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蕾がいつか花開くように夢は叶うもの

最近話題になっているものと言えば、なんと言ってもポケモンの最新作である。

僕が小学4年生の頃に遊んだ作品が15年越しにリメイクされるとのことで、久しくポケモンのゲームから離れ、Switchすら買っていなかった僕もこの週末についに買ってプレイすることにした。

その中で、一つ心に残る出来事があったのでここに綴ることにしたい。

当時僕が好きだったポケモンに「ロズレイド」というポケモンがいる。
花の形をした、特殊攻撃力が高い草タイプのポケモンで、攻撃技「マジカルリーフ」や「ギガドレイン」でじめんタイプ使いの四天王を一匹で壊滅させる爽快さは今でも覚えている。

ポケモンは、レベルが上がるとより強力なポケモンに「進化」する仕組みになっている。
「ロズレイド」は、「ロゼリア」というポケモンの進化系なのだが、「ロゼリア」の進化前には、「スボミー」という蕾ポケモンがいる。(スボミー→ロゼリア→ロズレイドの順に進化する)

ノスタルジーに駆られた僕は、当然冒険の序盤でスボミーをゲットし、旅の手持ちポケモン(通称 旅パ)に加え一緒に旅をすることにした。

他の旅パのポケモンがレベル15近くで進化するのに対し、スボミーは進化方法が特殊であり、進化のタイミングが遅い。
さらに、攻撃技は威力の低い「すいとる」だけだ。
他の旅パポケモン達が次々進化していく中で、
中々進化しないスボミーは、次第に周りについていけなくなっていった。

そんなタイミングで登場したのが、昔の作品のときにはなかった新要素「地下大洞窟」だ。

地下大洞窟では、ストーリーの進行に比べて明らかにレベルの高い野生ポケモンに出会うことができた。
中には、進化系のポケモンも出現し、かのスボミーの進化系「ロゼリア」とも出会うことができた。

地下大洞窟のロゼリアは、僕の旅パよりもレベルがはるかに高く、あの強力な技「マジカルリーフ」を覚えていた。

僕はロゼリアをゲットしようとしたのだが、強力な「マジカルリーフ」で旅パを壊滅させられ、ゲットを断念して逃げ出すことになってしまった。

旅の最初から天塩にかけて育ててきたポケモン達よりも明らかに強いポケモンが野生で出てきたことに僕は動揺し、ロゼリアをなんとかゲットしスボミーを見限ることも頭をよぎった。

だが、そんなのなんか悔しいではないか。

僕は冒険のストーリー進行を一旦放棄し、敢えてレベルの高い地下大洞窟の野生ポケモンと戦うことで
スボミーの修行を行うことにした。

修行相手に選んだのは「トリトドン」というポケモン。
草技を大の苦手とするが、ラスボスのチャンピオンも使う進化ポケモンだ。
(そもそもそんなレベルの野生ポケモンがこの段階で出るのがおかしい)

弱点を突いてもスボミーの「すいとる」では力不足で、何度も返り討ちに遭いながらも、レベル上げをしていった。

そしてついに、地下大洞窟の野生ポケモンのレベルを超えた頃、スボミーはロゼリアに進化し、強力な技「ギガドレイン」を習得した。

ロゼリアはギガドレイン一発でトリトドンを倒せるようになり、その後の旅でも猛威を振るう大活躍をしてくるようになった。
そこにはもう、あの出遅れたスボミーの姿はない。

ゲームの話から急に現実の話になってしまうが、
僕達の人生でも、スボミーの時期は存在すると思う。

そこで敢えて厳しい環境に身を置き、高いハードルを設定し、返り討ちに遭いながらも経験値を積み重ね、レベルアップする。

そして、ある日進化し、これまでのハードルをもろともしないパフォーマンスを出せるようになる。

ポケモンを遊びながら、こんなことに気付かされるとは思わなかった。

僕はこれから自分の力不足に直面したときや挫折したときに、こう心のなかで唱えようと思う。

今の自分はスボミー、この試練はトリトドン。
経験値を積み重ね進化したら、一撃で倒せるようになるよ。

PS:その後相棒はロズレイドに進化し、15年前同様四天王をギガドレインで壊滅させてくれました。

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