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張暁晨の軌跡〜出演作全記録Part3(2014〜2015)

hanoroses

俳優として生きたいと決め、躊躇なく演技ができるようになった三年目。

モデルとして雑誌を飾り、アイドル歌手として歌番組、コンサート、舞台劇を経験し、俳優となってテレビのバラエティ番組にも出るようになりーーー華やかな芸能界で、たゆまず頑張ってきた。

2014年からの暁晨は、いったいどんな発展を見せるのか？

2014(31歳)

1月
湖北衛視《我愛我的祖国》

他民族国家の中国。異民族の文化を、バラエティで扱い、親近感を育む、そんなプログラム。収録は昨年末。

1月8日
湖南衛視春晩特番

《快楽ELIFE 》メンバーと。隣のピンクは王佑碩

《快楽ELIFE 》メンバーと再び集結。この日は《怒放之青春再見》上映日でもあったため、みんな収録のついで、鑑賞してくれた。

16日
東方衛視春晩《瘋狂現代人》

18日
《画報美男》

17日
中央教育電視台《春天里的七次約会》

31日
遅帥と古巣、東方衛視春晩特番

《我把忠誠献給你》
2014年2月11日クランク・イン
2015年4月29日播出
格木役

格木は日本陸軍の少尉。

格木は血も涙もない、文字通りの"日本鬼子"だ。
主人公を追い詰めてゆく。

最後まで矜持を持ち続け、決闘に敗けこときれるが、
軍刀を支えに、誇らしさを貫いた。

4月

オフに友人たちと旅行。
スプレーハット、ストールーーー彼の精神性の変化が、服装に現れている。

《東方戦場》
撮影期間 2014年2月18日〜10月14日
2016年6月23日播出
池歩州役

暁晨は4月から撮影に参加したと思われる。

池歩州は実在の人物だ。
日本ではついぞ聞かないが、中国では大変有名な英雄だ。
というのは、池歩州は優秀なオペレーターで、日本の早稲田大学に留学し、中国大使館の職員として働いており、妻がなんと日本人という、日本語に精通した人物だったため、暗号解読に成功し、当時の日本の通信をほとんど把握し、かの山本五十六の情報を米軍にリークし、撃墜せしめたという功績もある。

それだけではない。真珠湾攻撃の情報も事前にキャッチし、蒋介石を通じてアメリカのルーズベルトに教えたものの、アメリカが信じずにことに至ったという話まで、中国では信じられている。
よって、"海軍の花"と称された。

しかし、それは国民党軍の時の話だ。
戦後国内内戦のとき、歩州は台湾への同行を固辞し、上海に止まり、貿易の仕事に就いたが、共産党によって、情報部だったことを追及され、労改送りに。
12年服役し、釈放ののち、銀行員に。
晩年は妻と共に日本に戻り、横浜で死去。
死後に名誉回復が果たされ、故郷に碑が立てられた。

神戸で妻となる女性と出会う
まるで駆け落ち同然で夫婦に
子どもも二人生まれ幸せに暮らしていたが、日中戦争が起こる
住み慣れた日本を離れ中国へゆく決心をする
ロケ場所はもちろん中国だが、なんとかして和風にという努力がほほえましかったセット
神戸の舅たちに別れの挨拶に
神戸港で揉め、乗船できないところを、義弟に助けられる
おんぶ紐が中国人には、当時の日本人の印象として残っていたのだろう。妻が荷物を、夫が子どもを背負っている妙。
妻役は日本の女優が務めた
舅は大和田伸也。
長女は重慶空爆の犠牲に
空爆が予見できていれば…
その思いから、歩州は情報部に入隊する決意をする
この写真を見て、ファンらは日本旅行に行ったのだと思っていた。
この写真からは、暁晨のどこか嬉しい気分が感じられる
眠る妻と子どもたちを見つめながら、思い悩む歩州
暁晨からの殺青報告。
"とても楽しい共演だった。忍耐力の大切さを、日本の俳優たちから確かに感じることができた"

二作続けての戦時中ものの中で、全く異なる日本人像を演じた暁晨。
日本人の私は、日本と日本人を愛し、二つの文化を愛し、両国の平和を願う暁晨にこの役を演じてもらえて、本当に嬉しかった。
監督は《新西廂記》の路奇監督。
暁晨にぴったりの役を与えてくださった。
ぜひ日本の大河ドラマか朝ドラでも見てみたい、歩州の人生だ

《隋唐英雄5》
撮影期間 2014年5月15日〜8月17日
2015年2月22日播出
武三思役

武三思は武則天の甥で、歴史にそのクソぶりを残している。
本作では、狡猾、卑怯な裏切り者を、ハゲしく演じた。

張暁晨が演じるからには、"それだけではない"のがお約束で、卑怯者だが愛する人にだけは限りなく佳い男で、琴棋書画にすぐれ、風流人である、という面も。

以前それを表現するには、優しく微笑むか溌剌と若さで見せるか、だったが、ここまでの演技経験から、佇むだけで素敵なさまを、醸すことができるようになった。
私の愛する、"無言で佇むだけで張暁晨"が確立したのだ。

当時の記事によると、この作品自体が主人公でない暁晨の演じる"武三思"の魅力が突出しており、主軸になっている、と。主人公との因縁による決闘シーンは数回あるが、どれも往年の時代劇ファンも唸る出来で、暁晨はスタントを使わずに、ワイヤーアクション、馬を操る全てのシーンを自ら演じ、"プロ根性"を見せた、とある。
撮影は真夏だったため、分厚い鎧を纏ってのアクションは非常に困難で、汗ぐっしょりであったという。
"髪飾りが一日に3度ふっ飛んだ"
らしい。

見慣れぬポプラ並木のロケ地は、懐かしい古巣、河北省石家庄だ。暁晨はここの大学に通っていた。

撮影の合間に、地元のショッピングモールで《我是大美人》(美容テレビ番組)のイベントなどにも出た。

撮影の合間に。ポストの私の文言がおセンチなのは理由がある。この頃は《陰陽師瀧夜曲》お蔵入りで涙に暮れていたのだ。

余少群と。《隋唐英雄》シリーズでは常に一緒だった

6月
石家庄で撮影をする合間に、郷里張家口に立ち寄ったのだろうか、
暁晨は、果てしなく広がる山野を紹介してくれている。
翌年2015年夏に、張家口は冬季北京五輪のスキー競技開催地に選ばれる。
それまでは、張家口は中国でかなり遅れた地域だった。この誘致により、北京からは電車で8時間かかっていた道のりが、2時間に短縮されたり、高速道路やリゾート施設が造られたりした。

7月
友人と過ごす
暁晨は友人も多い。


8月1日殺青。
"雨を浴び、馬に乗り、鉾を下ろし全ての撮影が終わるその瞬間がとても好きでたまらない"
過酷な撮影中、暁晨はかなり目方を減らし、北京に戻った。
撮影で失った体重を戻すのに、いつも苦労するらしい。暁晨はとにかく肥り難く、油断するとすぐに減ってしまうそうだ。

15日
上海で『好男儿』時代の親友たちと会う。
左から魏斌、司健、鍾凱。三人とも、湖南と上海で暮らしているため、行かないことには会えない。

9月7日
南京工程学院学生会にゲスト参加

《男人装》
撮影：趙浩

11月
《時装男士Official Hommes》

韓国旅行
誰と行ったか詮索するのは、野暮というもの

《盗墓筆記》
撮影期間 2014年9月1日〜12月1日
2015年6月21日播出
解雨臣役

『好男儿』の後輩李易峰主演作品。
第一季だけの、全12話。暁晨は10話から出演するが、原作で最も人気のあるキャラクター、"花儿爺"(花の若様)、解雨臣役。
原作ファンからは歓迎された。

たしかに暁晨ぽい
振り返るさいの角度🩷

北京のオークション界を牛耳る解家の御曹司。
怪しげでキザで澄ました態度が板についており、まさに張暁晨にハマる役。
原作では少し耽美な雰囲気もある。

おばあさま役の鄭佩佩と
左の孫耀琦とは隋唐シリーズでお馴染み

12月
紫禁城をゆく

17日
北京にて陳坤のチャリティー活動のイベントに参加。
『これ』がただの冷やかしではないのが、興奮ポイント。

実は、暁晨は2011年からちらほらと、陳坤を崇拝している、と微博で呟いたりメンションをしていた。
2012年頭、陳坤が出した本の感想を書いたら、初めて反応をもらった。
水面下で、この二年、何かが動いていた。

"何をしたいって？ほほう、一緒に進歩してゆこうか！"

《如果没有你》
撮影期間 2014年12月8日
2017年7月播出
林泰役

林泰は海外でのキャリアも持つ一流の料理人だが、対人恐怖症で大勢の他人がいる場は苦手。

せっかくお膳立てしてもらったレセプションでも、恐怖からパニックになってしまい、台無しにしてしまう。

しかし、ヒロインはじめ友人たちの助けにより、このままではいけない、という思いを強くする。

2015年(32歳)

1月
《当代歌壇》
iku zo！と暁晨がキャプションをつけている。

2月

暁晨はパリにいた。
目的は、憧れの陳坤とファッションショウのゲストとして参加することーーーファッション雑誌の企画だった。

"坤哥の家族に加わることができ、嬉しいです。それだけでなく、これからは、温もりを貰えるだけでなく、創造性も高まるでしょう。思いがけない、豊かな人生のスタートです"ーーー
暁晨は、陳坤が創設した芸能事務所、東申未来に移籍した。

『你好、未来』ーーーそれが、陳坤が暁晨に贈った言葉だ。

この契約の話は、ちょっとしたニュースとなった。
業界では暁晨は、『好男儿』からずっと弛まず努力し、膨大な作品に出演しはしたが、未だあまりパッとしない人気のまま来た、同期の『好男儿』出身俳優、馬天宇や李易峰、井柏然らに比べてーーーという認識がいつもあった。

陳坤は暁晨より６つ上の38歳(当時)、まだ若い俳優の1人だが、その実力は証明されており、また自身のスキルだけに止まらず、後進の育成のために芸能事務所と研修施設、養成所まで魂の伴侶周迅と共に創ったほど、演技に対する思いは熱い。

ずっと憧れていた人の元で、これからは演じることだけに打ち込める場を、手に入れたーーー

実は、暁晨は、北京に出てきて間もなくの頃は舞台の主役、有名プロデューサーの話題作への主演など、華やかな話題に事欠くことがなく、また、演技に関しても、こつが掴めてくると楽しくて仕方なかったのだが、いつからかーーー

現場の梯子をしているうちに、演じることが苦痛で仕方なくなり、スタジオにこもっていると叫び出したくなるほどだったという。

芸能界に入り10年経った。いつまでもこんな日々で、これから更にズルズルと沈んでゆくのか？
このまま、ずっとこうしていたら、10年後、どうなっているだろう？不安しかない。

そこで、自分に問うた。俳優をやめて、どうするというのだ。今更どんな職に就くと？
演じるのが嫌になったのはなぜだ。いつまでも、同期と比べられ、彼らのような人気や栄誉を得られないからか？
ならばお前は、人気や栄誉がほしくて、俳優をやっていたのか？

そんな時、陳坤が声を掛けてくれたのだろう。
そこで、心機一転、もう一度やってみよう、と決意した。
演ずるのが、何より好きなのだ、と気づいたからーー

再び歩み始める、俳優の道。
シャンゼリゼをゆく暁晨には、その行方はまだ見えていない。
けれども、演ずることが好きだという想いと、自分を信じて、また、信ずるために更なる努力を重ね、顔を上げて前進すれば、自ずと追いかけてくるかもしれない、『何か』が。
道は未来に通じているのだ、ならば歩もう、未知なる喜びを発見するためにーーー



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