人生初の街頭インタビュー
数ヶ月前に友達と2人で都内某所を歩いていたら、機材を持ったお兄さんに声をかけられた
「テレビ局の者なんですが、タレントが作った芸術作品を見せるので、どれが1番良いか答えて欲しいです」と言われ、友達も私も「おもろそうじゃね?」となって快諾
作品を鑑賞して、どれが1番良かったか、逆にどれが1番良くないと思ったかを答えさせられた
ここまでは簡単だった
「では次に、良かった/悪かった理由を教えてください」と尋ねられてからが問題だった
当たり障りないことを言うと、お兄さんに「つまり、どんな感じですか?」と更に回答を求められる その後も私たちの感情をかなり深掘りされた
これは簡潔に意地悪な回答をしないといけない、と察知した
学生時代、研究でよくヒアリングする側だったので、こういうときに求める回答が得られない時の気持ちはすごくわかる
とはいえ何を求められているか頭では理解できていても、ド素人が即座に簡潔で意地悪な回答をするのは中々難しかった
何回か、私が辛辣なコメントを捻り出すと、お兄さんが顔を輝かせて「今のもう一回言ってもらっていいですか?」と言ってくるので、悪口を復唱した
しかし嫌な奴に映りたくなかったので、「ダサくて可愛いですね」みたいな感じで、辛辣コメントの後に「可愛い」を付けることで悪口じゃないですよ?感を演出するなどした 小賢しい、普通に嫌な奴である
インタビュー終了後、友達と「あんまり私たちの映像流れてほしくないけど、せっかく答えたしダイジェストでサラッと映してほしいよね」と会話をした
結果、私は放送を見損ねた
インタビュー後数日は「悪編されたらどうしよ><」とそこそこ心配していたのだが、日々の生活に追われているうちに完全に忘却し、思い出した頃には放送日を過ぎていた
見逃し配信の期間も終了しており、サブスクでも観ることができなかったため、私がその番組を観ることは不可能となった
しかし自分がどういう映り方をして、どのコメントが拾われているか、最悪のケースを予測すると見ない方が幸せかもしれないからもう別にいい
これ以降、テレビの街頭インタビューでイキったことを言っている人を見かけても、「言わされてるだけかもしれないな…」と思うようになった