青い海、ココナツの香り…全国大会第三戦 活力仲夏
第一戦で34人から15人へ…その時ですら早くも仲間との別れに残された兄弟たちは苦しんだ。
そして更に一週間
15人の中から5人が排除され
二度目の別れの中で残った選手たちは
この"戦い"の意味と意義、自分のチャレンジ精神、自分のこれから、自分の責務、自分の資質、自分の心について始終自問自答せねばならないことを知った。
去らねばならなかった仲間と自分は何が違う?
自分は淘汰された仲間よりも本当に優れたものを持っているのだろうか?
参加を決めたときはこんなに過酷でつらい思いを覚え、自分以外の誰かをこれほどに大切に思うとは考えもしなかった。上位入賞者は上海いちのエンタメ会社、SMG(上海メディアグループ。スポンサーである東方衛視をはじめ凡ゆるメディアを有する)と契約できる、芸能界への扉が開かれるというもんくに惹かれて応募しただけだったのだ。
誰もが"途中でやめたい"気持ちを覚えた
しかし、ーーーしかしなのだ。
ここまで来たのだ、不本意ながら去らねばならなかった"仲間"のためにも行けるところまで自分の全力を尽くそう。例え落とされたとしても、自分が劣ったわけではなく
残った仲間の方が優れているわけではない。これは『自身の向上心の挑戦』なのだ"
という結論を出した。
別れのその時まで
心置きなく仲間との時間を大切にしよう。
別れのその時まで
決して諦めないと誓おうーーー
『好男儿』らの顔から涙は消え
弾ける笑顔が溢れた
大好きな仲間たち
全国から集い
神さまの振ったダイスによって友誼を交える機会を持った
生涯の友との触れ合いを
かけがえのない学びのときを
一緒にーーー
三亜へ
選手らは第三戦用のVTRを撮るために飛行機で海南省三亜の海岸へ
珊瑚が積もる白い浜辺
炎天下の下でダンスの練習やヨット、カヌー、モーターボート、ビーチバレーをした。
十強の選手ら。数万人の中からたったの10人になった彼ら。"特別な何か"を感じながらの淘汰ゲーム、ここまで来たら誰が最後まで残るか、己の最善を尽くすのみ。
若いとはいえそれぞれに体力の限界、慣れないダンスと歌の訓練(選手らはそれぞれプロからボイストレーニングも受けていた)、睡眠不足と緊張と不安の連続で発熱する選手が続出した
体調が悪いなか撮られたこれらの映像と試合ーーー
馬天宇と暁晨
ビーチボールで遊んでいた天宇だったが
暁晨を見つけ突進!
ワーイとそのボートによじ登ったために
二人一緒に転覆!
哀れ暁晨のポケットの携帯(当時はスマホではなくガラケー)はお亡くなりに。
向鼎をみんなで埋めちゃおう
小柄で華奢すぎる向鼎はみんなのおもちゃ。
誰かしらいつも彼を抱いている。
小柄と言っても向鼎は178㎝。皆がデカいのだ。
65㎏のその軽い体を胴上げしたのち
穴を掘っていたら天宇が向鼎の両手を引っ張ったので
非力な向鼎は穴へ転げ落ちた
その体を押さえつけすかさず埋め始めた他のメンバーの早業笑
ひどいよー埋めないで
と訴えながらされるがままになっている向鼎の奥床しさ
怡川に踏みつけられ
ちょっと!臭い脚でやめろよな、と抗議笑
みんなに可愛がられている様子が伝わってくる
この間の魏斌とのバースデーケーキの投げつけ合いもだが
意外に暁晨がこういった"おふざけ"に嬉々として参加している
忘れかけた"天真爛漫"が蘇ったのだろうか
第一戦の夜はめを外しすぎてシャワールームで転倒し爪先に大怪我を負った魏斌は最初だけ練習に参加したものの
砂の上に裸足、ということもあり見学。
励む皆のすがたを見ながら
ダンスの先生に言われ、怪我した脚を覆うかのように砂をかけてゆく
悔しさが垣間見える。
こうやって楽しく皆と過ごしていても
次に去るのは自分かもしれないーーー
ビートルズの"From Me to You"に乗って"青春ビーチバレー"
さあ!弾ける若さと汗光る夏のビーチを表現しよう!第三戦!"活力仲夏"!!
第三戦本番
まずは選手全員による群舞。元気にリズムに乗って各自海やプールにまつわるアイテムを手に持ちながらアピール!
暁晨はビート板笑
でも一人だけ青ジャージで見つけ易いぞ!
なぜ毎度ダンスしなければならないのか分からないが笑
着替えのシルエットでどれが暁晨か分かります
ぐるぐる〜🌀🌀🌀決まった!
選手それぞれのコーナー
全国大会第三戦になり、選手は34人からベスト10にまで減った。ここから更に個人戦の意味合いが強くなり、冒頭に選手の所感や抱負を交えたプロモーションVTRが作られるように。
字幕がついていないため何と言っているか全くわからない私はとても悲しいキモチ
中国語が分かる方、ぜひ教えて下さい。
本番。ファンのあいだを練り歩きながら歌う。
恋人への甘い言葉を囁きながら
"我愛你"のあと私たちは暁晨を指し"我愛你"と呟く
この時の映像の弾幕を見ると、ファンたちが相手の女の子に対して"いいなあ""羨ましい"と呟いているのが微笑ましい。ワンピースがすてき。
勿論事前にリハーサルをし、演出や振付は指導を受けているが、暁晨は雑誌の撮影で女の子と絡むものを多数撮っている。どんな雰囲気を醸し、どんな風に見せればよいかを心得ていると思っていい。
第1次審査結果
10人が歌い終わり、ここまでの電話投票の集計結果で振り分けされる。
1位は宋暁波、巫迪文が続き、魏斌の名が呼ばれたところで3人は第三戦での残留が決まる。
次いで最下位だった陳澤宇が保留組としてまず呼ばれ、脇に。澤宇も含めた7人は第2次審査へ。
"小品表演"というこの審査では、お題の書かれたカードを引き、そのシチュエーションをどのように対処するか、プロの俳優を相手にアドリブで演技するものだ。
何というハードルの高さ。
暁晨のお題は
"ミルクティーを販売しているおばさんから買ったら明らかに量をケチられた。さあどうするか"というもの。
丁々発止切り返してくるプロを相手に演技をしながらどうやって紳士らしく振る舞いつつ切り抜けるか、その頭の回転の速さ、選手の品性、表現力がこれで一目で分かる。
第2次審査
そして再び審査である
審査員の評価で最下位から三名が残され、下から二人は今度は会場にいる美女審査団という名の女性たちから"希望"という名のネックレスを首にかけられ、その数が多かった方が勝ちだ。
暁晨はこれに当たってしまった
相手は向鼎である。
選手らにはそれぞれ熱狂親衛隊がいる。
脱落を宣言する審査員も背後からのプレッシャーに耐えながらで、ネックレスをかける女性も会場を揺るがすファンらのコールを背に受けながらどちらかにかけてゆく
恨みっこなしとはいえ、後が怖そう
舞台上の暁晨らは笑顔をキープしながら
追い越し追い越されをやり過ごす
結果は暁晨に。
残された向鼎と陳澤宇はそれぞれ再び歌をその場でもう一曲歌うのだが、ワンフレーズアカペラで聴いた後即座に調性を判断してアドリブで伴奏をつけるプレイヤーがすごい。
歌い手が音感のない素人のため、弾いてもすぐ反応し合わせるというスキルがない場合非常に難しいことだ。
二人が歌い終わり、CMを挟む間最後の票がそれぞれに募られる。
CM明け、票の少なかった方の迫が降りてゆく。
向鼎はてっきり自分が淘汰される方だと思っていたため目を瞑った。しかし音楽がかかり、気づくと澤宇が手を振っていたのだ。
そんなばかなーーー
澤宇が落ちる?自分でなく?
その瞬間向鼎は言いようのない悲しみに襲われた。
自分が残った安堵などなかった。
澤宇は終始笑顔で、涙を堪えているのが分かっていても、どこまでもいつもの穏やかな笑顔だった
司会の陳辰は図らずも淘汰ステージに入った時から、どの選手がその運命になろうと辛そうだった
澤宇に決定したときも号泣してしまった
地方予選から二か月、どんなに選手たちが一人一人純粋で直向きで善い子かを知っている
みんながいつしかファミリーのようになって
誰が去っても身を削がれる思い
明らかな排除の理由も分からぬままーーー
ベスト10最初の淘汰者となった陳澤宇
彼は元国体のバドミントン選手だったが故障のため引退、この頃はコーチをしていた。
同じ杭州の呉建飛は、地方予選大会の受付に並んでいたら息せき切った長身のすごいハンサムが駅から駆けてきた。
その彼と全国大会に出、親友となるとはーーー
暁晨はこの夜澤宇と夕食を共にした
澤宇はまるで何事もなかったかのように全くいつも通りの笑顔、いつも通りの落ち着きようだった
そのことが大変に感慨深かったという
鍾凱の潔さ
澤宇の穏やかさーーー
これぞ"いい男"だと。
陳澤宇
離脱ーーー