先手右玉vs52金型①
右玉に対して地下鉄は最善の構想か?
以前は右玉に対して、以下のような対策を使っていた。
中住まいに組みなおして、地下鉄飛車で端攻めをするやつ。しかし、これは右玉党は対策済みであることが多い。56角が用意の反撃。
この形に組むには、42銀~43銀~33桂という組み方をするため、
24歩から一歩交換される
手数がかかる
桂を跳ねなければいけない
その弊害をつくのが、この56角である。実戦的にこれは相当勝ちづらく、最初は勝率もよかったが全然勝てなくなった。
この戦型においてバランスは正義か?
58金型vs62金型というマッチアップは、62金型の方が良いというのが最近の常識である。それは、角の打ち込みに気を付けなければいけない角換わりにおいて、62金型の方がバランスがいいからだ。
しかし、バランスが抜群に良い右玉に対して、こちらもバランスを主張することは本当に正しいのか?
(なんか、ここら辺を将棋とは関係ない例え話でズバッと説明できたらいいのだが…。思いつかなかった。)
具体的に説明してみよう。先手の右玉に対して、後手もバランスよく構えて対抗している。
しかし、82歩が隙を突いた一手。
こんな感じで、バランス重視で組んでも、意外と隙を突かれている。
余談になるが、上の局面で82歩が成立するかどうかは、9筋の端歩がすごく重要。89飛に65歩~93角という反撃があるからだ。
この端歩があるだけで先手良しか後手良しかが変わるから、序盤は繊細である。
話を戻すと、バランスがとてもいい右玉にバランスで対抗しようとしても、リードは奪えないんじゃないかと考えた。それだったら、52金型にしたり、31玉と深く囲う選択が意外に正しかったりするんじゃないかと。
結局、52金型か、62金型か?
52金型がいいか62金型がいいか、ソフトで検討してより評価値のいい方を選べばいいという話になりそうだが、そんな簡単な話ではない。
このように、ソフトは右玉にしてくれない。右玉にしても評価値は全然落ちないのだが(数十振れるだけ)、これではあてにならない。こういう時は、56歩や38玉、66銀という右玉らしい手を指させて、その評価値で決めるといったことが大切である。
また、問題はそれだけではない。右玉は66歩という手をよく推奨するからだ。
ソフトは先手でも千日手を狙うために、こういう指し方を選んでいると思われる。実戦で指されるのも大体66銀なので、それに合う指し方をする方がいいだろう。
問題はまだある。局面位置から62金56歩の次の候補手が52金だったり、もう訳が分からない。
このように、右玉の序盤問題は、僕らが思っているより難しそうだ。
ということで、結局どうするのがいいかというと、52金型で堅さという主張をつくることが重要だと思う。
以下、56歩31玉を基本図とする
ここからの指し方は次回以降。
まとめ
右玉には52金~31玉と深く囲う。できれば22玉まで。玉が深いことのメリットは、次回以降で感じて頂けたらと思う。
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