"Flashback" -遠い約束-
あの日、風の中で
未来の自分と交わした約束を、覚えているか
全てが眩しかった
初めて手に入れたバイクに跨って 無限の力と可能性を手に入れたような
なんの裏付けもない希望と錯覚に、 胸躍らせていた青き日
いつからだろう
打ちのめされ、裏切られ、 己の未熟さを思い知らされ
気づかぬうちに、風を避けるようになったのは…
それなりに居心地の良い、澱んだ流れの中へ
この身を預けるようになったのは…
あの頃、
欲しいものはすべて、 眩しい風の中にあった
手を伸ばせば届きそうな、
可能性という向かい風のすぐ先で、 光り輝いていた
眠れない夜、
ずっと蓋をしてきたまま、 誤魔化し続けてきたあの記憶が、躍動が、
忘れかけていた遠い日の約束が、
フラッシュバックで、もどかしく蘇る
ユメ?理想?野望?
退屈なオトナにだけはなりたくなかった?
とっくに気づいているはずだ
叶えられたものなど、何一つないことを。
走り出せ、いま再び、あの向かい風の先へ
取り戻しに行け、風が吹き止むその前に
使い古された台詞で語れば、 いくら積んでも買い戻せない
無造作に路肩へ置き去りにしてきた、
かつて、自分が一番大事にしていたものを。
いま居るぬるい車列から、 抜け出す覚悟はできたか
情熱の消費期限は、
あと僅かだ
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