包み込んでいたものたち

ただ蔓延する光が、人々を突き刺していた
交差点、いつもと変わらないような街
信号機が点滅して、ランドセルを揺らした稚い小学生がいた。

もう誰でもない私たちは

いつか歩いたことを、思い出せなくなってしまったのは

上を見ればあった星が
ずっと儚くなってしまったから

消滅と生成をくりかえして、
いつか変化を止める時には
私たちはもう居ないのだろうかと

砂糖菓子ばかり噛み砕いて
弱々しい力で抵抗していた
赤子の泣き声のように
また何度も、同じ言葉を繰り返した

包まれることを望んでいた、もの

「どうしてみんな、最後にあなたに願うの。」

もう問わなくてよいと、私は念じた
干からびた多肉植物

卵から孵ったものたち

しゃぼんのように高く飛んで、
明日など、なくていいと高く飛んで、消えた。

包み込んでいたもの

缶詰の中には甘さが詰まっていた
宇宙人は信号を守らなかった

包み込んでいた、ものたち

私たちは、放り込まれていた
それは外へ出たとき、放たれた
丸く落ちた7つの光は
いつかの記憶と交差した

包み込んでいて
甘い心と冷たい雪が降り積もったうた。





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