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CéCi姐妹interview

《海上牧雲記》という話題超大作に、降ってわいた幸運で出演できた暁晨。
この時期(2016年初夏)は、昨年から息つく暇もなく続く撮影に一段落した時で、振り返って見ても、韓国俳優を主役に配し鳴り物入りで制作された《三国志趙雲伝》、有名デザイナーを起用し、従来とは刷新したセットと衣装で注目を集めた恋愛時代劇《皇帝の恋》、久しぶりに主役を務めた《絶命卦師》、そのまま現場入りしたオカルトもの《大仙衙門》と、非常に充実したものだった。
6つ上の実力派大スター(微博総フォロー数中国いちを誇る9800万人)陳坤の事務所に移籍して一年、目を見張るほどの様変わりした"職場"に、興奮の連続だったことだろう。

馬超。《三国志趙雲伝》
豪放磊落で恋に一途な英雄を演じた
長慶。《皇帝の恋》
修羅に生きる復讐鬼。恋人との悲恋も
陰陽師天目瞳。《絶命卦師》
主役を務めた
任平生。《大仙衙門》
正体は妖怪。悲願達成のため悪略をはかる
牧雲徳。《海上牧雲記》
陰謀を巡らす、大闇商人。これまでで最大の代表作となった。

序文
2006年に《加油!好男儿》で芸能界に入り10年が経った。この10年の間、彼には大きな浮き沈みもなければ、大きな悲喜も特にはなく、ただ静かに直向きに芸能人としての仕事をこなしてきた。
今日、目の前の彼は落ち着いた風情で、気さくな雰囲気を纏っている。彼によれば、これまでの年月は彼に多くの洞察を与えたという。
"好きな人生を生き、やりたいことがやれる、それだけで幸せなことだ。
誰かを喜ばせようとする必要もなく、望まぬ人生を送る必要もない。ただ空気のように、静かに穏やかに生きればいいのです"

Q.今年貴方はデビューして10周年ですが、この10周年、何か大きな変化はありましたか?

張暁晨:僕の精神面では大きく変化がありました。だんだんと、より安定した生活を求めるようになりました。デビューした当初はさまざまな野心や要求がありましたが、時を経るにつれ、そういった欲求を抑え込み、冷静でいることの難しさと面白みを見出しました。
第二に、当初の僕は非常に衝動的で、まだ若く、一人前の『男』になることにとても消極的でした。また一方で、僕は自分が成長することについて、拒んでいました。やるべきことがたくさんあることに気づいてはいましたが、いつしか歳を取って若者ではなくなって、プレッシャー、責任、社会的な観念に直面せざるを得なくなりました。
それでも僕はそうしたプレッシャーに直面したくなくて、成長したけれどもそういった義務について考えなくて済むよう、気ままに、若さを楽しむ生活をしていました。一種の逃避をしていたんです。

Q.若さと、活力を保つために何をしていますか?

張暁晨:運動ですね。例えばランニングをすると、走った後はとても疲れますが、何とも言えない幸福感に満たされます。落ち込んだり、鬱屈したり、ストレスを感じていても、運動をした後は全く変わった自分になったような気がする。ですから、年齢には関係なく、心に活力を持ち続けるために運動を続ける必要があると思っています。
僕には、年齢が異なる男の友人がたくさんいます。
彼らは徐々に楽観的な考えを身につけ、人生に対して前向きな姿勢を持ち続けていれば、活力が漲ってくるそうです。身体を健康に保つよりも、内側から外側に迸るエネルギーの方が大きいと思います。

Q.運動が貴方のストレス解消法ですか?

張暁晨:はい。運動でストレスが解消されることを僕は堅く信じています。バックパックを担いでハイキングしたりするのが大好きなんです。
歩くプロセスを楽しんでいます。
実は撮影もそれは同じなんです。例えば戦闘シーンで、這ったり、転がったり、戦ったりするのはとてもエキサイティングで楽しいものです。

Q.撮影中での体験を楽しんでいますか?

張暁晨:はい!僕は人生においては怠け者です。誰かが僕の人生を設計し、その計画によって僕に仕事が来るようにし向けてくれないと、僕は自分で楽しみを見つけることができません。だから撮影中に多くの興味深い経験に遭遇したとき、とても感激するんです。

Q.特に困難だった時期を経験したことがありますか?

張暁晨:具体的な年は言えませんが、若い時はとても奔放で、傲慢になる場合もありますが、これは必ずしも良いこととは言えません。欲しいものを手に入れられない時は、誰かに冷や水を浴びさせられたような気分になります。しばらくすると、冷たい水が更に凍水に変わってしまうこともあります。
そのような時期を経験することは、僕が思うに、精神的な拷問であり、所謂スランプの時期だと言えます。
今僕が誰かと一緒に暮らせば、僕が愛情深い人間などではなく、敢えて親しくしようとはしないのだと、同居人は思うかもしれません。
僕は親しくなり難い人間だと思われがちですが、そうではなく、僕が気楽でいたいために、人と相対しているさいに、もう少し言葉をかけるべきか、話題を積極的に自分から提供した方がいいのかなど迷ってしまい、そのうちそう考えることすら投げ出してしまうからなんです。
だから僕はいま、やりたいとかやりたくないとかいうことを、無理にやるよりは、自然体でいよう、と自分に言い聞かせるようになりました。
人と人との関係は、素朴でシンプルなほうがいいです。空気のように、触れたときだけ反応したり、風が吹いたら消えたりするような。

Q.その困難だった時期に、転職を考えませんでしたか?

張暁晨:そんな風には僕は考えなかったです。僕は大学では会計科専攻でしたが、偶然に芸能界に入ったので。僕は運命というものを信じているんです。人生の最初の20年は芸能界とは全く無縁の生活を送っていました。それでも、そこへと向かうべきだとでも言うように、導いてゆく見えない手が常に存在するんだと。
僕の運命はかなり強靭なものだと思っています。運命が僕の職業として、この世界を選んだのですから、上手くやれるように最善を尽くすべきだと考えています。
あらゆる業界は、より良い人間になるのに役立ちます。仏教をより深く修めるために僧になる必要はありません。実際、あらゆる業界は修行の一形態なのです。誰もがスランプや、飽きる期間を経験します。この時期に正しい姿勢で臨むことが大変重要です。友達と語り合ったり、本を読んだり、運動をしたりなど、有意義に過ごす。そうしていれば、自分は孤独なわけじゃないと気づくでしょう。自分のような人間はどこにでもいる。一人じゃない、と。

Q.芸能人としての10年間、どんな習慣を続けていますか。

張暁晨:僕には皆さんが憧れるような芸能人ぽい習慣はないようです。はははは…

Q.では、変えたいと思う習慣はありますか。

張暁晨:スマホに依存していること。だんだんスマホ無くしては生きてゆけない身体になってしまいました。何か用があるかどうかに関わらず、ついチェックしてしまいがちです。興味があることが多すぎるためです。例えば何かを検索するとします。すると、どんどん新しい項目が出てくるでしょう。分からない、知らない言葉なんかが。

Q.過去10年間で様々な役を演じてきたと思いますが、特に挑戦してみたい役柄などはありますか?

張暁晨:戦争ドラマの兵士などです。優しい、上品な役を演じるのは苦手です。同じような似た役ばかり演じてきたからかもしれません。
僕はたくさんの興味があり、いろいろな経験をし、自分に様々な影響を与えたいと思っています。

Q.貴方は反抗的な性格のようですが。

張暁晨:相手があまり見知った人でない場合、僕は反抗的な面はあまり見せません。
初対面の人は誰もが、僕を冷淡な人間だと感じるでしょう。僕のことをよく知る人物なら、僕が実は反抗的で頑固な性格だと分かっているでしょう。
だから、実際の僕は、皆さんが見ている僕とは、全く違う僕ってことです。でも、僕が演じている役をもっと皆さんに見てほしいです。

Q.作品を通して貴方をもっと知ってほしいですか。

張暁晨:はい。作品の中の僕は、比較的核心的な僕です。

Q.現在、貴方の生活の中で仕事が占める割合はどれくらいなのですか?

張暁晨:最近はずっと仕事ばかりしているので、70%を仕事に費やしていますね。
一番最近の作品では、非常に複雑なキャラクターを演じました。今では、こういった複雑な役を演じるのも好きです。僕は多くの、様々な素晴らしい俳優と仕事をしてきましたが、その中でも最も深い印象を残したのは、その作品でご一緒した王千源氏です。彼は劇中では、私の父親役で、私の演じた役と愛憎関係にある役でした。

《海上牧雲記》での暁晨と王千源

Q.日常の貴方と、仕事中の貴方との最大の違いは何ですか?

張暁晨:以前は大きな隔たりがありましたが、今はそれほど大した違いはなくなりました。以前、大衆は保守的なものでした。今はそのような考えは消えてきています。公であろうがプライベートであろうが、僕はただの僕であればいい。
多分貴女だって、僕の一面しかご存知ないわけですから。でも、僕には様々な面があるわけです。"本当の僕"なんてものを、役を通していったいどうやって見つけられるというのでしょう。

Q.貴方は人生の目標を設定していますか?

張暁晨:人生の目標に向かって生きるよりも、毎日を快適に過ごすことの方が重要です。以前は名声や富を非常に強く求めていました。

Q.何が貴方の考えを変えたのですか?

張暁晨:時間と、価値観に対する自分の考えが変わったのだと思います。名声や富を得てそれがどうなるというのか?自分が望む人生を生き、好きなことができるなら、それだけで幸せなことです。

Q.周りの評価は気になりますか?

張暁晨:今は大丈夫です。が、当初はとても不安でした。今は徐々に安定してきて、解釈に非常に力を注ぎます。最終的な効果も、分かっています。
もちろん、作品ごとに期待値も違いますし、とりあえず撮影して、その結果の評価には何の期待も抱かない場合もあります。努力を尽くして撮り終わった後も、他の人の意見にとても注意を払います。

2016.8月号

10年間で暁晨は、これといった注目もそこそこだが、一つ一つの作品では力を尽くし、手堅く評価を得てきた。一つの仕事の規模が小さかったために、いつまでも、"売れない"ままだった。
"売れない"のは今も変わらないが、作品の発表のされ方が、当時と変わったこと、スターが主演の作品が多く、より多くの視聴者に見てもらえることで、知名度は格段に上がった。
インタビュー中でも触れているが、スランプと感じる時期を経て、暁晨は来る仕事を拒まず、というスタイルを考え直し、プライベートの充実に時間を割くことにしてゆく。
これまでの10年で経験できる辛酸は一通り舐め、その経験から、これからの10年をより、充実したものにする方法なども見出した。
生涯の伴侶となる女性にも、この頃出会っている。
このころの暁晨はまだ与り知らぬ未来を、"自然体の自分"で実現した。
運命が導いたものか、暁晨自身の努力によって捥ぎ取ったものか。
常に"自分自身"を見つめ、その成長を飽くことなく追求してきた暁晨。
更なる10年は如何なる姿が待っているのだろうか。

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