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[39歳の日記#4]無地とか白とか

小学5年生の息子が私の小さい頃の自分に似すぎている。
毎回小学校の音楽会で使う服には色の指定があって音楽会の1週間くらいまでには用意して学校に持っていく。

いつも指定される色は絶妙に持っていない色ばかりで毎回音楽会のために買い直す、もちろん普段着として着れるものを。今回は上は白で、下は黒だった。

白のロゴが入ったトレーナーと夏に履いていた黒のハーフパンツがたまたまあったから「今回は買わずに済む〜ラッキ〜」と思って用意してランドセルの上に置いておいた。すると息子。

「ロゴは良くない!ダメに決まっている!先生に怒られる」
「ズボンはハーフパンツじゃなくて長いやつじゃなきゃダメだと思う」


「紙には無地しかダメですよ。なんて書いてないから大丈夫だし、ズボンもハーフパンツじゃなきゃダメなんて書いてないから問題ない!」

・・・

私は39歳になった今でも
タバコを吸う=不良だと思っている。

多分そんな感じで、息子は白の上着=無地だと思っていて、黒のズボン=当然長ズボンだと思っている。お互い主張を一歩も譲らない。

ただ、私も幼い頃に全く息子と同じようなことを母に言っていた記憶がある。

「発表会のコサージュを右胸につけてきてください。」と先生に言われた。
当日母につけてもらった場所が右胸の上あたり、肩に近い絶妙に変な場所だったのが先生から言われた場所とは違うと思って、母に
「先生は右胸って言ったからここじゃない」と静かに言った。

我が息子は親にキチンと主張を通してくるのに対し、幼いエリナちゃんは“自己主張=生意気な子”だと思っていたから強くは言えず、小さく小さく主張した。

それでも母はまさに今の私のような感じでかわしつけ替えてくれなかった。
その後のことは覚えていなかったけれど、この前たまたま母から「そういえば」とその時の話をされ、どうやら私は発表会ではばっちりと右胸にコサージュをしていたらしい。
(ちなみに母の前でつけなおすことはできないタイプ)

だから息子の気持ちは実はめちゃめちゃわかる。ただ大人になってしまった私は、当時の母親と全く同じ対応をするのであった。

今の私の主張としては、

絶対に無地ではないといけないなら無地で!と書いてあるはずだ。
色々な家庭環境がある中で学校が発表会のためにわざわざ服を買わないといけないようなお願いはしないはずだ。
何より、今年で3回目の音楽発表会。正直毎回同じことを繰り返している。私だって最初は「上は赤を用意してくだい。」と書いてあれば素直に無地の赤を用意していた。そして発表会当日の子どもたちの着ている個性的な赤色を見ては「赤=無地」を選んだ自分、真面目かよ...って落ち込んだ。私にとっては真面目ということは大多数の多になるような感覚、自分らしさがないような良くないイメージなのだ。

ただ、やっぱりここは息子の主張の方が大切。
学校は息子が通う場所で親はサポートしてあげればいい。
急いでGUに行き1000円くらいのトレーナーと、
ユニクロで裏起毛の黒のパンツを買って息子には「ご希望の品を用意してきましたよ〜〜」なんて優しくて物分かりのある母な感じで差し出すと…

「これ、白じゃなくて、アイボリーじゃん!!」と息子。

彼からしたら無地とかデザインうんぬんよりも、白からアイボリーに色が変わってしまったのだ。

買い直す時間もお金も勿体無いのでおとなげないけど、

「白もアイボリーも一緒!」
「アイボリーだから音楽会には出席できませ〜ん♪」「は~いすいまて〜ん♪」なんて言われないから大丈夫!」とただただ、大人の感情で伝えた。

すると、息子

「白って200色あんねんで〜♪」

アンミカかよ!!!

くそー!!小5に軽く交わされた!!

深呼吸して必殺技、「大人の余裕」。

「心配なら先生に見て確認して貰えばいいと思うよ^^それで本当にダメなら一緒に選びに行こうね☆キャは☆」

息子は私の言葉に安心し音楽会に着る衣装問題は幕を閉じた。

結局先生に確認したらもちろん何も問題はなく息子はルンルンで「ぜんぜん余裕で大丈夫だった〜〜〜♪」とテンション高く帰ってきた。
素直な子でよかった。

親は親という仮面をかぶっているだけで
わたしという人間が親にチェンジしたわけではない。

一緒に成長しようぜ、息子。


えりな