。そばにリモコンが置いてあるので、電波が届く湾内では自由にチャンネルを変えて観てる人も。
船内を探索し終えてお昼ご飯。伊豆大島名物?の「島島弁当」を乗船前のターミナルで買いました。べっこう寿司のお弁当です。パッケージのデザインが縞々で、形も船っぽくて可愛い。
中はこんな感じ。白身魚(多分鯛)の青唐辛子醤油漬けを梅胡麻酢飯に乗せて、伊豆大島名物のアシタバが巻かれてます。これ美味しかったー!魚にオリーブオイルが塗ってあって、少し生ハムっぽさがあって美味しかったです。唐辛子が入ってるから少しピリ辛で、甘めの酢飯と良く合う。アシタバは初めて食べましたが、なんだろう?薄くてパリッとした感じの葉っぱ…苦くなくてクセもなく、食べやすかった記憶。また食べたいな〜
酔い止め、服用、ゼッタイ
出航して数時間もすると電波が繋がらなくなりました。そして揺れ始める船内……。ロビーにある、現在地を表すモニターを見ていると東京湾を出て太平洋沖に出ているようでした。
友人と海の様子を見に外に出てみると…
うわ!!!!風つよ!!!!!
あんなに穏やかだった海が沖に出ると一変。白波が立ち、天気も悪く…そして風がめちゃくちゃ強い!!デッキにいると波飛沫がシャワー状態だったのですぐに船内に戻りました。
そうこうしているとどんどん揺れが強くなり、たまに手すりを持たないと歩けないぐらいまで大きく揺れ始めました。よろよろと船内を歩く人ばかり。船の揺れってフワフワしてて凄い不思議な感覚になります。地面を踏みしめる感覚が無いような。事前にアネロン(酔い止め)を飲んでて良かった…
一方友人R氏は薬を持ってくるのを忘れ、船内のレストランで晩ご飯を食べている時ぐらいから船酔いにより顔面蒼白。かなりしんどそうで、その後部屋から暫く出てきませんでした。
船内の様々な場所に配置されているエチケット袋。なんでこの写真を撮ってるんだ私は。部屋に帰る道中、小走りでこの袋を持ってトイレに駆け込んだ小さい男の子も見かけました。
酔い止めというドーピングによりピンピンしている私とO氏は、R氏が持ってきたDVDプレイヤーでロード・オブ・ザ・リングを鑑賞。あんまり内容の記憶が無いです。3時間ぐらいあったのは覚えてます。他に持ってきてたワイスピを観て、船内のシャワーを浴び、就寝。シャワー室も綺麗で24時間使えるのですが、シャワー室のドライヤーの風が弱い!まじで微風。そよ風。外の方が風強い。髪を乾かしきるのに凄い時間がかかってしまいました。
余談ですが、R氏が持参したDVDのラインナップに「タイタニック」が入っていたのは完全に悪意があって笑いました。帰りの船で観ました。
行きの船は探検だとかで、意外とすぐに時間が過ぎましたね。気付いたら夜。夜中一度デッキに出て星を見ようと思いましたが、生憎の曇り空で断念……。ドキドキしながら乗り込んだ船でしたが、快適で楽しく過ごせて万々歳です。でも酔い止めは必須だと心から思いました。皆も絶対持っていこうな。
その他船の様子が分かる動画載せときます。おがじろう船長可愛くて推せますね…。
着いたぞ!小笠原!
目が覚めたら明け方。日の出を見たかったのですが爆睡してて叶わず。どの道雲で見えなかったでしょう(きっと)。朝ごはんを食べて、荷物を片付けてデッキに出ると、24時間ぶりに陸を見ました。小笠原だ!!!やっとだ!!!朝になると天気も船酔いのR氏も回復してて良かった。
ゴツゴツとした岩肌の、コンパクトな島。淡路島の1/5ぐらいの面積だったかな?
そしてなによりもこの時点で海が綺麗なのが分かりました。はやく泳ぎてえ〜!船からイルカを見かけた人もいたそうです。
ちゃちゃっと上陸。24時間も船に乗ってると、船の揺れの感覚が足に残って暫く変な感じでした。陸なのに船に乗ってるみたいな。
ここからは島で3泊4日を過ごし、帰りの船で1泊。今日はここまで!上陸してからの4日間はまた後日書きます。この4日間も色々ありました。当時の写真を見返しながら書いているので、今の時点でかなり小笠原行きたくなってます。あーー!海行きたい!!!
▽おまけ
出航してから4時間ぐらい経ったのに、船のコンテナの上にいた鳩(中央やや右下)。多分竹芝からずっと船に乗ってる。島に着く前にはいなくなってたのですが、無事帰れたのかな?
つづく
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