よかったのかな

近所に自殺の名所がある。
そこで自死した人が割と身近にいたし、一度だけ規制テープが貼られていた場面にも出くわしたことがあるから、都市伝説でもないんだと思う。
ただそこを通らないとどこへも行けないので怖いとか思ってられないから夜でもそこを通る。
ある夜家族でドライブに出た時のこと、そこを通りかかったら小雨の降る中、手ぶらでうなだれる男性がいた。
一度通り過ぎたけど、田舎で夜は歩いてる人なんてまずいないし状況的にも場所的にもこれは……と夫と話し、近くの駐車場から警察へ連絡した。
すぐに警官二人が駆けつけ、その男性の元へ向かった。私たちは駐車場で待機、少ししてから警官から、無事保護しましたのでとだけ伝えられ、そのまままたドライブへ出かけた。

近くに宿泊施設などもあるから、単に酔っ払った宿泊客が外の風を浴びたくていただけなのかもしれない(かなり無理はある)。
別にそんなこと考えてもないただの近所の人かもしれない。
本当にあの人が絶望を抱えてあそこに立っていたんだとしたら、私たちのしたことはものっすごい大きなお世話だったかもしれないと思う。
その後もちろんその人がどうなったかなんて教えてもらえるわけでもないし、教えてもらったとしても私たちが絶望から救ってやることができるわけでもない。
単に、自分らの気持ち的におさまらないから警察に言っただけなんだよなと思うと、なんだか罪悪感のようなものがわいてくる。
すごい自分勝手な考えだったよなと。

後日夫の知り合いも同日の別の時間、私たちが通るよりずっと早い時間にうなだれるその人を見かけたそうなので、やっぱりそういう考えであそこに立っていたのかな?
もしかしたら今はもう他の場所で決行してるかもしれないけどね。
自死しかけてるところを止めたら止めた人が表彰されたりするけど、あれ意味わかんないよね。
いいことした!ひとりの命を救った!とは思えなかったよ。
救うってそういうことじゃないもんな。

ちょっと厨二っぽい日記。



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