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会社の先輩の話(のれんのような先輩)
今の会社に勤めていてよかったな~と思えることとして、尊敬できる先輩に出会えたことが挙げられる。
前回の投稿で、熊のような先輩の話をしたが、この他にもう一人、出会えて良かったと思える先輩がいる。
それが人間味がある”のれん”のような先輩だ。
のれん先輩
この先輩は親会社の社員で、熊さんとは違って直接的な仕事のつながりが多かった。尊敬できるというか、人としていいな、と思える人である。
私が担当していた1機目の衛星開発の時、現場の人手が足りず、だれか他の部署から呼んでこよう!という話になった。
候補として、
「若手だが優秀な人」と「チームリーダークラスの人」
どちらがいいかという話になり、即戦力が欲しかったので、当時一緒に仕事をしていた別の先輩が「チームリーダークラスの人」でお願いし、来てくれたのが、人間味がある”のれん”のような先輩だった。
言いづらいのでのれん先輩と呼ぶことにするが、のれん先輩はすごく穏やかですっとぼけていて、話しかけやすい人だ。
今やプロジェクト部長クラスになってしまっているが、当時チームリーダー経験もあり、年齢的にも結構上。(熊さんよりは下)
自分のいる職場に来てくれてからしばらくして、その職場のチームリーダーとなり、直接的な上司の立場でも一緒に仕事をしてくれていた。
■変更指示のレビューが適当だった時の話■
現場作業は、いわゆる図面を正式に社内で発行する手続きを踏み、その図面に基づいて製造や品質管理部門に作業をしてもらうのだが、図面に誤りがあったりすると、変更指示をするための別の手続きをとる必要がある。
(本来は図面を改訂するのだが、現場作業が始まると時間がものを言うので、変更指示という仕組みがある)
衛星開発の現場は、想像しにくいかもしれないが結構職人気質の人が多く、若いころはかなりしごかれた。
そんな中で、自分なりのやり方として、変更指示を出す際は予め内容について現場ともネゴをとってから紙に起こし、極力スムーズに事が運ぶようにしていた。
ある時、変更指示書を書いてのれん先輩に検認してもらおうと持って行った。具体的なことは忘れたが、
「う~ん、ここはこういう風に考えて、もっとこうしたほうがいいんじゃない?」
的な、あたかも上司のようなコメントをもらい、差し戻されそうになった。
いや、実際に上司だからそれはいいのだが、私としては事前に現場の鬼として有名な(かどうかはわからないが、のれん先輩も当然面識がある)、かなり厳しい棟梁のような人にも説明してネゴして準備したものだったので、念のため、
「これ、現場の〇〇さんとも話し、こういう考えなのですが」
と補足すると、
「あっ、そうなの?じゃぁそうしよ?ごめんごめん。」
と、すんなりサインしてくれた。
この人適当だな~・・と思うと同時に、でもこういう人好きだな~と思った。(笑)
■カミさんと飲んでいて呼び出した話■
私とカミさんは同じ会社(職場は異なる)で、結婚前の同棲している頃、仕事帰りに居酒屋で二人で飲んで帰ったことがあった。
私はのれん先輩のことが好きすぎて、仕事終わりに飲んでいると、よく職場に電話して、のれん先輩に取り次いでもらい、飲みに出てこないか誘っていた。
この時も、カミさんに会わせたくて職場に電話し、のれん先輩(当時はもう課長だったかな)に電話し、
「お疲れ様です。今〇〇で飲んでます。待ってます。」
的な誘いを、親会社の上司に対してなんのためらいもなくかけた。
当時は深夜残業も当たり前で、のれん先輩は毎日AM2時とかだった気がするので、さすがに忙しいかな、と思っていたが、
居酒屋に来てくれた。
こういうところなのだ。おそらく仕事を切り上げて来てくれたのだと思う。
この時の話は、今でもカミさんとたま~に話題に出るが、仕事できなくてもいいから(いやできるんだろうけど)、こういう人が私は好きだ。
■結婚式で挨拶をお願いした時の話■
私は2011年に地元の九州で結婚式を挙げた。会社の先輩や同僚を何人か招待し、
「ホテルだけは一泊用意するし、祝儀も要らないので、交通費自腹で来てもらえないか」
と無茶な計画で九州まで集まってもらった。
その結婚式当日の朝、のれん先輩に、披露宴での挨拶をお願いした。
普通に考えると非常識だと思うが、のれん先輩は快く受けてくださった。
先輩のスペックの高さ(人間力の高さ)から、結婚式の挨拶なんて余裕だろうと思い、ずっと正式にお願いするのを忘れていたのだ。
結婚前には前述のようにカミさんとも面識があり、新郎である自分のみならず、なんとカミさんのことも含めてうまく紹介挨拶をしてくれた。
さすがだな~と思った。
ちなみに、披露宴のお色直しで新婦が退場し、新郎(私)が一人で待っている間、自分の会社の上司に「当日お願いするのはダメだよ」と軽く叱責受けたのを覚えている。(笑)
ちなみにのちなみに、その後たま~にのれん先輩に会って結婚式の時の話になると、
「あの時は社員旅行みたいですごい楽しかったよ~」
「今度はいつやるの?」
って聞いてきた。
仕事っぷりは微妙だけど、こういう人が上司だといいな、って心底思った。
のれんの由来
のれん先輩がとても人間味がある先輩なのが、少しは伝わっただろうか。
そういえば、のれんの由来について触れてない気がする。
単純に、話していて反応が適当な感じがして、のれんのようなのだ。
のれんに腕押しという言葉があるが、この先輩は受け答えは適当だが、本質的にはきちんと受け止めてくれていて、人として見習いたいと思える先輩だ。