レインツリーの国(小説) 感想
有川浩さんの作品を読んだのは、これが初めてでした。図書館戦争が有名だったのは知っていたのですが、当時は小説を読む時間が個人的にはなかったためです。
読んでみて、「こんなに胸がキュンとする恋愛小説があったのか」というのが率直な感想でした。もちろん、僕が過去に恋愛小説を殆ど読まなかったので、新鮮だったというのが一番手にあるのですが……。
この作品を読んでいて、ところどころ「理屈ではどうにもならないこと」があるよなあと気付かされた部分があります。例えば、僕は野菜が苦手なのですが、いくら「体にいいよ」と言われても「嫌いなんだから」という一言で済ませてしまうことは良くあります。
この作品にはそのように感じる要素が沢山ありました。ヒロインの抱えている障害を理解しようとする主人公が居て、でもその主人公の行いがヒロインを傷つける部分もあって。そしてそれ以上に、ヒロインの抱える苦痛を知らない人が与えるストレスがすごくて……。
ただ、どこかで「感情的になってもいいんだ」ということを思わせてくれる作品でもありました。もちろん、感情的にならず論理を優先させることはかっこいいとも思うのですが、喧嘩したり、意見を言い合うことで気付かされることもあります。言葉にしないと伝わらないこと、言葉にしても伝わらないこと、そういうものが沢山ありますが、この作品を読んだ後では、「もっと思っていることは伝えたい」と思うようになりました。
それにしても、有川先生の小説、もっと早く読んでおきたかったと思うのですよ……。もちろん、今からでも遅くないとは思いますが。
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