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張暁晨の軌跡〜出演作全記録Part4(2015)

2015年、暁晨は更なる飛躍を遂げんと、陳坤の芸能事務所へと移籍した。
演技への研鑽を並々ならぬ情熱を持っている陳坤は、自分だけでなく後進の育成にも力を入れており、養成所と研修施設を兼ねた場所を創った(研修施設が完成したのは2017年)。

陳坤
共同創設者の周迅、陳国富
建物は芸能事務所も含む
創設した陳坤らの言葉が書かれたボードが、中庭の壁に並ぶ

中庭には、"我々の本来の目的は、パフォーマンスを追求するだけではなく、常に学び、吸収する姿勢で自分自身を見つけ、本当になりたい自分になることだ"という陳坤の言葉が掲げられている。

暁晨は、ここならば、思う存分、演技だけに集中できると感じた。
演技に対する考え方、目指す人間のかたちが、暁晨と完全に一致していたのである。
ずっと心酔していた陳坤の元で、互いに高め合いながら、演技ができるーーー
こんな幸せが、叶ってよいのだろうか?

きちんとした専門学府で、演技の基礎を学ぶ機会がなく、現場の叩き上げで、頼るのはその場のスタッフ、あとは自身だけだった暁晨にとって、夢のような環境だった。
そして、"棲む場所"も、この瞬間に、変わることとなった。

劇団でもあるまいが、同じメンバーで、作品ごとに役割を回し、セットすら組めず、衣装も形だけだったような世界。
そこから、いっそ残酷に感じるほど、がらりと何もかもが異う"世界"へと、暁晨は"上がる"ことができたのだ。

3月7日"第五届明星公民領奨盛典"
久方ぶりの赤絨毯。

《三国志趙雲伝》
撮影期間 2015年4月3日〜6月18日
2016年4月30日播出
馬超役

移籍一作目は、林更新主演の三国志もの。
当時、中国では俄に進出してきた韓国の歌手や俳優を取り立て、話題と注目を招ぼうという動きがあった。
本作も、ヒロインに少女時代のユナ、男主二にJohn-hoonを据えた。
そのため、大掛かりな制作記者会見も行われ、暁晨も参加。また、制作後、発布会も海報も(キャラクター毎に作られるポスター)あった。
どちらも、以前ならば考えられなかった。

一番左は巫迪文
発布会にて

登場シーンからワクワク!
暁晨が出た瞬間、まるで別の作品に感じる。
今までにない軽口、くるくる表情が変わる明るさ。

隋唐シリーズで鳴らした決闘シーン。
すぐ前のあの、対人恐怖症の林泰と同一人物とはとても思えない
しかし、その時その時は評価されても、なかなか繋がって"あの張暁晨が"となれないのだった。

吹き替え無しの乗馬シーン、手綱を持つ美しい手捌き、駆け抜けてゆく雄々しさ、

愛する人に向ける優しい眼差し、

裏切り者には震え上がらんばかりの冷たさ、

馬超はまさしく、表の場所で演じた暁晨の、最後の武将だった。

4月14日
番組広報のために出演した《大牌対王牌》
人気バラエティ番組。ドラマの主な出演者たちが、大国と王国に分かれ、ゲームなどで競う。

六年後、暁晨は重慶の仕事のさい、孔子廟に寄り、馬超を紹介してくれている。

2025年現在、Youtubeで見られるようです。

《皇帝の恋》
撮影期間 2015年4月13日〜7月22日
2016年2月1日播出
長慶役

来ました、やっと!
この役こそ、私が張暁晨という稀有な俳優に出会った記念すべき作品だ。

ポスター用定粧写真

長慶は、康熙帝の御代の宮廷に仕える、最下層の使用人(宦官)だ。
しかし、長慶はホンタイジの娘を母に、父に親王(察哈爾。奇しくも、暁晨の生まれ故郷。の皇帝であったが康熙帝に帰順)を持つ皇族の次子だった。
なぜ、そんな彼が宦官に身を落としていたのかーーー

長慶の父阿布鼐が起こした謀叛の史実を元に、妹を康熙帝の妃、衛氏として、描いた。
しかしあくまでも私は、暁晨の演じた長慶に心奪われながら、視聴した。

配音は、《盗墓筆記》でも暁晨を担当して下さった、張傑。中国配音界の今やスター配音演員さんだ

長慶は8年、1人で修羅のように生きてきた。
ある日、死に別れた妹を思い出させる、無邪気な女官と出会う。
彼女は、長慶にとって何ものにも替え難い存在となってゆく。

しかし、彼女も長慶を愛したとき、長慶は苦しむ。
宦官である自分は彼女を娶り幸せにできない。
彼女との幸せな日々よりも、復讐を果たさねばならず、復讐を遂げようと思うなら、彼女と別れねばならぬ。
そのような境遇にしたのは皇帝だ。だから復讐する。けれども、、、という堂々巡りの地獄。

また、長慶が野望を果たさんと画策し、最下層の太監から掌事太監、皇太后つき太監、そして最終的に皇帝つきの太監へと、出世してゆくのも見どころだ。
随所に、細やかな張暁晨の美しい所作を堪能できる。

私の大切な役、長慶兄さまーーー
特別であり、もう滅多に見られないため、たくさんご紹介させていただいた。

脚本。配音であろうと、徹底的に読み込む

実際に髪を剃りスキンヘッドにし、そこに辮髪を貼り、三つ編みというよりは、フィッシュボーンのように編む。暁晨は、もう馬超のときにはスキンヘッドにしていた。

8月21日
雑誌取材

30日

《行走的力量》
シャングリラの最高標高4300mもの高地も含んだ行程を縦走。
陳坤殿下が2010年から始めたチャリティー活動の一環で、現在も続いている。

抽選で選ばれた一般人と、参加を希望する著名人たち、総勢22人で集い、平地でテント設営などを研修し、本山行へ(ルートは事前にスタッフが確認済み)。

陳坤殿下の考えたこの山行はとてもユニークなもので、歩いているうち(1日7時間)は終始無言を通し、自己を見つめる。
テント場では、瞑想をしたりする。

暁晨は半年前、陳坤殿下が自分をこの過酷で魅力的な10日間の試練に誘ってくれたら、ぜひとも参加したい、と言っていた。

《絶命卦師》
撮影期間 2015年9月16日〜11月8日
2016年4月11日播出
天目瞳役

主役。ネットドラマ。
暁晨は陰陽師で、皇宮に現れる妖怪を倒すために招ばれた。

宦官に惚れられたり
公主に惚れられたり
侍衛に惚れられたり

のちに活きる様々なアクションシーンも
入浴サービスシーンも🩷🩷🩷
32歳の誕生日をこの時迎えた

全集はYoutubeより。

クランク・アップ
同じ時期に撮影が始まった伝君の時代劇にも出た。暁晨のご両親が訪ねて来たときのもの

11月15日
北京の銀杏の下で、日産自動車の品牌活動。

《大仙衙門》
撮影期間 2015年11月10日〜2016年1月4日
2016年6月7日播出
任平生役

腹心の友王伝君主演の幻想時代劇。
任平生は500年生きている狸の妖怪。狐の妖怪と恋人だったが、300年前、自身の野望の道具にしたために、永遠に近い別れに。

妖界一の霊力を持ったたぬきであったが、雷に何十回と撃たれねばならぬ修行のうちに、体を保てなくなり、やむを得ず皇宮の太子(赤ん坊)の体を掠め取る。

たぬきはかつてきつねを利用し、生き別れたことを悔いていた。
もう一度日月曜の珠を使い、共に昇仙し永遠の命を手に入れて、未来永劫幸せに暮らすことを夢見ていた。
偶然お忍びの最中友となった元豊(王伝君)ーーー

暁晨は《絶命卦師》と重なるように制作されていたにも関わらず、休み無しで参加した。
かつて演技を教わった伝君の作品に、レギュラーとして共演できるのだ。
嬉しさからか、珍しく一緒のシーンでは素だと思ってしまう笑顔がちらほら見受けられた。

しかし、都へ戻ると、その元豊の妻がきつねだとわかる。

きつねを取り戻し、一緒に永久に生きるーーー記憶を失わせる首飾りを付けさせていたが、きつねと元豊を別れさせるため、荒療治をする。

ところが、いざ二人、手に手を取ってみれば、きつねは夫を守るべく、平生を嵌めた。

今回のクロニクルを編纂するにあたり、私が再び取り組んだのは、平生が本当にきつねとの愛よりも、世界支配を優先したのかということだった。

"平生は過去の自らの行いを悔いていた"

いささか身勝手だが、恋人に過去の所業を許してもらい、もう一度自分と生きて欲しかった。
しかし、きつねは真の愛を元豊ーーー彼こそが本当の太子だったーーーの間に見つけたのだ
"私の真心を蹂躙し、よくも騙したな"

たぬきは叫ぶが、その体内には偽の珠が爆弾として入っており、爆死。
救いようのない役だが、暁晨ファンにとっては、その姿を見ているだけでもときめく要素が満載の、人気のキャラクターだ。

2015年は、暁晨にとって転機とも言える挑戦となった。
夢を抱き飛び込み様々な体験に溢れた10年。そして、2016年からは新しい挑戦が始まる10年ーーー
2015年には、彼の人生に関わる3つの運命的な出会いがあった。
一人は陳坤
もうひとりは曹盾監督
そしてもう一人は
王詩婭という女性だったーーー

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