NOACFをまだ知らなかった頃。
その時、私は一本の動画を見ていた。時は去年の夏。画面内にはイギリス、Reading Festival 2019の文字。両脇と背後にそびえ立つ巨大なモニターが明るい黄緑へと変わっていく。琴の音?をはじめとした様々な音が繰り出される。正面に立っているクルクル頭の男性は確かにこう言った。
「Notes On A Conditional Form.....」
.......なんのこっちゃ。考える暇もなく曲が始まる。ボーカルはあまり出てこない、インスト曲。あまりにも美しい、インスト曲。
キックの音が心地良い。ステージの中心ではペタンと座ったボーカルが頭をかき乱している。大きい体を曲げドラムを叩く男性はサンプリング・パーカッションパッドを駆使し、両脇では楽器を変えたスマートなギターの男性とお髭の長いベースの男性がリズムにノりながら鍵盤を弾いている。Rockとは何か、音楽とは何か考えさせられる楽曲。衝撃のインスト曲であった。
その名は、『Depth』
体の奥底から血がダンスする感覚。おいでなすった、待ってました。沼にのめり込む時にいつも経験するあの感じ。ライブが始まる直前の歓喜と緊張が入り混じった感覚と似たようなものだ。かつてリンキン・パークとブリング・ミー・ザ・ホライゾンを初めて聴き衝撃を受けた時と、同じだ。
見つけた。そのバンドは、数字が大半の為覚えやすかった。
The 1975。私の人生はこのバンドとの出会いでガラリと変わることになった。
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