【紹介】【音楽】人に教えたくなる変わった趣味を持ちたい。独特な世界観を楽しみたい方へ。聴く小説こと『Sound Horizon』より『Elysion〜楽園幻想物語組曲〜』

こんにちは。ずまです。記念すべき作品紹介の一発目は幻想楽団『Sound Horizon』です。


こんな人におすすめ

・ストーリー性のあるものが好き

・伏線回収や物語の繋がりを楽しみたい方

・幻想世界、別の世界線を感じたい方

・神話や歴史、童話などにも興味がある方

・考察好きな方

ここらでピンと来ない方はブラウザバックを推奨します。←


作品紹介

僭越ながら個人的なオススメ度(MAX★5)と一緒に先月サブスクが解禁されたメジャーデビュー作品の中から紹介していきたいと思います。


オススメ度★★★★

Elysion〜楽園幻想物語組曲〜

まずはメジャーデビュー2枚目のElysionを紹介します。このアルバムのストーリーを簡単に表すなら

楽園と奈落。歪んだ愛とヤンデレラ。父と娘。

です。←

私自身Sound Horizon(以降サンホラ)の入り口はこのElysionでした。おそらくサンホラーの方達もこの作品から楽園への扉を開けた方が多いのではないでしょうか。←

ストーリー


 メインストーリーとしては病気の一人娘の治療費を稼ぐために手段を選ばない父。しかし止む無くも娘は死んでしまい、亡き娘の幻想を抱きながら歪んだ愛に狂っていく5人の少女達を自身の創り出した楽園へと誘っていく。これが私個人の解釈です。

 独特な世界観と展開で初めは理解に苦しむ内容だと思いますが曲ごとの繋がり、伏線を一つずつ理解していき、全てが繋がった瞬間一気にこのアルバムの虜になること間違いなしです。

メジャーデビューの完結したアルバムとしては1枚目となるElysionですが考察が一番難しいと言っても過言ではない作品だと思います。私自身いまだに様々な方の考察を拝見しては新しい解釈に驚かされます。それだけにElysionはSound Horizonを代表するアルバムなのではないかと思います。


収録曲


1    エルの楽園 【→ side:E →】
2    Ark
3    エルの絵本 【魔女とラフレンツェ】
4   Baroque
5   エルの肖像
6   Yield
7   エルの天秤
8   Sacrifice
9   エルの絵本 【笛吹き男とパレード】
10  StarDust
11  エルの楽園 【→ side:A →】

以上の11曲+隠しトラックがElysionの収録曲となっています。基本的にSound Horizonは歌詞を見ながら聴くことを推奨します。

内容としては、エルの〜から始まる楽曲は父と娘(エル)の過去のお話しなど2人に関わる楽曲。1曲目のside:Eで世界観を作り出し、最後のside:Aでこのストーリーの結末と真実が明らになります。

英語表記の楽曲はそれぞれ5人の少女達の歪んだ愛による絶望の楽曲になります。この5曲全てにエルの父(仮面の男)が最後に登場します。共通点はいくつか在りますが、それぞれが独立したストーリーなので単体としても楽しめると思います。



音楽


 「ストーリーがこんなに複雑なら聴くのに苦労しそう」なんて思っていませんか?大丈夫です。その問題は聴けばわかりますがすぐに解決されます。Sound Horizonの楽曲全てに共通して言えるのですがメロディがとにかく良いです。想像しているよりだいぶキャッチーメロディだと思います。しかしながら複雑な旋律や拍子が曲の中で変わったりするので飽きずに楽曲としての深みを感じられます。歌詞は難しいですがメロディーはすぐ覚えられちゃうと思うのでカラオケで歌うにはもってこい。※私は中学の時友人の前でArkとStardustを歌い続けた結果耳コピして口ずさませるまで洗脳しました←


ボーカル


 Sound Horizonを語る上で説明しなくてはいけないのがボーカルについて。そもそもSound Horizonのメンバーはボーカルとギターを担当しながら全ての楽曲の作詞作曲を手がけるSound Horizonの国王ことRevo氏というイケてるお兄さん1人だけです。ですがアルバムごとにボーカル変えながら募っているので様々なボーカルの方の歌を聴くことができます。

このElysionではインディーズ時代から連続してメインボーカルを担当していたAramary氏の最後の担当となっています。少女から老婆。更には語りまでElysionに登場する女性の声は全てこのAramaryによるものとなります。Sound horizonの歌といえばAramary。というファンの方々もいる程彼女の実力と実績はSound Horizonの世界観を創り出したと言っても過言ではありません。彼女の聞き惚れるような歌声は唯一無二の存在だと思えます。一瞬で吸い込まれる様な歌声を是非堪能してください。

そしてもう1人。Elysionでは仮面の男(父)として参加したじまんぐ氏。彼もまたインディーズ時代から参加しており現在までほぼ全てのアルバムに参加している。彼の声はなんといっても癖になる胡散臭さ。基本的に女性をメインボーカルに置くSound Horizonにおいて彼の魅惑の歌声は時にメインを引き立たせ、時には強烈なインパクトを残す。


歌詞


 歌詞を見ながら楽曲を聴いて欲しいと前述した様にSound Horizonの歌詞はとても複雑ながら物語としての伏線を貼っていたりするので歌詞を確認しながら聴くとこのアルバムに込められた真相に辿り着き、何倍も楽しめると思います。

ここで2つ程Elysionのアルバムに隠された伏線回収のヒントとなる歌詞を紹介します。※ここまでかなり説明していますが軽いネタバレに繋がるのでフラットな気持ちで聴きたい方はスクロールして飛ばして下さいね



①Stardustより

お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ...
貴方の白い衣装(シャツ)も 今は鮮やかな深紅(スカーレット)

酸素に触れた赤は やがて黒に近づき示す      二人はもう永遠に一つにはなれないという事実を...


最も好きな歌詞の一つがこのStardustのサビ部分に当たる歌詞です。1、2段の歌詞は曲を通して共通のサビに当たるのですが、3、4段目の歌詞はラスサビとして歌われる歌詞です。

Stardustのストーリーは愛し合う2人の男女の物語で、赤いドレスを纏った女性が彼氏の不倫現場を目撃し、激情して彼を撃ち殺してしまうというもの。彼は白いシャツを着ていたため、彼の赤い血で染まったシャツは自分の赤いドレスとお揃いの色で嬉しい。しかし酸化して黒く変色したシャツはもう二度と赤く染まる事はなく、二人の永遠の別れを示した。という解釈ができます。

Stardustはサビの盛り上がりと感情的な歌詞が魅力なのでカラオケ向きなので是非!浮気ハヨクナイヨ



②エルの楽園 【→ side:A →】より

挾み込まれた四つの《楽園/El》に惑わされずに
垂直に堕ちれば其処は《奈落/Abyss》


という歌詞があります。皆さんは理解できますでしょうか。収録曲を参照してみて下さい。

挾み込まれた四つの《楽園/El》に惑わされずに→つまり一つ飛ばしであるエルの〜で始まる楽曲を見ずに

垂直に落ちれば→頭文字を下に読んでみてください

Ark 
Baroque
Yield
Sacrifice
StarDust

そういうことです。

このように説明すると比較的理解しやすい伏線回収だと思いますが初めてこれに気づいた時は鳥肌が立った記憶があります。つまり娘を亡くした仮面の男(父)はエル(娘)の亡き魂を求めて楽園(Elysion)を創り出し、5人の少女を誘なって向かったその楽園の正体はABYSS(奈落)であった。という事だと自分は解釈しました。





さいごに

いかがでしたでしょうか?Elysion〜楽園幻想物語組曲〜の紹介は以上になります。今回はサンホラ初見さんの方に少しでも興味を持ってもらえる様に細かい考察などはなるべく省いて紹介したつもりでしたが結局好きな所は語らざるをえなくなりました。オススメ度を★4にした理由としては作品の完成度としてはほぼ完璧であり、楽曲のメロディとしての魅力も高い。しかし完成度の高さ故に真に内容を理解するまでに時間がかかり、自身の解釈によって作品の印象が変わると思ったからです。初見さん向けで引き込まれる様な楽曲ではあるが内容としては好みが分かれるかもしれません。自分も初めはそうでしたが、メロディから興味を持ってアルバムとしてのストーリーを少しずつ理解してくことが初見さんの楽しみ方の一つだと思います。もちろんそれぞれの方法でSound Horizonの世界を、地平線を楽しんで欲しい頂ければ幸いです。


後述

ここまで読んで頂き大変ありがとうございます。1発目から特殊すぎる作品←の紹介でしたが、Sound Horizonは個人的に思い入れの深いアーティストであり、どこかで紹介したいと思っていました。作品としてのクオリティとは相反して一般的な知名度の低さというものを感じざるをえないのが本音でした。いわゆる知る人ぞ知る作品というのは世の中にごまんといます。入り口がないから、出会う機会も無く存在すら知らずに引退してしまうアーティストも数多くいるでしょう。そこで、この様な情報社会だからこそ、その様なアーティスト、作品達に出会う機会を提供できればと思いました。Sound Horizonは初めにも前述した通り先月から待望のサブスク解禁しましたのでこの機会に是非聴いてみて下さい。また他のアルバムはいつか紹介したいと思います。ありがとうございました。